- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101271118
感想・レビュー・書評
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浅田彰も島田雅彦も取り上げられてる人たちもろくに知らないけど概ね面白く読めた。両者対等な立場での対談だと思うのだが、自然と浅田彰が教師役、島田雅彦が生徒役という構図となっていて、浅田彰の解説に説得力を感じる一方、島田雅彦が話している部分についてはその後に浅田彰の訂正や補足が続くのを待ってしまう部分がある。浅田彰の知識がインチキなのか本物なのかはわからないが、参考文献として挙げられているものを本当に読んでいるのだとしたらすごい。
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批評家浅田彰と小説家島田雅彦の対談集。
話題はダンテにはじまり、ニーチェ、フーコー、ミシマ(三島由紀夫)、ヴィム・ヴェンダースに終わる。
とにかく、二人の噛み合ってなさがすごい。しかしどうも、企画の段階から、その噛み合わなさを狙っている節も見受けられる。島田雅彦の突っ走りっぷりにヒヤヒヤさせられる。
やはり本書の佳境はミシマ論だろう。
十代の頃から、ミシマの薄っぺらさを、特に『金閣寺』に対する生理的な嫌悪とともに繰り返し再確認してきたけれど、そして特に、横尾忠則の、無駄に紅茶の上に浮いている金箔みたいな滑稽なミシマ像を気に入ってきたのだけど、浅田彰の指摘を得てハッとさせられることがあった。
確かにだった。
自分もミシマの知性には確かに感心していたのだった。なのにどうしてあそこまで悪趣味、しかも陳腐で悪趣味なのだろう。彼の切腹(直接には知らないが)もしかり。
それが長年の疑問だった。
ところが、浅田彰のいうようにあれがあえての悪趣味だったとすれば……。だとすればその複雑さをもう一度考え直す必要はある。うーむ、嫌だけど、晩年の連作をいよいよ読むべきなのだろうか……。
「嫌いの力」はある意味すごい。 -
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浅田彰と島田雅彦の対談集。