3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250298

感想・レビュー・書評

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  • 良くも悪くも伊坂幸太郎の等身大。彼はエッセイが苦手だと自分で言っているが、その通りだなと思う。
    特に印象的なものはなかったが、いくつか読んでみたい本が紹介されていたので、読みたいリストに登録した。

  • エッセイ集。
    タイトルから10年分なんだろうなあ、と思って目次を見たら15年分。あれっ?と思ったら単行本の時に10年だったのですね。
    干支エッセイ始め今まで伊坂幸太郎さんのエッセイは読んだことなかったのですが、人柄、というか親近感のある感じで良かったです。
    島田荘司をまた読みたくなりました。

  • 売れっ子作家のリア充オシャレ生活なんか知ったら僻んでしまうから、という器の小さい理由で結構好きな作家でもエッセイはほとんど読まないのだけれど(オタク全開の三浦しをんは除く。あと書評系は好き)これはかなり面白かったです。

    思ってたよりも日常系エピソードではなく、作家としてのルーツや好きな本、音楽、映画なんかに関するコラムが多かったせいかも。なんやかんやで伊坂幸太郎は著作の大半を読んでいる作家なのに、あまりご本人が影響受けた作家だの作品の背景だのを知る機会がなかったので、ほほう、あの小説の背後にそんな裏話が、とか、意外な作家からの影響とか、なかなか興味深い話が満載でした。とりあえず北方謙三がカッコイイ(笑)

    なぜ書くか、どういうものを書きたいか、きちんと自覚されてるのが凄いなあ。文学を旅行になぞらえてエンターテイメントと純文学を説明されてたのはとてもわかりやすかった。

  • 伊坂幸太郎の人柄がよくわかる本。

  • 【収録作品】2000年~2015年のエッセイ/Bonus trackとして掌編「定規」「ソウルステーション」
    *どうということのない作家の日常なのだけど、楽しく読める。紹介されている本や音楽に興味が湧く。

  • 数々の人気作品を世に出している小説家、伊坂幸太郎。
    その伊坂幸太郎の初となるエッセイ集が文庫化されて並んでいたので、読んでみることにしました。

    小説家としてデビューした2000年から、文庫が出版された2015年までに、伊坂幸太郎が発表したエッセイが100作以上、時系列でおさめられています。

    1作ごとのページは短いもので1ページ、長いものでも数ページといったところで、それぞれが完結した、読みやすい構成になっています。
    自ら「得意ではない」「引き受けないようにしている」と書いているエッセイですが、15年の作家生活で書いたものを集めると、これだけの分量になるのですね。

    初期の頃は身辺雑記的な文章が見受けらるのですが(父親に関する話が複数出てくるのが印象に残りました)、作品が売れてくると雑誌への定期的な寄稿や他の作家の作品への解説文などが目立つようになっていきます。

    伊坂幸太郎がどのようなことを考えているのか、作品がどのような過程を経て世に出たのか。
    小説家の仕事がどのように移り変わっていくのかを垣間見るという意味でも、興味深く読ませてもらいました。

    書評的な文章が多かったので、何度か名前が登場する作家、作品については、自分も読んでみたいなと、思いました。
    もともと一冊にすることは想定されておらず統一されたテーマがあるわけではないのですが、伊坂幸太郎の作品に親しんでいる読者には、楽しんで読める一冊ではないかと思います。

    『夜の国のクーパー』伊坂幸太郎
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4488464025
     
     .

