顔のない裸体たち (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290386

感想・レビュー・書評

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  • あっという間に完読。
    生々しい性描写があり不快感を感じる部分もあるのだけどら読み進めてしまう不思議。
    人間が生まれて性欲に目覚める流れを事細かに書かれていて自分がどうだったか?ということを考えてしまった。
    私は女性だから特にミッキーに感情移入してしまった。

  • ほぼ性描写、かな。

    『文人』という思想について基礎知識あったから、それも頭の片隅に置いて読めたけど、事前知識ないと、出来事文章でああそうだっかーそんなことがあったかーで終わってしまう気がした。

    短くてさくっと読めるのは良いところ。

    あと『事件』と冒頭に言って、終盤に向けて読者へボルテージ高めるような工夫あり。

    ただ肝心のその『事件』が平凡というか、もっと小説的奇想天外なものとか、あるいは本人達の心理描写を細かくこまかーく、普通そんなこと考えないだろくらいに書いてたら、もっと読了感と読み応えあった気がする。

  • 平野さんの本の中ではテーマが下世話で身近だし、短編だから読みやすい。堕ちていく人間のフィクションだけど現実にもこんなことほあるだろうと思う。本当に他人に言えないことは皆黙っているから。

  • 官能的な面も大きかったが、文学的な表現で書かれているためいやらしい感じではなかったです。

    平野啓一郎は『私とは何か「個人」から「分人」へ』でも分人主義に触れているが、本書も根本はその部分について書かれているものでした。

    会社にいる自分と友人といる自分が違うというのは当然といえば当然のことで、本書の女性のそれは、現実社会の教師とネットの中の淫乱な自分という側面で描かれていました。

    匿名であったり非匿名であったり…ネットがとても身近にある現代も、そう言った多面性は存在するんだろうな、と思いながら読める作品でした。

  • エロさに驚いたが、エロを扱っていても内容は文学的なため、そういう気分にはなりきれない。人物の描写を通して作者の思想が披露され、頭を使うのが好き人には心地よい。恋愛や学校にコンプレックスがある人も興味深く読める。

  • 昔に題材をとった話が得意な人との印象であったが、現代の話だとぎこちないのか。テーマが刺激的なようでいて、紋切り型にはまっているような。

  • 真面目な中学の女教師と公務員の男。
    ネットで知り合い、肉体関係をもつ。
    アブノーマルな関係。
    次第にビデオや写真に撮る男。
    顔をかくし、ふくよかな身体と欲望をさらけ出す女性。
    男はその映像をネットで流す。

    地味な教師はネット社会では人気者となる。

    顔にモザイクされた性欲の強い女と
    陰気な女教師。

    分人という概念をここでも再確認。

    性描写がありすぎて星一つ減らした

  • ふつうに読み始めたら思いっきり性描写強くてびっくりした。でもそういう読み物ではない。平野さんの分人という考え方が散りばめられていて、違う人格だからこそできてしまうことってあるな、と納得。
    そして、顔のない裸体って、誰なのか。いろいろと考える。

  • 刺激的な描写もあるが、心理描写などの文章力が高いので勉強になる。ネット上と、自分自身の乖離、どちらが本当かなど考えさせられる。

  • こちら側とあちら側の「私」。共存しつつもその線引きがわからなくなった男と、分けて生きたい女の話。誰しもにある二面性がうまいこと表現されている。分人主義の、はじまり。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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