裏庭 (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253312

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  • エピローグで全部持ってかれた。
    裏庭
    家庭
    バックヤードこそ本質

    本質に飛び込む勇気
    自分が自分であるために自分の傷を見て生きることそしてその傷に触れるとしんどいから見て見ぬ振りしてる

    裏庭家庭に必要なのは、いままでとちゃう新しい茶かもしれない

    抽象的な文章で読むのしんどかったけど、最後とてもよかったっすね

    裏庭278p
    薬つけて、表面だけはきれいに見えても、中のダメージにはかえって悪いわ。傷を持ってるってことは、飛躍のチャンスなの。だから、充分傷ついている時間をとった方がいいわ。薬や鎧で無理に誤魔化そうなんてしない方がいい。

    鎧をまとってまであなたが守ろうとしたのは何なのかしら。傷つく前の無垢なあなた?でもそうやって鎧にエネルギーを取られていたら、鎧の内側のあなたは永久に変わらないわ。確かに、そのあなたの今までの生活や心持ちとは相容れない異質のものが、傷つけるのよね、あなたを。でも、それは、その異質なものを取り入れてなお生きようとするときの、あなた自身の変化への準備とと言えるんじゃないかしら、その傷つきによって。
    傷ついた自分を誤魔化さずに見つめて素直にまいっていれぱいいのよ。生体というのは自然に立ち上がるものだから。

  • 佐藤さとる的な分かりやすいファンタジーかと思って読み始めたのだが、裏庭の意味がかなり重層的で、現実世界の人物だけでなく、出来事や感情などが暗喩として表出されていて、その対比構造が一回では読み込めなかったです。
    裏庭に触れたあとの現実がよくあるような全部良い変化をするわけでもないところが好きです。

  • 「西の魔女が死んだ」がとても好きなので、梨木香歩さんの小説を読んでみようと手に取りました。
    ファンタジーの世界観が理解しにくく、私にはあまり響かなかったです。

  • 昔は不思議な話だな…で終わってたけど、今読み返すと心の傷を包んでくれるんだろうなと思い返す本。不思議で寂しくて暖かい。スピッツのロビンソンがずっと流れてる。Tell me. I’ll tell you.

  • 双子の弟、純を幼い頃に無くした少女照美が鏡の中にある裏庭の世界に旅立ち、成長して戻ってくる物語。
    裏庭を旅する中で少女は数多くの傷をその身に負う。しかし、その傷こそが自分を自分たらしめるものであり、傷を負いながら人は成長していくということを、少女は身をもって実感する。

  • ファンタジー感は素敵でした。終盤お話についていけなくなってしまいましたが。

  • 2022.7.19
    ダークな村上春樹のようだった。
    子供なのにゾッとするような事に気付いたりするので目が覚める瞬間がポロポロある。
    自分が求めてるものよりかなり抽象的だったけど良本だと思います。

  • 全部きれいに回収してまとめてくれるから、落ち着いて読了できた。
    ファンタジーなので情景を想像するのが難しいシーンもあった。最後の、私が永遠に落ちてくシーンあたりは、話がめちゃくちゃ長く感じた。
    スナッフはずっとスナフキンのイメージで再生された。私がいい感じに冷めてるというか、人間味のあるリアルな温度のキャラクターで好き。

  • 昔英国一家が住んでいた洋館。その庭は近所の子供たちにとって絶好の遊び場。そこには秘密の「裏庭」があり、その庭に苦い思い出を持つ少女照美は引き寄せられるように冒険の旅に出る。少女自身、母親、祖母、弟と出会う旅に。昔読んだはずなのにすっかり忘れている。本当に読んだか怪しいくらい。裏庭は内側。誰もが持っているもの。誰もが行ける場所。感性の世界。大人の裏庭は日常の中で埋もれてしまうのから忘れてしまうし簡単にはいけなくなるのかもしれないな。昔は大人もみんな子どもだったのにね。でも取り戻せるはず。傷は傷として自分で抱えて生きていく。梨木さんの壮大なファンタジー。これは大人にこそかもしれない。河合隼雄さんの解説もよかった。

  • こども時代、こんな大人になりたい。なりたくない。と思うことがあるだろう
    でも、気づいたら、ああ私あの時のなりたくない大人になってしまった。と
    そんな人にゆっくり時間をかけて、思案しながら読んで欲しい
    おとなだからこそ

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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