  • 「人の一生は、一回きりである。しかも短い。その一生を''想像力''にぶち込めたら、こんな幸福な生き方はないと思う」「そこにある言葉を読み進むこと自体が快楽を生むかどうか」馳星周 小説や映画が未だに「泣けるものが良いもの」という風潮から抜け切れていない中で、漫画は既に「泣けないけど、感動できる」というものを普通に受け入れている 最近、思うのですが、「映画と漫画」は映像を「見せてしまう」という点で同じジャンルですが、そういう意味で言うと、小説は「音楽」の仲間ではないでしょうか?映像はないので、自分で想像するしかありません。言葉によってイメージが喚起されて、リズムやテンポを身体感覚で味わう、という点で、同じような気がします。書かれている(もしくは歌われている)テーマなんてどうでもいいんです。読んで(聴いて)、ああ気持ちよかった、と思えるものが最高なんじゃないでしょうか。マンドゥ・ディアオ again、っていつだよ ブータン人のガイド 東直己ライダー定食 仙台学 駄洒落を言うのは、「受けたい」というよりも「発見を広めたい」気持ちだと思うんですよね(笑)。啓蒙活動というか、この言葉とこの言葉、実は似てるぜ!という発見を、みんなで共有したい、そういう感覚なんですよ。ですから、反応としては、「つまらない」というんじゃなくて、「それはすでに発見されている!」と批判すべきかもしれません。 映画というのは、あらすじではなくて、映像と音の「運動体」なんだ、と勝手にそう思う。 モアよドードーよ、永遠に 終末のフール「タイトルは韻を踏むこと」「籠城のビール」伏線を生かした結末 冒険野郎マクガイバー シューベルト魔王 ただ、それを発した何者かの感情の爆発とか孤独や焦燥感に、ぐっと来るんだと思うんです。 ただ、個人的には、「いつまでも一緒にいようね」とか、「空を見上げたら虹が架かっていたので、渡ろうと思った」というようなタイプの音楽よりは、「うおー、体制をひっくり返せ」という音楽のほうが、幼稚さも含めて好きです(笑) 岬太郎、三杉淳、伏兵、伏線 童夢 家裁の調査官チルドレン 異邦人カミュ ポケットにドッグフード 平和ピンフ
    ロビンソンの家 新井英樹ザ・ワールド・イズ・マイン 「現実的な生活」と「広大な世界」のそれぞれのやり切れなさや可笑しさを同時に描き出すロックバンドはあまりいない。だからアナログフィッシュはとても、貴重だ。世界は幻 夕暮れ ナイトライダー2 マテンロー 鎌倉には魔物がいる 猪武者 哀れ格好いい 「21世紀版『宮本から君へ』」「家畜だ。好きも嫌いもない。経済効率を考えて育てて、乳を盗んだり、殺して食うんだ」煩悶はんもん 夢枕獏 中村弘義 何か、若い頃って、「速い=偉い」みたいなのってありますよね(笑) 「人間は繊細なモンスターだ」少年には自分を憐れむような態度やナルシシズムは微塵もない。弱い存在だけど、強いのだ。やるべきことをやる、「弱いけど強い」少年がそこにいるだけだ。 ヘンリー・ダーガーの、のどかなのかグロテスクなのか分からない絵を眺めていると、打海文三の作品と通じるものがあるように思える。あどけなさと残酷さを携えた御伽噺、それは、この、『ぼくが愛したゴウスト』に引用するのに相応しい。ぴったりだ。 「人間は常に『学べばわかる、より良い方法』よりも、『慣れている、より悪い方法』を好む」「武田ぁ!人生を見せてくれぇ!」試合が始まってもいないのに、既に泣いているファンもいる。 読書を、あるツアーもしくは観光旅行、ドライブでもいいのですが、兎に角、旅に置き換えてみます。作品は、その旅の提供者(同行者)となります。 兎が泥舟作戦で狸を懲らしめる展開に、溜飲を下げたものだ。 音楽の魅力が、メロディだけではなく、リズムや音、演奏の熱量にもあるように、小説の場合も、ストーリー以外の、語り方であったり、文章の味わいであったり、会話の可笑しみであったり、若しくは、ストーリーとは直接結びつかない登場人物の思索であったり、そういったものが混ざり合い、作品を作り出している。メロディが覚えやすい曲ほどすぐに飽きる、という現実もある。 「ストーリー」とは、読者を先へ先へと導いていくエンジンのようなものでもあるから、そういう意味では、ケラーシリーズは、エンジンを積まないグライダーとも言えるかもしれない(と譬えておきながら、僕はグライダーに乗ったことはないのだけど)。そもそも、早く目的地に着くために、グライダーに乗る人なんているのだろうか。