エコラム (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101275734

作品紹介・あらすじ

リリー・フランキーはこう考える。愛とは何か→p147。友だちと知り合いの違いは→p237。いい女ってどんな女→p287。男子がオジサンになる瞬間はいつか→p42。男と女ではなぜエロの感じ方が違うのか→p487。幸福になるためにはどうしたらいいか→p92。人生をめぐる真摯な哲学が、抱腹絶倒のバカ話と下ネタから溢れ出す。甘酸っぱく切ない「生きるヒント」満載のイラストコラム集。

感想・レビュー・書評

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  • 綺麗な装丁にだまされてつい地下鉄で読み始めたが、おっとこの人の文章には関連するイラストがついてくるということを忘れていた(笑) 巻末で彼は「便所での通読をオススメ。しばらくもちます。」と言っていたが言い得て妙。肩の力を抜いた状態で読むのが一番だし、現に呼んでるうちに肩の力も抜けてくる。

    この人の文章は「本質」というものを下品というオブラートで何重にも包んで書いているから面白い。本質だけを抜き出した「裏よりぬき」版を編集してみたい気もする。でも中には最後までオブラートのままの回もあったりするから油断大敵(笑)

    きっちり百八つで終焉するあたりも秀逸。

  • 最高

  • 流石!リリーフランキーというコラムです。いい歳した中年が思春期の少年のように悩み、嗜虐して開き直る。内容は99%ど下ネタです。ツボにはまる文章の連続で声を出して爆笑してしまいます。図書館はもちろんですが人がたくさんいるところでは読めません(笑)

  • リリーさん自身も認めておられるように、この本はほとんどが下ネタが出来ており、逆にそれ以外の構成要素を探す方が難しい。
    にも関わらず、これもリリーさん自身が認めておられるようにトイレで読むにはなかなか骨太で、量も沢山あります。
    すごく良かったです✨

  • リリーフランキーという不思議なおじさんがいますけど、えらい活躍ぶりですよね。
    役者としても作家としてもイラストレーターとしても。
    天才だー!という雰囲気は全く醸し出さないゆるゆるなキャラですが、このエッセイを読むとやっぱすげぇなあと思ってしまいます。
    話のネタは、ほぼエロネタなんですが、そのエロの世界をクローズアップする事によって
    、常識的な見方だけでは見過ごされがちな世の中の隠された真実をサクッと教えてくれるんですよ。
    もちろん偉ぶって説教口調ではないですけどね。あくまで面白おかしく真理を突いてくる。
    以外引用

    ・男はなぜかあいつには俺が必要だと思いたい遺伝子があるらしい。しかしそれが必要であった事は歴史的に見ても、まずない。男は失恋するとセンチメンタルをこじらせて、男臭い発想に飛び火する、俺がいないと。
    それは違います、それは当事者以外はみんなが知ってることなのだけれど、なぜか当の本人がわからない、ラブ・イズ・ブラインドなのだ。とにかく男の失恋は笑ってあげるしかない。

    ・「若者とおじさんの線引き」
    音楽の嗜好にも傾向は現れる。以若いうちは新しいもの、知らないものに飛びついたものだが、人はそのうち「知らない呪縛」から解放され、すでに好きだったもの、既に持っているものを繰り返し聴くようになり、また、それの方が「しみる」ことを自分で知ってしまう。未知の感触に感じるものと既知の感触に感じるもの。ここに若者とおじさんの線引きがあるのではないだろうか。

    ・結局猛烈に生きるということは「死」と急接近すると言うことなのだ。

    ・「警戒心のないやつ」と「ルールのないやつ」数ある男女のタイプ別組み合わせの中で、この2つが揃った時ほど揉め事の絶えないペアもない。

    ・馬鹿は、言い訳も馬鹿を2倍にして返す。馬鹿は自分のしたことの問題を認めない性質がある。

    ・「間抜け」と「最低」。裁かれるのは「最低」の方だが、罪が重いのは「間抜け」の方だ。

    ・下品な人がいる。言葉だけを聞けば「下品な人にはいいところがない」ようにも思えるが、下品な人には「いいところ」がなくても「いいこと」はたくさんある。

    ・幸福になるためには人間に無頓着であるしかない。安易な結論と感じるだろうが、これでわかる事は、つまり幸福と言う存在自体が愛で契約生であると言うことだ。

    ・「幸福をホームランと例えると」
    ホームランとはボールの芯を打って出るものではない。実はボールの芯の少し下を打つことで球が起き上がるのだ、芯を叩けばライナーになる。だが、150キロで飛んでくるボールの芯の下を狙って打てる動体視力は人間にはない。意識することができても、実行は不可能だ。つまりホームランとは偶然の産物であり、ホームランバッターとは、芯を打ちに行って、なんか知らないうちに芯の下を打っちゃてる人のこと。これを天性と言う。落合曰く「ホームランバッターは生まれた時から決まっている」。それは生まれつき。よい加減にずれてる幸せな人のことなのである。「嘘をつかれても気づかず、嘘をスタンドに叩き込んで幸福になっちゃう人」のことである。

    と、これだけ読むと、リリーフランキーって、良いこと書くなあ、という感じですが、あくまでこれらの言葉はエロトークの中で出てくる言葉です。あしからず^_^

  • くだらないけど笑った。

  • 「高くて美味しいものは当たり前だ」は、激しく同意する。真理めいた小難しいものをあたかも小難しいベールをまとわず、おもしろおかしく語るのだが、決定的に違うのは、本人にまるで、真理を語ろうという気がない。面白い話からポロッとこぼれたエッセンスがグッとくるという、エンターテイメントそのもの。 オススメ!

  • 帯に、「これが男の生きる道!」って堂々と書いてあって、中身の一発目が宇多田ヒカルの「だは〜」の話。このくだらなさのギャップ。読んでて気になったから聴き直してみたら確かに「だは〜」だった。

  •  何とも爽快感のあるのかないのか、ようわからんコラム集。ええ年こいてくだらないネタのオンパレードなのが素晴らしい。これくらい爽快に下品だとありがたい。ただ電車や職場の休み時間に読むわけにはいかなかった。何かこっぱずかしい気がしてしまい・・・誰ものぞくわけないのだが、つい。
     50ページに1回くらいで、渋い味わいのあるコメントが見つかる。あとはひたすら下世話な妄想と中高生的変態観。それほどディープに変態ではない点も読みやすい一因。500p以上もあっても1日で読めるくらい軽いよみものだった。

  • p166 何番目に大事

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著者プロフィール

1963年生まれ、福岡県出身。 武蔵野美術大学を卒業。 俳優業のほか、文筆家、小説家、絵本作家、写真家、アートディレクター、作詞・作曲など幅広く活躍。自身初の長編小説『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(扶桑社)が06年、本屋大賞を受賞。200万部以上の大ベストセラーとなり、映画化をはじめ、ドラマ化、舞台化された。著書は『美女と野球』『エコラム』など。初のひとり芝居に挑んだ映画『その日、カレーライスができるまで』が公開中

「2022年 『細野晴臣 夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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