豆の上で眠る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 16379
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

感想・レビュー・書評

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  • 好き勝手書きます。ネタバレ注意です!

    ガチでやばい。この本はすごすぎる。またもや一日で読了。圧巻。明日が始業式で、勉強しなきゃなのに、この気持ちを書き起こそうと必死。

    自分の読書スキルが増し、集中して本を理解することが出来たからかもしれない(と言っても完全とは限らない)が、「告白」を超える衝撃と憧憬、感動に胸を打たれている。

    姉の失踪を回想しながら進んでいく物語。自分は本当にこの家の子なのだろうかと思い悩む主人公、結衣子。大好きな姉、万祐子の失踪を知り、戻ってきても疑う。彼女は本当に私の「万祐子ちゃん」か、「姉」なのか。本物はなんなのか。それを問う作品だった。

    最終章でどんどん崩れていく退路と、結衣子の叫び。確かにイヤミスだが、僕はそれ以上の感動を感じた。泣きそうになった。すごいなあ。こんな深みのある問いをする小説を書けるのか。

    臨場感もあるし、何と言っても心情描写が巧み過ぎる。技巧的。事件とそれに対する周りの反応、少しずれていく価値観もリアリティ溢れているし、そこに見出せる人間の闇も露骨に表れていて唸る。幸せな日常も丁寧に描写されているからこそだと思う。

    結果的に、実の家族にさえも裏切られるような形をとっていることに胸を痛めた。隠していた事実。あっさり思い出を捨てた「万祐子ちゃん」。だからこそ、「本物はなんなのか」「豆の上で眠る」というタイトル。アンデルセン童話の伏線まで回収されて、開いた口が塞がらない。

    もっと勉強しなきゃ! 僕もこのくらいすごい作品を書いてみたい! といって今日勉強していないから、感想はこのくらいにして勉強にしようと思う。感想は書き足りない(多分)でも、この作品は絶対にもっと頭よくなってから読み直したい。絶対に! 
    最後に、「湊かなえやっぱ天才だわ!」

  • 何なの。
    絶対どんでん返しあるって解ってるのにちゃんと怖いオチ。
    まともだと思ってた人がまともじゃなくて、狂気じみてると思ってたら。
    久しぶりの湊かなえさんでしたが
    相変わらず怖い話を書く方で、読むのやめられませんね…

  • 凄まじい内容だと思う。
    こんなことがあってはいけないと思う。

  • 過去を回想する形で物語が進む演出。それによって主人公の過去を追体験し、読者自身が主人公に没入し、最後の畳み掛けで自分の中に起こる感情はまさに主人公自身のものと同じほどに衝撃的だと思う。万佑子ちゃんがそれまでの8年をあっさり捨てて新しい環境を選んだことは、さすがに違和感があったが、全体を通してまとまっていて面白かった。
    適度なイヤミスで、まさに湊かなえミステリー。

  • 2018.6.21

  • ほんものの家族ってなに…?
    って考えさせられるような物語。
    ミステリーの中に家族の関係性をうつしだす湊かなえさんが大好きです。

  • 大好きな姉が…万佑子ちゃんが行方不明になった。
    誘拐か事故か…数少ない手掛り、大掛かりな捜索のかいもなく、万佑子ちゃんが見つかることはなかった。
    諦めかけた頃に、突如として帰ってきた姉は…誰。
    この違和感は、私だけの勘違い。いや祖母もまた姉への違和感を抱いていた。万佑子は誰?
    私は親であるから、我が子を失うという親心が痛いほど分かるだけに、消えた万佑子ちゃんの心情も戻ってきた万佑子ちゃんに対する両親の対処や、妹や祖父母への配慮や信頼が全然ない。この両親の気持ちにも万佑子ちゃんの気持ちにも遥の気持ちにも全然添えない。
    ストーリーとしての辻褄は合ってても、何処か納得行かないままに終わるのは、やっぱり湊かなえワールドそのもの。
    今年の16冊目
    2018.8.19

  • この作者の本は3冊目。
    母性、リバースともに良かったけど、
    初めて「?」と思いました。

    さすがにその年齢での入れ替えには無理がある。
    何故、妹だけが事実を知らされなかったのか。
    まゆこちゃんは、自分の妹を「その状況を楽しんでいると思った」と大人になるまで思ってたとは信じがたい。
    猫のくだりは必要か。

    なんとか最後まで読みましたが、この作者には波があるのかなぁ…

  • 「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」
    のオビに惹かれて、久々の湊かなえ。

    厳しいレビューも多いけれど、発見されるシーンまでの人間心理は面白かった!
    姉がいなくなったシーンの緊迫感。
    変態探しの異名を付けられた父母に代わって、猫がいなくなったと嘘をついて妹に犯人探しをさせる母。異常すぎる。
    そういう、歪んでしまった家族を目の当たりにして、気持ちを正しく持っていろという方が無理。
    妹の抑圧が、エンディングに結びつくとしたら、彼女の本物に対する疑問は、真っ当なものではないかと思う。

    姉が、謎。そんな簡単に付いてけるもんかな。
    更に、そんな簡単に成り変われるもんかな。
    からの、なっちゃんのゲスさに笑えた。

  • んー。中盤まで長すぎ。
    グダグダ同じような内容。
    眠気との勝負だった。

    本物の家族の在り方。
    最後の終わり方も微妙でした。

    The 作り過ぎ作品!

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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