地獄の季節: 酒鬼薔薇聖斗がいた場所 (新潮文庫 た 67-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101304311

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  • 1997年(平成9年)におきた、神戸連続児童殺傷事件についての詳細なルポです。

    はっきりいって、著者の高山文彦氏に影響を受けて、
    ノンフィクション作家という仕事に憧れを持ったと同時に、

    ゼミでノンフィクション作品を30冊読みます!なんて公言することになったといっても、

    過言ではありません。

    この本は、1998年2月に発刊されており、
    事件後約7〜8ヶ月が経った時期です。

    よって、事件の真相がほぼ明らかになっている状況です。

    それなので、事件について一通りが書かれていて、
    この一冊を読めば、ある程度この事件について
    理解することができます。

    と、同時に、この事件に興味が湧いてきます。

    容疑者の少年Aは、私と同じ年です。
    生まれた月も一緒です。
    さらに、高度経済成長後に郊外に造成された、
    労働者が住むための団地に住んでいました。
    それも、ほぼ一緒です。

    当時は、はっきり行って嫌だったのを覚えているし、
    フォーカスされた記事を読んだときも、
    ありえない、ほんとに近づきたくない、
    怖いという感想を覚えたのを記憶しています。

    そして何より、関わりたくなかったのか、
    多くを知ろうという気にも慣れませんでした。

    しかし、この本に出会って、
    少年Aが何を考え、どの様な生活を送ってきたのか。

    その中には、自分ともさほど変わらない部分が、
    偶然の一致点以外にも多くありました。

    きっと、さびしかったんだろうと思います。

    しかし、私は今こうして、自由に生きて、
    彼は、不自由な生活をしている。

    その差は、あまりにも大きい。

    なぜだ?どうしてだ?

    答えは、わからない。
    けれど、この本を読んで、とても他人事とは思えない事件だったんだと、感じました。

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著者プロフィール

1958年、宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。2000年、『火花―北条民雄の生涯』(飛鳥新社、2000年)で、第22回講談社ノンフィクション賞、第31回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞。著書に『水平記―松本治一郎と部落解放運動の100年』(新潮社、2005年)、『父を葬(おく)る』(幻戯書房、2009年)、『どん底―部落差別自作自演事件』(小学館、2012年)、『宿命の子―笹川一族の神話』(小学館、2014年)、『ふたり―皇后美智子と石牟礼道子』(講談社、2015年)など。

「2016年 『生き抜け、その日のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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