小説ヤマト運輸 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101303321

感想・レビュー・書評

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  • 90年代半ばくらいまでのヤマト運輸の歩みを小説仕立てで描いている。三越事件や運輸省との確執など多くはその後に有名になったエピソードが多い。そのなかでクロネコヤマトのあの有名なロゴデザインを考案した風変わりな社員のエピソードが味わい深い。昭和時代の企業のふところの深さ。

  •  小説として面白いかというとやや疑問が残るけど、ドキュメンタリーとして考えると、知らなかった運輸業界の歴史が垣間見える興味深い作品だった。

     その一方で、主人公補正というか、ヤマト側に都合の悪い部分は書いていないわけで、これだけで日本の運輸を語るのは危険だなと感じた。読者を誤魔化せるだけの筆力があるということなので、好い作家、作品だなとは思うんだけど…。
     このあたりの「内容は面白いけど、気を付けて読まないと」という感覚は、佐藤優の書き方と似ている気がする。

  • "宅急便の神様"小倉昌男氏を描いた一冊。今や当たり前になった宅急便が、当時どれだけの戦い・紆余曲折を経て今に至っているかがとてもよく伝わってきました。「すべての常識は非常識からはじまる」というけど、その非常識を常識にする努力、また戦局の読み方はとても参考になる部分が多かったです。クロネコヤマトのあのマークの誕生秘話もおもしろくて、こういう時代をつくってきた人たちの仕事は大変だったろうけどどんなに充実したものだったろうとか思って、自分も負けてられんと背筋が伸びました。

  • 日本の物流を根底から変えた宅急便恐るべし。輸送費をコストとしネガティブにとらえずロジスティック全体のコストの軽減で成長するAMAZONすごすぎる。労働環境は?

  • ヤマトには日々世話になっているだけに、国との戦いや同業他社との戦いに勝利した理由を知りたくて読んだ。

    国との戦いについてはまずまず分かったが、同業他社との戦いについては、ほとんど触れられず、「サービスの質が違う」という社内の声や、最後の小倉の告発以外には伺い知れなかった。

    ヤマトへの取材によって、ヤマトに近付きすぎ、第三者的視点が失われた結果ではなかろうか。

    ただ、小倉の立志伝としては楽しめる。

  • ヤマト運輸は今も戦う企業のイメージ。企業風土はこのように脈々と受け継がれていくんだろう。

  • 宅急便誕生と飛躍をベースにしたヤマト運輸さんの歴史。初代社長の二代目にわたる三越との歴史はかなり興味深い。また、宅急便へのチャレンジと、あくなきサービス開発の歴史をあらためて時系列でみると、その着眼点と経営判断に驚かせれます。2014/12読了。

  • いつもの高杉小説のドキドキ感を味わえなかったのが残念。

    ヤマト運輸に対するイメージが少しプラスに変わったかもしれない…

    側近の鈴木氏がもっと活躍するかと思いきや、意外と創設者の方に重点が置かれてました。

    時系列通りに進まないので少し混乱しましたが、いろいろ勉強になりました。

  • なかなか面白かったです。
    難しいかなーと思いながら読み始めたのですが、新たな挑戦を試行錯誤しながら実現する様子はとても楽しく、成功したら嬉しくてぐいぐいと読み進めました。
    いつも家で荷物を受け取る程度のやり取りしかしたことのなかった宅急便屋さんにはこんな歴史があったのですね。

  • 規制に立ち向かう勇気。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。専門誌記者や編集長を務める傍ら小説を書き、75年『虚構の城』でデビュー。83年、退職し作家に専念。緻密な取材に基づく企業・経済小説の問題作を次々に発表する。代表作は『小説日本興業銀行』『小説ザ・外資』の他『金融腐蝕列島』シリーズ全5部作など。

「2023年 『転職』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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