さっきまで優しかった人 (新潮文庫 か 10-5)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101304052

作品紹介・あらすじ

いまは、となりに眠っているけれども、明日になればどこへ行ってしまうのか分からない彼。いつも微笑んでいた昨日までとは打ってかわって、沈みこんでいる彼女。さりげないしぐさ、不思議な会話、そして誰にも話したことのないほんとうの気持-。ミスティーな恋人たちの心のカーテンを開いてみせた、サスペンス風味の、ちょっとしゃれた六つのラブ・ストリー。

感想・レビュー・書評

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  • 「一等星の見える窓」・・・矢沢は裕子と会いたいと思ったが、電話がつながらずにいるうちに、次々と女性の友人と会いコーヒーやお酒を飲む。最後に裕子の部屋にたどりつき、裕子はシャツのボタンを外しながらふと振り返り、窓から一等星を視る。

    「君はただ淋しいだけ」・・・かつて恋人同士であった(かもしれない)な中村と真佐子は、昔と同じように小淵沢から小諸まで小海線に乗り、昔の思い出を甦らせる。その夜ホテルで食事をとりながら、友人の渡辺は真佐子と離婚することを告げる。翌朝中村は真佐子を「我々の今後の身のふりかたを考えよう」とホテルのプールに誘う。リクライニング・チェアに横たわりながら真佐子は、力を込めて噛みしめるように唇を閉じあわせている。涙を懸命にこらえるために。

    の2篇がよい。

  • 文字としては分かるけれどなかなか像に結びつかなかった。だから、なかなか進まなかった。

    どの物語もしっとりとして、色気のあるものだった。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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