河馬の夢 (新潮文庫 し 33-2)

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  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101282121

感想・レビュー・書評

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  • 名古屋人がやっつけで書いた『大胆不敵東京案内』は笑った。書くことない地域については正直にそう書く勇気。

  • 世界の国からこんにちは
     テレビなんてやらせだといういけ好かないTVマンが(彼から見ると搾取される側の)国の嘘文化をでっち上げるのだが‥。
    こだま電話相談室
     子ども電話相談室に来るとんでも相談に必死で対応する男。
    帰国子女京都観光ガイド
     帰国子女が適当に無知を隠しながら観光ガイド。アホかと思うところもあり、自分も知らない部分があって冷やっとしたり。
    急がば回れ
     ことわざからわかる国民性議論がとんでもない方向に…
    読者のお便り
     痴水さんの趣味は悪文集め。雑誌の読者コーナーについて。
    大胆不敵東京案内
     毒舌無知な東京ガイド。失礼極まりない。
    アホダラ教
     説教とは何か。人はなぜ説教をするのか。
    河馬の夢
     ご近所トラブルに顔を出す河馬のようなオヤジ達の幻想

  • 清水義範らしい、ちょっと偏屈なところがある小説。
    爆笑と書いているけどどちらかといえば「クスッ」と笑う感じの作品となっている。これくらいの長さが一番読みやすい作家でもある。

  • 最近,本を処分せざるを得なくなり,処分前に本を再読するということが多くなりました。この本もそういう理由で読んだ本です。清水義規は確か高校3年生くらいのときに「国語入試問題必勝法」が売れていて面白いなと思って読み始めたのが最初だと思います。パスティーシュ作家という売り方をしていたような気がします。この河馬の夢は短編集ですが,当時のこの作者の本と同じように非常にテンポよく読め,かつ発想もとても面白い本です。最近はあまりこういう,読みやすい本をみないような気がします(単に私が読んでいないだけかもしれませんが)。最近こういう

  • なんか高校の時にちょくちょく読んでまして。久々に再読。

    個人的にお気に入りなのは「大胆不敵東京案内」という短編。
    東京のことをほとんど知らない人が東京案内本を書くことになって・・・・
    23区や市区町村をひとつひとつ紹介していくんですが、千代田区や港区など有名なところはサクサクと紹介が進んでいくが・・・荒川区は「筆者の妹の夫の出身地であり、彼が『なにもないつまらないところですよ』といっていたので荒川区はなにもないつまらないところ」であり、町田市は「神奈川県の属国」などという素晴らしい切り捨てっぷりw
    東京都在住の方は是非。

  •  期待していたとおりのことを、過不足なく与えてくれる短編集。いつも通りのおもしろさと、いつも通りの物足りなさ。物語的な興味はあまりなく、どんな文体で、どんな文章を持ってくるかの方に興味が出てしまうのは、この人の味だから当然。そういった意味では、「こだま電話相談室」「読者の便り」がおもしろく、その一方で、どれとは言わないけど、最初から先が読めてしまうものも幾つかあった。
    2005/9/2

  • <table style=\"width:75%;border:0;\" border=\"0\"><tr><td style=\"border:none;\" valign=\"top\" align=\"center\"><a href=\"http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101282129/yorimichikan-22/ref=nosim/\" target=\"_blank\"><img src=\"image/noimage.gif\" alt=\"河馬の夢 (新潮文庫)\" border=\"0\"></a></td><td style=\"padding:0 0.4em;border:0;\" valign=\"top\"><a href=\"http://blog.fc2.com/goods/4101282129/yorimichikan-22\" target=\"_blank\">河馬の夢 (新潮文庫)</a><br />(1994/09)<br />清水 義範<br /><br /><a href=\"http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101282129/yorimichikan-22/ref=nosim/\" target=\"_blank\">商品詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>近所に救急車が来たりすると、一番に飛び出してくる、面倒見のいい出しゃばりのおっちゃんたちを描く表題作。
    TVクイズ番組の取材スタッフのアブナイ内幕「世界の国からこんにちは」。
    ラジオ電話相談室の回答者を恐怖の質問が襲う「こだま電話相談室」。
    一名古屋じんの独断と偏見で書く「大胆不敵東京案内」。
    ――鋭い観察眼と究極のユーモアを武器に、必ず誰をも笑わせる爆笑小説8連発。</strong></p></blockquote>
    上記に紹介されているほかに、「帰国子女京都観光ガイド」 「急がば回れ」 「読者のお便り」 「アホダラ教」

    どの作品も、着眼点が著者ならではであり、その絶妙さに思わずクスリと笑ってしまう。
    そんなばかな、というものもあれば、思わず頷かされてしまうものもあり、ところどころにブラック感も漂っていたりして、まったくもって面白い一冊である。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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