エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253350

感想・レビュー・書評

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  • 古い言葉遣いとか古い漢字が使われている。そこが少し読みにくかった。少しだけ古文みたい。古文苦手だったから。だけど、上部3分の1ほど空白なので読みやすい。

    エンゼルフィッシュとネオンテトラの熱帯魚を飼う。モーターの音に反応して?認知症の?おばあちゃんがよく話すようになり、トイレ係となった孫と会話をする。そして熱帯魚は皆いなくなる。

    コーヒーでストレスを軽減している孫にとっては熱帯魚がそれの代わりとなっていた。その後は天使のようなコウモリのような木彫り(おばあちゃんの形見のようなもの)がその代わりとなった。

    悪魔と天使。

    聖書。

    妬んで意地悪してしまうのはわかる。
    自分以外の生命体と関わることでバランスを取っている、みたいな文章あって、何かをお世話する=自分の心のお世話になっているみたいなところ確かにあるよなって思った。

    なにがどう、というのではないけれど、本の中に連れて行ってくれる癒しみたいなものはあった。
    女性らしい文章。

    あとさかなくんが言ってた、魚も、水槽のような狭いところにいれるといじめをするみたいなの、思い出した。

    この世の創造主も案外、この孫みたいな感じかもね。

    読書感想文に良さそう。

  •  水槽の中にエンゼルフィッシュ二匹とネオンテトラ十匹を。エンゼルフィッシュがネオンテトラを攻撃し食べてしまう。エンゼルフィッシュだけになると、次は、強いエンゼルフィッシュが弱いエンゼルフィッシュを攻撃し殺してしまう。これらのことから、著者は何を言わんとされたのか・・・。私には難しすぎる小説でした。梨木香歩「エンジェルエンジェルエンジェル」、2004.3発行。

  • 私には難しかった
    熱帯魚の展開とさわちゃんの言動が狂気じみてて怖すぎた
    多分作者は私が全く考えたこともないことを考えてるのだろう
    こういう難しいことも考えたこともないし精神が不安定になったこともないから共感できず、、、

  • 介護が必要になったお祖母ちゃんと孫の会話、そしてお祖母ちゃんの過去。交代で登場する章はいずれも美しい日本語でさすが梨木さんだな、と思わされました。小さな水槽の中に作った世界は美しいようで、とても残酷。創造主ね、と微笑まれたものの、それは弱肉強食の結晶のような小さな世界で・・・。痴呆のお祖母ちゃんが水槽の中の世界を見ながら時折覚醒する様子は少し怖かったです。分かったようでいて、分からないような、不思議な一冊でした。

  • 【西の魔女が死んだ】の人です
    以前、西の魔女が死んだを読んで良かったので違う本もと思い読んでみました
    薄い本なんだけど、結構重い話だったな・・・・本のタイトルから癒される話だと思って手に取ったんだけど苦笑
    孫の現在とおばあちゃんの昔の話が交互に進んでいき最後に繋がるって感じです
    おばあちゃんの辛い過去がどんどん分かってくるんだけどそれと熱帯魚の関係がリンクしてたりして・・・・
    暗い話なんだけど、ちょっと切ない終わり方だった
    深い・・・・

  • 読書好きの職場の上司から貸していただいた本。
    梨木先生の作品は「西の魔女」以降2作品目。

    なんとも不思議な話。
    梨木先生の文章は読みやすく、物語自体も短いものだったので1日で読み終わりました。
    中学生か高校生であろう女の子が、1日に30杯もコーヒーを飲むものなのかなと、そこから「えっ?」となりました。(笑)
    お婆ちゃんの過去にまつわる話。
    ずっと自分の過ちに苛まれながら生きてきたのが、最後の最後に、仮初であっても救われる。そんな感じでしょうか。
    最初にツネのテーブルの中の人形を見つけていれば、早くに救われていたのかもしれません。

    短い物語ながらも、不思議な余韻が残る、そんな砂浜でした。

  • 一時間で読み終わるけど、一生の読後感!というPOPに惹かれて購入。
    まあそこまでにはならなかったけど、昔と今を交差する書き方がおもしろかった。
    少ない文章で、それを表現しているのは見事。

  • 祖母が女学生になるのが、心底気持ち悪い。きっと妙にありそうなリアリティを持った話だからでしょう。

  • 『コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは―なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす…。』

    おばあちゃんの少女時代のエピソードに“青い目の人形”が登場していました。

    日本郷土玩具博物館 青い目の人形通信 〜友情人形ネットワーク〜
    http://footandtoy.jp/friendshipdoll.html

    単行本と文庫本では、結末がちょっと違います。私は、文庫本を読んでから、結末が違うことを知り、単行本を結末のみチェックしてみました。

  • おばあちゃんの幼き頃の後悔。最期におばあちゃんは救われたのだろうか。おばあちゃんが救われたことを祈ります。

著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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