儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287829

感想・レビュー・書評

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  • どの短編にも独特の雰囲気があって良い。「玉野五十鈴の誉れ」のラスト一行には鳥肌がたった。アミルスタン羊料理もえげつないのに読み進めてしまうところに作者の秀逸さを感じる。

  • んっ??
    目ん玉が3mくらい転がった。なんで終わった?いま

    ゴシック調とか耽美とか表現できそうな大正の世界観。言葉遣い。柱時計ボーンな感じ。あまりに縁遠いせいなのか、途中まで短編集だと気が付かなかったほど。誰と誰が兄弟で、妾の子で…と追っていたらそれぞれ別の話だって。

    メイドさん→コケティッシュなアニメ絵がオートマチックで連想される。すっかり毒に冒された脳。それもこれも消せないスポンサー広告のせいだ。(無知を棚上げ)
    割と物語に入り込めていたのに無念。この雰囲気のまま長編だったら良かったな。

    他の方の感想から補填しよう。

  • 再読。今日はずっと雨で暇だったので手に取った。1日で読めるか心配だったけど、面白くてあっという間に読めた。この本を読んだのはだいぶ前。内容をほぼ覚えてない。"バベルの会"、"読書会"という言葉と『儚い羊たちの祝宴』は何となく覚えがある。

    読み始めてびっくりした。こんな話だったけ?怖い、とにかく人が怖い。人の虚栄心、歪んだ欲望、復讐心などリアルに伝わってきた。あと、頭がいい人が仕掛けた罠も怖かったな。どの話も良かったね、で終わらず、何か不穏な感じで終わる。絶対何か悪い事がこれから起きると想像してしまう。

    『儚い羊たちの祝宴』を朧気に覚えてたのは、結末が謎だったから。これはどういう事???ってなって読み返しても分からなかった覚えがある。今回再読して他の話も含め、まっさらな気持ちで読んだので、その流れでやっと分かった気がする。分かっちゃうと、おぇ〜となる。

    これは私の苦手なイヤミスになるのかな?でも面白かった。

  • 「身内に不幸がありまして」、「北の館の罪人」、「山荘秘聞」、「玉野五十鈴の誉れ」、「儚い羊たちの晩餐」の5つの短編を収録。いずれも、旧家や資産家の家族や雇われ人が絡んだ陰惨な殺人事件を扱っている(「山荘秘聞」では結果的に殺人は行われていなかったようだが)。また、いずれにも「バベルの会」という読書会が薄く絡んでいる。

    現実感のない話ばかりが淡々としたタッチで描かれている。登場人物に感情移入することもないから、読んでいて疲れない。その分、感動も得られないのだけれど。一種独特の味わいだった。

  • 『玉野五十鈴の誉れ』
    再読後、五十鈴は本当にお嬢様を助けたのかどうかを考えた。前回は、そうあればいいなと思った。五十鈴は本当はお嬢様の事を忘れていなかった。とても美しい話。
    だけど、儚い羊たちの晩餐を読んで、どうなんだろうって思うようになった。
    会長さんはこう言っていた。
    「バベルの会とは、幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域なのです。」
    あの時の純香は、本当に夢の中のようだった。
    五十鈴に助けてもらいたいと心の奥で願っていた純香は、幻想を見たのではないかと思う。
    そうなるととても寂し寂しい話になるか…。

  • 短編なので読みやすい!!
    しかも全て一応繋がりがあり1日で読了しました。

    絵画とか小説の作品名が沢山出て来て、その度に色々調べて読み進めました。
    全て序盤での伏線がラストで回収され気持ちいい。
    ラスト1行にこだわったとても良い作品でした。

  • 丹山家にひきとられた孤児の夕日の語りー身内に不幸がありまして
    あまりは異母兄に仕えることにー北の館の罪人
    山奥の別荘「飛鶏館」には管理人の屋島が待つー山荘秘聞
    十五の誕生日に使わされた侍女はー玉野五十鈴の誉れ
    世の中には厨娘という者があるらしいー儚い羊たちの晩餐
    以上、気高い香気漂う狂気の宴5編

    一つ一つテイストはホラーに類すると思います。
    そして細かい背景や顛末など知りたいのに教えてもらえない・・・ちょっと不満に思いつつ全部読み終えると、なんとなく5本のつながりやなんかが見える気がして満足して読み終わる。
    そんな不思議な短編集。
    無抵抗で儚いくせに無邪気な残酷さが目立ちます。
    読書魔(not読書家)の方には一層楽しいかもしれません。

    気怠く眠れない夜の刺激にオススメ。(おそらくさらに寝つけなくなるとは思います)

    • NORAxxさん
      越智さん

      初めましてこんばんは^ ^
      なんと私もこちらの作品最近読み終えた所です!!
      不満に思いながらも不穏な空気と甘美な雰囲気とそれに連...
      越智さん

      初めましてこんばんは^ ^
      なんと私もこちらの作品最近読み終えた所です!!
      不満に思いながらも不穏な空気と甘美な雰囲気とそれに連なる気になる真相の行方に結局最後までページを捲らされた私です⸜( ॑꒳ ॑ )⸝

      どんよりした気分の更なるスパイスにもってこいですね 笑
      これからもレビュー楽しみにしております☆
      2021/02/18
    • 越智さん
      NORAさん
      はじめましていらっしゃいませ、こんばんは!
      なんと同タイミングだったんですね。いただいたコメントすべてに激しく同意です。
      ...
      NORAさん
      はじめましていらっしゃいませ、こんばんは!
      なんと同タイミングだったんですね。いただいたコメントすべてに激しく同意です。
      「えぇぇ~?ほんでぇ~?」って思いつつもどんどこ読まされてしまうこれはなんという魔法なんでしょうか?!?!
      オトシ方が事前にわかってもなお、がっかりしないのはなぜなのか???
      読み終えて数日たちますが、いまだに余韻を味わっています。
      コメントありがとうございました!
      2021/02/21
  • 短編集なので通勤時間で一章ずつ読めました!
    ミステリーというよりホラーでしょうか?
    雪山の別荘が舞台の話があるのですが、それが中々面白かったです。

  • 名の知れた家のお嬢様達の周りで起こる残虐で邪悪な事件の数々
    語り口は優美で上品
    だからこそ恐ろしい
    最後の最後に寒気がくる
    優雅で美しい邪悪なミステリー短編集

    残虐
    ホラー
    ミステリー
    が好きな人にはたまらないかもしれない

    お嬢様の集う読書サークル「バベルの会」
    少しのぞいてみたい

  • 5つの章でそれぞれ語られる短編がお嬢様学校の読書サークル「バベルの会」に繋がり絡み合ってゆく。
    使用人、お嬢様目線で淡々と、それは何かを思い出すように語られる。耳心地のよい言葉の紡ぎにうっとりしかけた頃、物語はどんでん返しの暗転を喰らう。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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