風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年3月28日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240572

感想・レビュー・書評

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  • 読了から少し時が経ってしまった。
    それでも陽子の初勅に鳥肌がたったことは未だに覚えている。
    先例や型にとらわれず、自分で体験したことをもとに国をつくっていこうとしている陽子がもうほんとかっこいい。

    上巻では被害者妄想全開だった二人の女の子(実年齢的には不適切か笑)も、不遇と闘う人々との出会いの中で、逞しく成長していった。

    3巻が最高だと思ってたけど、既にこの4巻が最高を塗り替えた!
    今後も楽しみ。

  • この世界観は唯一無二で面白い。
    エピソード1で慶国の偽王を倒した後、陽子が国をどうするのかが気になっていたから、読めてよかった。
    読後の満足感は言うまでもない。
    とても清々しく思うと共に、結局は自分で動いて動いて動きまくるしか、道は見つけられないのだと感じました。
    背中をドンっと力強く押され、あなたも自分の殻を破って新しい一歩を踏み出しなさいと言われた気がします。
    最後に…陽子が進むべきを見極めて出した初勅のシーンは痺れました。

  • 十二国記シリーズ、第4弾の下巻。

    上巻で描かれた3人が出合い、ある一つの目的に向かって協力し合っていくさまが描かれている。

    上巻での艱難辛苦が下巻が進むにしたがって少しずつ報われていく感じが読んでいて気持ちよかった。加えて、本巻ではいわゆる水戸黄門的ストーリー展開もあり、より一層のカタルシスを得られた。

    第5弾はどのようなストーリーになるのか、楽しみである。

  • 陽子が王だと確信する話。
    初勅が陽子らしい。この場面が一番好き。

  • この清々しい読了感はなんだろう。
    最後の陽子の言葉は、この世界の話だけではない。
    私達が生きるこの世界にも通じる言葉だ。

    この言葉を紡ぎ出すまでにどれほどの苦労があっただろうか。
    月の海〜から始まって、どれほどの壁を超えてきただろうか。
    自分を疑い、自分に失望し、
    それでも諦めなかった陽子だから、
    私達は信頼できる。
    きっと良い王になるのだろう。

    改めて思う。
    私は十二国記が好きだ。

  • 人間の成長が物語を大きく感動に導いていく、誰しもが想う「幸・不幸」壮大な物語の中で個人の感情の変化が現代を生きる私達にも大きなヒントを与えてくれる。特に今回(上・下)は病める現代社会への警鐘であったり道標に繋がる言葉や流れを強く感じる。名作「南総里見八犬伝」の様でもあり「水滸伝」の感あり、更に言うと「遠山の金さん」の要素も感じる(笑)、非常に面白く楽しめた。

  • 和州止水郷では税も通常の7倍(地鋼違反)であるのに、納めなければ罰せられ、殺される。王も知らないそんな腐敗した管理の中、

    止水郷の郷長昇紘に反旗を翻した拓峰にある、虎嘯(こしょう)兄弟のもとに集結するグループに鈴が加わり、

    その上の官、和州州侯呀峰を引きずり下ろしたい明郭に集まる桓魋(かんたい)のグループに、助けられた祥瓊(しょうけい)が加わる。

    瑛州固継の閭胥の里で遠甫(えんほ)に学んでいた陽子だったが、里家が襲われ、遠甫が消えた。犯人を捜すうち、和州へと導かれていく。

    この3つのグループが合流することになる。

    まずは虎嘯が動いて拓峰の郷城を落とし、それに呼応して、桓魋(かんたい)も危機に到着。明郭では柴望(さいぼう)が起った。
    柴望(さいぼう)は元・麦州州宰だった。
    やはりというか、元・麦州侯浩瀚(こうかん)は
    道を知る人物だったということだ。

    そして結局これは慶国冢宰の靖共(せいきょう)と、陽子の戦いでもあった。

    それぞれの成長とともにさらにいい出会いがあり、生き方を見直していきさらに同志を引き寄せ大きくなっていき、終結する。

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    それぞれの因縁や思惑が絡まり、消化されていく過程と、戦いの様子が文字とは思えないほど熱烈に伝わってきてドキドキして面白い。
    どんどん伏線が回収されていくし、
    ラストは、ほっんとにきもちぃいいいい。

    諦めず、投げず、道を正せる信頼できる臣を得たので
    この国の明るい未来が見えるという。
    まさに太陽の光が差した感じで
    陽子という名前がぴったりに思う。

    この一体感が、たまらない。
    最高な読後感。

  • いつだって過去最高を更新してくる物語。
    1年後が3年後か10年後か、改めて読み返した時さらに更新してくるのだろうか?

    〈下〉巻は大火です。十七章からそれぞれの思いが集結し一気に燃え上がっていきます。(実際は民を逃がすため街の火を必死に消しますが・・・)

     祥ケイと鈴が出会い、話す場面に心を揺さぶられました。国の事、世間の事、自分の役割、何も知らなかった祥ケイがグッと現実を受け入れようとする場面です。楽俊と出会い気付かされた瞬間ではなく、実際それを自ら言葉にするこの瞬間はたぶんかなり辛いと思います。こうして人は成長し強くなっていくのだろうと思います。この経験がある人物が今後慶王の傍で支えていくと思うと読者としては非常に心強いです。

    「これ以後、礼典、祭典、および諸々の定めのある儀式、他国からの賓客に対する場合を除き、伏礼を廃し、跪礼、立礼のみとする」
    「ー伏礼を廃す。ーこれをもって初勅とする」

    なぜか声が大原さやかさんで脳内再生されています

     おもしろかった!!
     
     
     

  • 2.3巻に引き続きスカッとくる結末だけど、遠くの方に漂う暗雲立ちこめる気配にドギマギしてしまう この物語は一体どんな結末を迎えるんだろう アニメで知っている内容はこの巻までで終わり これからの進展が楽しみすぎる〜〜〜 結末に向けてリアルタイムで続刊を追いかけられることの嬉しさと待ち遠しさで痺れそう 泰麒を早く出してくれ!!!

  • とてもおもしろかった。容赦なく善人が死ぬことをおもしろいと表現するのは憚られるが、それを含めてのそれぞれの旅なのだろう。決して薄くはない上下巻としてじっくりと描かれた3人の女の行く末が、本を閉じることをためらわせない物語に落ち着いてよかった。登場人物が多いのも楽しかったし、「月の影~」ではまったく活躍しなかった(失礼)景麒もたくさん見られてうれしかった。ハッピーエンドに終わるだろうと疑いなく読んでいたが、それはこのシリーズが結局は前を向いているからだろうか。誰にも試練があるが、それを乗り越えて未来がある。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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