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- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101288185
感想・レビュー・書評
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ハハキギ作品にしては珍しく?読んでいて辛い場面もなく、じんわり暖かい気持ちになる作品。
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『閉鎖病棟』がすごく良かったから、
帚木蓬生2冊目いってみました。
こっちも… とっても良かった!
シンプルな日常の物語なんだけれど、
登場人物1人1人がすごく魅力的。
父親の遺したアパート“扇荘”を管理している時子と、
扇荘に暮らすちょっと変わった住民たち。
ほんわりする恋の話。
それは『閉鎖病棟』でもそうなんだけど、
帚木蓬生さんは人をいきいきと描くのがうまいと思う。
扇荘に暮らす人たちの描写はもちろん、
時子と母親が通うカラオケ教室の生徒たち
時子が働く特養ホームの同僚や高齢者たち
みんなすごく温かい目で描かれていると思う。
柏木のおじいちゃんのお葬式の場面がお気に入り。
“扇荘葬”をきっかけにみんながひとつところに集まって、
住民たちを隔てていた気持ちがほぐれていく様子が。
舞台はおそらく平成(…携帯とか出てくるし)なんだけど、
流れる空気に平成らしさを感じさせない。
というより平成の持つ影の部分を感じさせない、
て感じなのかな。人の情があって。
時子が家賃を集金して回る様子もよい。
時子と有馬さんのドライブのシーンが読みどころ!
すごく描写がきれいで引き込まれます。