前へ!: 東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録 (新潮文庫 あ 45-4)
- 新潮社 (2014年2月28日発売)
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感想 : 14件
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- Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101219349
感想・レビュー・書評
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東日本大震災における自衛官や警察官、道路公団の職員などの活動状況をもとに綴った小説(2014/03/01発行、767E)。
本書は、小説家が書いたプロパガンダ本だと云って差し支えないと思います。 著者は否定していますが、どう見てもヒーロー伝として書かれています。 そのため、一見、感動溢れるドラマのように見えますが、注意深く読むと、結構とんでもないことが書かれています。
例えば、被災した福島の原発の冷却をするため、放水を行おうと現地に入った自衛隊は、作業を開始する直前に水素爆発に遭遇し、東電他の民間人の安否を確かめず真っ先に退避したり、自衛隊の現場司令官が現地に独走し警官の制止も聞かず現場入りしたり、自衛隊が、警察、消防、東電などを指揮するよう言われても指揮できませんと言って指揮を拒否したり等々、国防や災害など非常時に活動することをテーゼとする自衛官が、結構トンデモナイことをしています...;)
この他、即時対応が求められ作られた中央即応集団(CRF)の中央特殊武器防護隊と云う部隊は、半数の隊員が休暇中のため集まらず、その内の52名については連絡もつかず組織として明らかに問題があるにも関わらず、非常に評価されています。
他にも、いろいろツッコミどこるが有り、結構トンデモない内容でした。 救助活動や遺体捜索などにあたった方たちの活動を綴ったドキュメンタリーかと思っていましたが、個人的には残念な本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示