神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302775

感想・レビュー・書評

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  • 物語が突きつけてくるのはいつだって悩ましい「選択」だ

    特にそれが「正義」と「正義」の闘いであるならば、悩みはより深くなる

    だけど悩みながら物語と一緒に進むことで見えてくるものもある
    「選択」の拠り所のようなものだ
    「選択」に悩んだ時の指針だ

    それは「人の命の重さ」なんじゃないかと思う
    「人の命」を軽く扱う「正義」に騙されるな
    「尊い犠牲」なんていう言葉を吐く指導者を信じるな

    正しい道を行こう
    「人の命の重さ」を知る主人公バルサを友として

    • 1Q84O1さん
      可愛い系からは一番遠い存在かと…
      可愛い系からは一番遠い存在かと…
      2024/04/05
    • ひまわりめろんさん
      (⁠~⁠‾⁠▿⁠‾⁠)⁠~
      (⁠~⁠‾⁠▿⁠‾⁠)⁠~
      2024/04/05
    • 1Q84O1さん
      か、かわいいじゃないか!













      ってなるかい!
      か、かわいいじゃないか!













      ってなるかい!
      2024/04/05
  • アスラを守るためにバルサはシハナという怖ろしい女性と闘う羽目に陥る。そして…
    このシリーズは何度も私を物語の海へ川へ溺れさせてくれます。

  • 守り人シリーズ第5作!
    女用心棒バルサがますますカッコイイ!
    ただ強いだけじゃなく、母性的な優しさも持ち合わせてるところがまたいい!
    そして人を殺めた哀しみ。
    生きるために、人を殺めるしか生きる道がなかったとしても、人は、動物と違って、心に傷を持つ。
    たとえ相手がどんなに悪人でも。
    人として生きるということはどういうことか、深く考えさせられた。

  • 邪悪な力を解き放つことになってしまったいきさつ。
    力を持ってしまった少女アスラ。
    何とか助けようとするアスラの兄。
    少女の心身を守ろうと奔走するバルサが頼もしい。

  • 守り人シリーズ6巻。神の守り人の下巻です。

    上巻からあげられている「それが正義であれば、殺人は許容すべきか」 という重いテーマに対し、本巻で一定の答えは出たのではないでしょうか。
    戦いを通じてバルサの背負う悲しみの重みがひしひしと伝わり、彼女ならではの理論で殺人をしてはいけない理由が語られた時、とても納得感がありました。
    また、ラストは手放しで喜べるものではないですし、ロタ王国の問題は全く解決には至っていないけれど、わずかな希望の光が見えた感じはよかったです。

    今回の事件では、上記の他にも人種差別や地方格差、新興宗教やテロなど、現代でも悩ましい問題が織り込まれていて考えさせられることが多々あり、しかもそれが、世界のどこかでの出来事ではなく、すぐ隣で起きていることという現実感を以て迫ってきました。
    相手の立場に立つこと、が、ね。解決の一歩かもしれません。

  • タンダが静かに涙を流すシーンがとても印象的だった。
    2人のこれまでの過去を思って、どんな気持ちでその言葉を吐いたのか思うと胸が苦しくて涙が出てくる。

  • 初めて本を読みながら涙ぐんだ思い出のある作品。しかも電車の中だった。
    決して幸せとはいえない終わり方かもしれないけど、ラストシーン、大好きです。

  • 守り人シリーズで一番好きな作品、「神の守り人」、その下巻。

    この作品のラストは涙が自然と零れてくる。
    アスラを取り巻く大人の身勝手、そして身に宿る大いなる力。

    純真な子どもだからこそ大人の思うつぼとなり、そしてその純真さがあったからこそ、彼女は自分に与えてくれた優しさや愛情をしっかりとその心に焼き付けていたのだと思う。
    シハナの思惑が大きく崩れたのは、シハナがそういう心を大切にして育ってこなかったからなのだろう。
    だからと言ってシハナだけを責められるわけではないと思う。彼女にも彼女なりの葛藤はあったはずだ。そこは勝手な想像でしかないが……。

    物語の最後、アスラが下した決断は、彼女を一生縛り付ける呪縛となってしまったのだろう。
    それでも、彼女はとてつもない覚悟と、たくさんの自分が貰った愛情や優しさを受けて決断した。
    それは、アスラの強い心と勇気、そして優しさがあったからこそで、彼女にしか出来ない素晴らしい決断だったと思う。

    この中で一番好きなシーンは、悪夢を見たアスラがバルサに泣きつくところ。最後の決断のシーンは言わずもがな。

    狼の群れを虐殺し、自分に与えられた力に気づいたこと。そしてバルサがその力を使うアスラが何を考えているのかわかってしまったそのあとのシーンだ。
    アスラが信じてやまないカミサマへの考え方をアスラが傷つかないように優しく諭すバルサの言葉選びに深く考えさせられた。

  • なんとも胸キュンなエンディングで、もおもお!でした。

    なんだかんだ、やっぱりバルサなんですよね。かっこいいなあ。もう。
    タンダの頑張りにも拍手!でしたし、どう考えても無理だろうっていう状況でも絶対に諦めないふたりの姿がもうたまらなくて。泣けました。

    最後のチキサとバルサの会話にもぐっときたし。
    相手が子供でも対等に接するバルサの姿勢がすき。


  • 文句無しの満点。
    冒険小説として、またファンタジーとして十分人に勧めることが出来る作品。

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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