- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101230344
感想・レビュー・書評
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先日、友人に頂いたんです。荻原浩さんの短編集。
タイトル“押し入れのチヨ”⁉︎せめて、クローゼットのチェリーとかにならなかったのだろうかと。
「押し入れのチヨ」は、訳あり格安アパートの押し入れから出てきた明治生まれの女の子。この作品と「しんちゃんの自転車」は、恵まれない環境の中、幼い命を失い、少し現世に気持ちを残した優霊達。
ジェントル・ゴースト・ストーリーというジャンル。「コール」も、親友の好きな女の子と結婚してしまい、後悔を持ったまま亡くなった男の霊が、死後の二人を認めるという優霊系。
「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」は、コメディタッチのホラーテイスト。
「お母さまのロシアのスープ」「老猫」「木下闇」は、ミステリタッチのホラーテイスト。
全9作秀作揃い。ちょっとクラシックで、多少同情してしまうような。
(朱川さん+乙一さん+岩井さん)÷3×昭和÷平成
な感じ。荻原さんの、違った側面を読ませていただきました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
荻原浩さんは初めての作家さんかな?
どの話もちょっとブラックで味のある短編集。
表題作「押入れのちよ」がやっぱり一番良かった♪
ラストの「しんちゃんの自転車」もちょっと切なくて好き。
荻原さんはちょっと毒のあるお話が多いのかしら⁇-
2023/10/22
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2023/10/22
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こんにちは!
荻原浩さんの「噂」はいかがでしょうか。
乙一のGOTHに近い感じかも…:(꒪꒫꒪):こんにちは!
荻原浩さんの「噂」はいかがでしょうか。
乙一のGOTHに近い感じかも…:(꒪꒫꒪):2023/10/22
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ブラックな笑いとグッとくるホラーが荻原浩さんらしい、ダークな短編集。明治生まれの“優霊”が愛しい表題作、男2人女1人の“幽情”が切ない「コール」、夫婦騙し合いの結末が“笑撃”「殺意のレシピ」、そして15年ぶりの“怪逅”が泣ける「木下闇」が印象的でした。
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ホラー短編集。世にも奇妙な物語みたいな感じ。
押入れのちよは面白かった。ホラー小説はあまり読まないのでたまには良いなと思いました。 -
三省堂の本の福袋で手に取った作品。ホラーは普段まったく読まず、表紙からして怖かったので年末まで寝かせてしまった。9作の短編が収録されている。読んでみると表題作『押入れのちよ』はホラーではあるものの心温まる話でとてもよかった。格安アパートに引っ越した恵太が部屋で見た自称明治39年生まれの14歳の女の子・ちよ。謎の存在ながらも、ビーフジャーキーをかじってカルピスを飲む姿が愛くるしい。彼女の過去がわかっていくたびにどんどん感情移入してしまった。
『コール』も同じくしっとりとした読み味の作品でよかった。「桜は無慈悲なぐらい美しかった。人の都合に関係なく、時期が来れば咲き、時期が終われば散る。人間の生き死にと同じだ」という言葉が好き。この作品や『お母さまのロシアのスープ』など、短編の中にも予想を裏切る仕掛けがあって面白く読めた。
『予期せぬ訪問者』『殺意のレシピ』は笑いつつ読める短編。ダークな設定ではあるんだけど、コントを見ているような感覚で読めるね。
三省堂の福袋のおみくじに「本当に怖いもの、それは“座敷わらし”でもなく、“鬼”でもなく“人間”…」とあったけど、ホラーやファンタジー要素がありつつも、現実や人間の醜い感情を隠さずに描くからこそのリアリティがあって怖い話も多かった。『介護の鬼』は自業自得なんだけど、あの結末は鳥肌が立った。仇を取るという大義があれども、人間の方がやることは怖いね。 -
荻原浩さんの短編集。
暗くてゾッとするというような感覚と、一方で切ない気分にもなり…じーんと優しい気持ちにもなったりと
自分の感情が忙しい。
『押し入れのちよ』と
『しんちゃんの自転車』が好きです。
『お母様のロシアのスープ』は
冒頭は、子供の頃に読んだグリム童話のような雰囲気なのだけど…。。。
「匂いには色がある」とある部分、イメージしやすくて面白い。そしてゾクッ…。
2022/9 再読
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怪奇幻想系の短編集。解説にもありましたが、いわゆる“ジェントル・ゴースト・ストーリー”というジャンルになる表題作と、「木下闇」「しんちゃんの自転車」 が良かった。いずれも子供の幽霊が出てくるのだけれど、生者を呪ったり脅かしたりする目的ではなく、普通に交流したり、むしろ助けてくれたりする心優しい幽霊なのです。
とくに「木下闇」は、幼い頃かくれんぼの途中で失踪した妹を15年後に姉が見つけ出す話で、この手の話に弱いのでちょっと泣けました。表題作「押入れのちよ」は、ちょっとした仕掛けもあってゾっとさせられたりもして秀逸。同じジャンルながら「コール」は、一種の叙述トリック(?)が仕掛けられているのだけれど、個人的にこれはちょっと書き方として卑怯な気がしたのでイマイチ。
「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」あたりは、怖いんだけどちょっと笑っちゃうブラックさ。「お母さまのロシアのスープ」は、唯一、日本以外が舞台になっていることもあり、ちょっと異色でしたが好きでした。 -
グロテスクでないホラーで読みやすかった。
初めの三つと最後の二つが好きでした。
表題作品が一番好き。
ちよちゃん不憫で、かわいくて切ない。
「介護の鬼」は色んな意味でちょっと無理でした。
懐かしく、切ない感じの作品が多めでした。 -
全編ホラーっぽい短編集。
ゾゾ~、コワ~とゆうお話から、ちょっと笑えるものまで。
ちょっとホロリとくるモノもあり。
笑える系のヤツは、ちょっと往年の筒井作品のような感もありました。