- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101287539
感想・レビュー・書評
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県庁所在地でもない、港がある地味な日本の地方都市に住むやはり地味めなOL小百合。退屈な毎日を、この街をリスボンに見立てて暮らすことを密かな楽しみにしていた。
たぶん多くの普通の女性が共感する隠された嫉妬や妬みが日常の中に描かれている。イケメンの弟や好きだった上級生と付き合える女性たち。自分の立ち位置の納得して、間違えたくないという選択をしてきた。
好きだった上級生との再会で彼女の気持ちは動き出す。きっかけは、イケメン弟のイケてない彼女の真摯な告白と、同調的な絵描きの青年との出会い。
自分を抑えていたピンを抜き、間違えでも構わない選択をする。シンデレラとなるのか、悔恨の選択になるのか読み方は自由。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇しくも?7月24日に購入(笑)
読み終わってから、気付いた。
久々に吉田修一を読みました。
あらすじが「地味で目立たぬOL本田小百合は、」から始まる地味で目立たぬストーリー。
彼女の周りの人の方がドラマを持っていて、イケメンの弟に冴えない彼女が出来ちゃうとか。
昔、好きだった人と同窓会で再会予定が、当時の彼女登場で持ってかれちゃうとか。
そして、小百合はいつも立ち止まってぼんやり俯瞰している、そんな小説。
私は、小百合の、なんにも分かっていないことを知りながら、絶対と誇示しちゃうところ、イタいなと思いながらも、嫌いじゃない。
ありのままの世界に、ほんの少し色付けをして、夢を見ることから卒業出来ない部分も。
さて。
読み終わると、ずっと立ち止まっていたはずの小百合が、いつのまにか背中を見せている。
え?いや今何起きた?ってなること間違いなしのエンディングまで、ぐだぐだ読んでみるとよし。です。 -
リスボンに憧れてる主人公に影響されて、リスボンに行ってみたくなった
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吉田修一は今までサスペンスしか見たことなかったけど、恋愛も書けるんだなあ。主人公の変に達観してる感じが大人になっていく自分に通じるところがあって、最後思い切って行動するところ元気貰えた。1.2.3.の数字はなんなんだろうと思ってたら途中で出てきてなんとなしに読んでた章題をなんか愛おしく感じた。自分でやるとしたらと考えた時、1.いい人レベルは中の上、って出てきた。他も考えてみても面白いかも。
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文章の感じが好き。
他の作品も、もっと色々読んでみようかなと思う。