蒼路の旅人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302799

感想・レビュー・書評

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  • 最初の頃は、ザ・ファンタジーという世界観だったが、虚空の旅人からは徐々に政治的要素が濃くなってきた。チャグムが何も知らなかった少年時代から、大人の暗い世界に引き込まれていく時代へと入り、青年となっていく。バルサが主人公だと勝手に思っていたが、チャグムも両立の主人公なんだなあと改めて感じた。
    これから、バルサがどう絡んでくるのか、チャグムの行く末がどうなるのか楽しみだけど、ザ・ファンタジーが好きなので、政治的要素が強いと少し不安になる。

  • 完結編への序章という位置付けが強いからか、淡々と話が進む。悪くはないが、インパクトには欠ける。

  • バルサもタンダも登場しない旅人シリーズ。前作はチャグムとシュガの物語だったが、今作はシュガも登場しません。それなのに前作よりも読み応えがあるんだよなぁ。

  • まだまだ青くさい部分を残していたチャグムが大人になっていく物語。大きな力を前に自分にできることを考え、何度も悩んだ末に出した結論は彼の成長を感じさせる。
    シリーズとしての物語がここで大きく動きはじめ、チャグムやバルサのいる世界がどういう運命を辿るのか気にならずにはいられないだろう。

  • チャグムの成長、国家間の策略、異界の春の到来…と物語が三次元的に進むので、ずっと手に汗をにぎって読みました。

    個人的にNHK大河の「直虎」とか池上永一の「テンペスト上巻」みたいな“軍事力の弱い小国が巧みな外交力で生き残る”という話が好きなので、この後の展開が楽しみです!

  • 旅人シリーズは、チャグム君が主人公。
    今回は、背景としてはタルシュ帝国が侵攻を開始しており、サンガルから応援の要請があった、
    というところから話がはじまります。
    若者らしく率直な意見をいいますが、これがまた帝のご機嫌をそこねて、また試練がやってきます。
    結局サンガルからの応援要請はやっぱり罠で、タルシュの密偵につかまってしまい、タルシュ本国へつれていかれます。
    チャグムは、その過程で、苦難を乗り越え、人と出会い、加速度的に成長していきます。
    なんていうか、清濁あわせて、すべてを自分の中にとりこんでいく姿が感動的です。
    人ってこうやって大人になっていくのか、って感じ。
    20160531

  • 【再読】
    やっぱり「旅人」シリーズも面白い!いや、むしろこっちの方が好きかも…笑。丁寧に積み重ねられてきた世界観と大河ドラマは相性バツグン。この巻はクライマックスに向けての助走段階といったところで、展開はやや地味。でもこれからの物語への期待は十分に高めてくれるし、チャグムの葛藤や成長もじっくり読めるので、満足度は高い一冊だった。ひねくれた性格な自分はチャグムみたいなキャラクターを好きになれないことが多いんだけど、チャグムはただただ応援したくなる。本当に魅力的なキャラクターだと思う。まぁ、一番好きなのはシュガなんだけどね、、笑
    それと個人的な気付きが1つ。ファンタジーは好きなのに、ハマる作品が少ないのは何でだろう、とずっと思っていたけど、この本を読んでいてストンと理解できた。剣や魔法やドラゴンや…そういうのも良いけど、やっぱり一番は人間ドラマなんだな。存在しない世界で生きる人達に心を動かされ、一緒に道を進んでいる気持ちになれる、そこがファンタジーの好きなところだ。解説で挙げられていた作品もぜひ読んでみたい。

  • チャグムを思うみんなの気持ち、みんなを思うチャグムの気持ち。
    チャグムの周りにいる仲間が、彼を支えてくれていると思った。

  • 守り人シリーズ7巻です。
    また一歩チャグムが成長し、頼もしいと思うと同時に、ほとんど無邪気な子供時代を過ごせなかった彼の過酷な運命をおもい、あらためて涙しました。
    本作は皇太子という立場の葛藤、父子の確執、国どおしの争い駆け引き・・・などなど問題山積みですが、今までよりは分かりやすい義が正しい形でしっかりあるので、(私の)気持ちが揺れ動かない分読みやすかったです。

    また、ラストシーン、まさしく蒼路へと旅立つ場面は鳥肌が立ちました。
    圧倒的不利な状況下でチャグムはどこまでやれるのか。今後バルサとの接触はあるのか。
    ドキドキです。

    そうそう、ラウム王子との駆け引きは意外とあっさり終わってしまい、そこだけが心残りでした。
    チャグムの真摯さも、ラウムの頭のキレのよさも使い切れてなーい!

  • シリーズが進むにつれて物語世界が拡張していく。第一作では無力な存在だったが5年を経て成長したチャグムが主人公。外交、政治、謀略が物語の重要な要素になっている。読みやすい文体。
    良い天気のテラスでビールとモヒートの読書。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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