連作短編集と謳われてはいるものの、過去の作品同様、殺し屋ケラーの生活と仕事、心の移り変わりが描かれた「長編」として読める(人間の一生が、日々の短い出来事を積み重ねているように見えても、本質としては長編ドラマであるのと同じではないだろうか)。9.11の貿易センタービルの出来事がケラーの精神にちょっとした(この、「ちょっと」の匙加減が絶妙なのだ)影響を与え、ケラーはグラウンド・ゼロで救助隊に食事を配るボランティアに参加したり、自分の殺し屋としての仕事に疑問を覚えたりする。エンジンなしのグライダーの魅力は変わりなく、淡々としつつも、可笑しみに満ちた読み心地にうっとりとし、「このような小説をいつか、自分も書くことができるのだろうか」と憧れる思いで、溜め息を吐くことになった。 「逃亡者」のプロット(点を打つ、物語の要約)は、エンターテイメントの王道とも呼べるに違いなく(だからこそ僕も敢えてそれにトライした)、アイディアが同じであることに驚いたのではない。ただ、同じ時期に、同じような筋書きの話をローレンス・ブロックが書いていたのかと思うと、胸が躍った。同じ宿題を、別々の場所で、二人で取り組んでいたような気分になった(僕はもう提出したけれど、あなたはどうですか?)大変おこがましいけれど、「この作家は、僕と同じことを考えている」と感じることもあった(ブロックはニューヨークで、僕は仙台だ)。タツノオトシゴ海馬 記憶のネタ 火星に住むつもりかい? オリンピックの体操の鉄棒みたいに、「おっと諺」「ここで駄洒落」「あ、もう一回、駄洒落を入れてきましたよ」みたいな。
    ザッパ山脈 島田荘司 サンフランシスコ監獄アルカトラズ ザ・ウーマン飼育された女 結論、ヒーローにとっては、「ヒーローらしさ」を醸し出してくれる音楽が大事。 気の利いたことを言い、面白い奴だと認識されたり、もしくは、ためになる話を披露し、優れた仲間だと一目置かれたい。そういった願いが関連しているのだ。遡ればこれは、マンモスを追いかけてきた時代に(まさかまたこの譬えを使うことになるとは)、狩猟の分け前を貰うため、「必要な仲間だ」とアピールしなくてはならない、そういった習慣が受け継がれているのではないか。裏を返せば、集団の中で、「役立たず」「つまらない人間」と認められることが、この上ない恐怖だと植え付けられていることを意味する。 人間に飼い馴らされるために進化してきたとしか思えない部分があるらしい。実際、野生の馬は今や、殆どいないようだ。 馬馬まーまー穏やかな一年でありますように。 「娯楽小説」は読者を楽しませ、「!」といった気持ちを味あわせるもの。「純文学」は読者の頭の中に「?」を与えるような小説だ。メエにはメエ
    秩父三十四箇所巡り 四国八十八箇所巡り 伊坂幸太郎B型 「THE END」真鍋昌平 エネミー・ライン トランシーバー ゴキブリ⇨ごきげんよう、おひさしぶり きょう‐りょう【狭量】人を受け入れる心が狭いこと。度量が狭いこと。また、そのさま。「―な人間」⇔広量。 町から戻り、本を読もう 映画と漫画 小説と音楽 狂っちゃいないぜ マイク・ニューウェル インポッシブル=不可能 熱帯 佐藤哲也 駅までの道を教えて 伊集院静 伊達政宗 仙台駅 青葉城 ジョージ・ルーカス ダース・インベイダー 砂漠 アカルイミライ 黒沢清 リョコウバトmissing 本多孝好 打海文三 通勤バス 幸福な朝食退屈な夕食 ハンガーストライキ 武田幸三 古池や蛙とびこむ水の音という芭蕉の句にはメッセージは何もないし、意味すらないに等しいけれど、何かを伝えている

  • 面白かった。
    短いエッセイが15年分沢山あって一度呼んでからも脚注を読んでさらにもう一回と一エッセイで3度楽しめた。
    伊坂さんの好きな本や音楽なども沢山知る事が出来て
    順番に機会があれば読んでみたいと思う。

  • 思えば伊坂幸太郎のエッセイを読むのは初めて。

    作家の日常を知れることはいいことですね。
    干支エッセイ関連がおもしろかった。

  • 201508/伊坂ファンはもっと伊坂さんを好きになってしまう、そんなエッセイ集。最初から読んでも、気になるタイトルのとこから読んでも、楽しめる。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

伊坂幸太郎の作品

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