陋巷に在り〈4〉徒の巻 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281162

感想・レビュー・書評

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  • 読んでると、しみじみ「言葉」は「呪」だって思うのね。
    これは現代でも変わらない。
    「視線」も、歌も、ダンスも、そして道具も。
    古代の中国にさかのぼらなくたって、人は簡単にとらわれるじゃないか。

    人の言葉に、他人の視線に自分の言動を左右され、ある時は饒舌になりある時は沈黙する。歌やダンスで心を落ち着かせもするし、昂ぶらせもする。サポーターの応援が、選手のプレーを左右する。携帯電話だのネットだのに依存していく。

    現代にも「呪」は存在するんだよとしみじみ思う。

    で、どーするんだよ顔回!やばいぞ顔回!

  • シリーズ4冊目
    図書館の本が、一気に綺麗になった。
    おそらくここまで読み進める読者が少ないのであろう。

    お話はますます呪術祭りのようになってきた。
    ここまでくると、惰性で次の巻に進むこととなる。

  • 先日見た「孔子」ドラマといい、この作品といい、小生卯(しょうせいぼう)は本当に不思議な存在。確かに架空の人物なのかもしれない。顔回出番少なし。

  • 陋巷に在り [04]

  • この巻は、妤と子蓉の顔合わせと、子蓉が妤に仕掛けた恐るべき蠱術。妤と五六の思わぬつながり。少正卯が孔子に手を貸したことで、ついに実行される城の破壊。そして顔儒の里を訪れた少正卯の死闘と、読み応えのある内容でした。

  • 第4巻。

    いや、想像できないわ。犬にかみ殺されそうになるの。なんんで生きてんのよ。。

  • 前巻最後の、顔穆の壮絶な死の件を読んだ後、「一体どうなるんだ??」とものすごい緊張感とともにこの巻を開いた。
    顔穆を殺した子蓉が、真のターゲットたる顔回宅へ現れる。
    ただならぬ展開・・・なのだが、回の父、路とのしれっとしたやりとりがどうにも可笑しい。
    いい箸休めになった。
    後半はまた、少正卯と顔儒との戦い。
    前巻まで、この人物の何が恐ろしいのかと思っていたが、その怪物的な姿が、ここで明らかになる。
    また次の巻を手にするとき、緊張しそうな予感がする。

    もっとも、中々このシリーズ、手に入らない。
    次の巻を手にするのは一体いつになろうか?

  • やったぜ 妤! 美少女というお墨つきだ!

  • 小正卯一派と顔氏との死闘が本格化してきます。
    顔氏の本拠地に乗り込んだ小正卯と犬たちとの闘いがまた凄まじい。犬に襲われた時の身の防ぎ方がよく分かります(笑)。
    媚術に操られてしまった妤はどうなっていくのか、顔回との恋は成就できるのか、と連続ドラマのように次巻に繋がっていきます。

  • この巻では3巻までの主な登場人物がいよいよ本領を発揮していきます。といってもそれは決して良い意味ではなく、主人公の顔回と敵対する悪役たちが彼の周囲の人物たちを侵食していく様が描かれています。
    その中でも歴史上で孔子の敵役とされている少正卯は、その名前そのものが悪を体現している字面であるため、偽造された人物という説もあるくらい薄気味悪く徹底的に悪役です。孔子の故郷である顔氏の一族の住む尼丘まで訪ねて行き、その一族の太長老と面会する場面はこの巻の山場です。本来は土地の神の祀る場所である社を守ってきた”徒”はそこから逃げてしまい歩き行く者になりました。その土地に踏みとどまり礼の一端を伝承してきた儒である太長老は、少正卯のような”徒”の存在を蔑視するのでした。少正卯の要求をはねのけた太長老の胸中は、一心同体のような部下を殺された怒りでいっぱいであり、少正卯の帰途に凄惨な殺害手段を仕掛けていたのでした。
    本の巻末に作者のあとがきが毎回結構長めにあります。小説の内容からすると意外な酒見さんの人と成りが分かります。

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