- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101302812
作品紹介・あらすじ
再び共に旅することになったバルサとチャグム。かつてバルサに守られて生き延びた幼い少年は、苦難の中で、まぶしい脱皮を遂げていく。バルサの故郷カンバルの、美しくも厳しい自然。すでに王国の奥深くを蝕んでいた陰謀。そして、草兵として、最前線に駆り出されてしまったタンダが気づく異変の前兆-迫り来る危難のなか、道を切り拓こうとする彼らの運命は。狂瀾怒涛の第二部。
感想・レビュー・書評
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北の大陸を救う唯一の道筋、ロタ王国とカンバル王国の同盟を成すために北のカンバル王国に足を踏み入れたバルサとチャグムそしてヒマメロ一行に次々と襲いかかる刺客たちと仕掛けられた罠
間一髪でくぐり抜けムサ氏族の地へ辿り着くが、思わぬ裏切りによりバルサは傷を負ってしまう
すまんバルサ!わいがもっと早く気付いていれば…
一方、北の大地に住む小人〈牧童〉たちによって明らかにされる異変の数々
戦火を予感させる争いの裏で世界を破滅に導く災いの種が静かに芽吹いていた!
バルサ、チャグムそしてヒマメロはこの世界を、故国を、天と地を、大いなる災厄から守ることができるのか!
そして舞台はいよいよ新ヨゴ皇国へ!次巻『天と地の守り人〜第三部〜』カミングスーン!(ババーン)詳細をみるコメント4件をすべて表示-
1Q84O1さんヒマメロさっさと刺客にやられろ!ヒマメロさっさと刺客にやられろ!2024/05/06
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ひまわりめろんさん一Qはビンタ一Qはビンタ2024/05/08
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1Q84O1さんWhy!?Why!?2024/05/08
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ロタ王国の南部大領主はタルシュ帝国と手を組み、ロタ王国北部をまさに攻撃しようとしていた。カンバル王国とロタ王国北部が同盟を結べば、タルシュ帝国に対する抑止力になり、新ヨゴ皇国への侵攻も収まると考えたチャグムはバルサと共にカンバル王国へと向かう。
今回も盛り沢山の内容でした。国同士の水面下での折衝が複雑だけど面白い!第3部早く読まなきゃ! -
「そう。ここ数年のあいだに、少しづつノユークの海面が上がってきたのは知っていた。ノユークに春が来たのだろう。ノユークの山々が雪融けを迎え、いっせいに雪融け水が流れ出したのではなかろうかな。何百年に一度の、春だ。水面が上がり、山も海の下になり、それまで山にさえぎられていたところが、海に繋がった。そうして、遠くから、いく筋も、大河のように群れをなして泳いできた精霊たちが、この海へたどり着いたんだ。この渚で番(つが)い、新たな命を産み出すために」(301p)
守り人シリーズのオリジナリティは、一つにはサグ(こちら側)の世界と同時にナユグ(あちら側)の世界が存在して、サグ(人間世界)の都合とは全く無関係にナユグ(他の国ではノユークとも云う)の壮大な動きが描かれていることにある。
まだ2007年の発刊ではあるが、これはまるで私たちの知らないあいだに太平洋下に潜って行った巨大なマントルのイメージだ。我々とは時間軸が違うこの星の別世界の生態系。そして、やがてそれが人間世界に途轍もない影響を及ぼすことにもなる。
それが天の動きだとしたら、地の守り人として、バルサとチャグムは「戦争」を止めるために、或いは犠牲を最小限に止めるために、苦しみながら大きな努力をしてゆく。
バルサは、掠れた声でいった。
「人を助けるために、人を殺す矛盾は、いまもわたしをがんじ搦めにしている。同じ矛盾にむきあっているあんたに、楽になれる道なんて、示せるはずがない」
そういってから、バルサは、かすかに苦笑を浮かべた。
「だけどさ、こんな人生だって、哀しみしがないわけじゃない。たとえば、ほら‥」
バルサはそっと右手をのばして、チャグムの頬を包んだ。
「ふくれっ面をして、駄々を捏ねていたおチビさんが、一人前の男になって、いま、こうしてとなりに座ってる‥」(314p)
次巻は遂に、そしてはやくも最終巻だ。
2015年7月2日読了 -
再会したバルサとチャグムの、カンバルへの旅路。
民の守り人たらんとするチャグムと、そのチャグムの守り人たらんとするバルサ。
久々に同じ時間を過ごす二人の様子がどこか、懐かしく。
その合間にはさまれるタンダとトロガイの師弟の話も、次巻への伏線でしょうか。
次はいよいよ最終巻、じっくりと読みたいような駆け抜けたいような。
”そのときは、人になど、たのまない”、二度目の再会はどんな形になるのでしょうか。 -
天と地の守り人 第2部。
チャグムの絶望と希望。
最後まで諦めない気迫。
そしてバルサを気遣えるくらいの若者に成長したチャグム。
活劇の部分は本当に手に汗握る。
今作もメチャクチャ面白かった。
とにかくみんな無事でいてほしい!
さて、チャグムは公の場では「私は〜」と、皇太子然としているんだけど、バルサの前では「おれは」と、甘えん坊になったり、からかったり、とても楽しい。
厳しい話の中で唯一癒されたところです。
何と言ってもまだ16歳だもんね。 -
ロタ編を読み始めたら止まらなくなり、カンバル編も一気読み。
闇の旅人を読んだのが一年以上前でカンバルについての記憶があやふや。
普段同じ本を読み返すことはあまりないけれど、もう一度最初から、今度は一気読みしたいと思いました。 -
ついにチャグムに追いついたバルサは、彼とともにカンバル王国をめざします。チャグムは、カンバル王国とロタ王国の同盟を実現することに、タルシュ帝国の侵攻を食い止めるための最後の希望を求めたのです。しかし、カンバル王の側近である「王の槍」のなかにも、タルシュ帝国に意を通じている者がいました。
他方、タルシュ帝国と戦うために草兵として動員されていたタンダは、大きな危険がさしせまっていることを感知し、「魂飛ばし」の術をおこなって、トロガイに伝えます。そしてバルサたちも、カンバル国の牧童たちとの話から、この世界の自然に大きな変化が起こりつつあることを知ります。
新ヨゴ皇国の運命と、さしせまりつつある大災害の予感がかさなり、クライマックスへ向かって緊張感が高まってきたような印象です。 -
だんだん話が大詰めになってきました。
つぎは新ヨゴ。シュガやジンも大きく関わりそうだし、タンダもどうなるのか。
次で最後かぁ。全9巻、長い冒険が終わる。寂しい。 -
続きが気になる‼︎