- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101302805
感想・レビュー・書評
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タルシュ帝国の侵略から新ヨゴ皇国を救うため翻弄するチャグム、そしてチャグムの行方を追うバルサ。バルサはチャグムに逢えるのか⁈
今回もかなり面白かったぁ!シリーズで一番かもしれない!登場人物のそれぞれの立場、思惑がぶつかり合いながらストーリーが展開されていく様が面白さを際立たせる!
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シュガへ宛てたチャグムの手紙から始まる、物語の最終章!
シュガ、タンダ、バルサ、彼らの元にそれぞれチャグムにまつわる使者たちがやってくる。これまでの物語が、全て一つになり、明らかにされていくことがよくわかる。
バルサはチャグムにやっとのことで追いついていくが、なんとチャグムにより、足止めされてしまう。。
タンダの元にはあの、タルの民、アスラとチキサが助けを求めにやって来た。ナユグに何か起こっているようだ。だか、タンダは弟の代わりに、草平に出ることになる…。その先にも不思議な若者がタンダの元にやって来る。
バルサはロタ王国の秘密を知り、今度こそチャグムを探しに行くことになる。
たった一人で国を背負うチャグム!チャグムへの思いに駆られるバルサ…
バルサの本当の強さ、女としての脆さ、チャグムの青きまっすぐさ!二人の行方がどうか幸運なものとなるようにと祈りながら読み進めるこの楽しさといったら!! -
バルサ、探しに来てくれて、ありがとう。
あなたが、ロタまで来てくれたと聞いて、ふるえるくらい、うれしかった。
もう一度、一目でもあなたに会いたいけれど、どうかもう、わたしを探さないでください。
いまは、わたしのことよりも、タンダのことを考えてほしい。
新ヨゴ皇国は、もうすぐ、戦場になる。
わたしが間に合わなか、ったら、街も田畑も、火の海になってしまう。
一刻も早く、タンダたちを山奥へ逃がしてください。あの冬の狩穴でもいい
あなたたちが無事生きていると思うことができれば、わたしは、がんばれる。
わたしは、大丈夫です。心配しないでください。
なにがあっても、かならず生き抜いて、心に決めたことをやり抜いて、故郷へ帰ってみせます。(262p)
もはや、12歳の少年ではない。なんと何時の間にやらバルサの背丈を越えた16歳の「青年」なのだ。私は前作「蒼路の旅人」の時に「バルサよ、すぐにチャグムを助けてあげて!チャグムの思うようにはいかないと思うけど、バルサと彼女の人的ネットワークがあれば、もしかして!」と書いた。この時に思い浮かべていたのは、ロタの呪術師の長カシャルの「鷹の目」で捜せば、チャグムを見つけることができるのではないか、ということだった。そんなバカなことを、バルサは思いつきもしなかった。やったのはもっと地に足のついた、地道な捜索活動だった。
本作は、守り人シリーズでも、かなり特徴のある一冊になっている。バルサが物語の八割を活動しているのに、登場していないチャグムが、その間ずっと生き生きと活躍するという仕組みを持っているのだ。守り人シリーズは、何時の間にか、バルサとチャグムの話になっているのだが、全体を読み終わってみると、なんと2人が共に活躍するという巻は、この第一部の最終章と次の巻だけなのだ。おお、なんという不思議な物語なのか!
2015年7月2日読了 -
織物を紡ぐかのごとく綴られる、終わりの始まりの一冊。
守られるだけだったチャグムの逞しさに眩しさを感じながら、一気に。
何を守って何処を旅していくのか、こういうロードムービー系は結構好きです。
”その道に行っても、楽にはなれない”、重い言葉だと、思います。 -
さすがに最終章だけあって、読み応えありますね。すべてのキャラが魅力的で、どのシーンも見逃せない。あと2冊で終わりかぁ。。と思うと次読むのが名残惜しい。
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いよいよ完結編。のっけから緊張感あふれる展開が続出して、読みながら痛快なことこの上なし。バルサとチャグムの物語が決着を見るだけあって、最初から両人を中心に展開されているのも良い。超えようもないとてつもない困難が立ちはだかっているけど、いかにしてそれを乗り越えるのか。期待はいや増すばかり。