- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101304311
感想・レビュー・書評
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1997年(平成9年)におきた、神戸連続児童殺傷事件についての詳細なルポです。
はっきりいって、著者の高山文彦氏に影響を受けて、
ノンフィクション作家という仕事に憧れを持ったと同時に、
ゼミでノンフィクション作品を30冊読みます!なんて公言することになったといっても、
過言ではありません。
この本は、1998年2月に発刊されており、
事件後約7〜8ヶ月が経った時期です。
よって、事件の真相がほぼ明らかになっている状況です。
それなので、事件について一通りが書かれていて、
この一冊を読めば、ある程度この事件について
理解することができます。
と、同時に、この事件に興味が湧いてきます。
容疑者の少年Aは、私と同じ年です。
生まれた月も一緒です。
さらに、高度経済成長後に郊外に造成された、
労働者が住むための団地に住んでいました。
それも、ほぼ一緒です。
当時は、はっきり行って嫌だったのを覚えているし、
フォーカスされた記事を読んだときも、
ありえない、ほんとに近づきたくない、
怖いという感想を覚えたのを記憶しています。
そして何より、関わりたくなかったのか、
多くを知ろうという気にも慣れませんでした。
しかし、この本に出会って、
少年Aが何を考え、どの様な生活を送ってきたのか。
その中には、自分ともさほど変わらない部分が、
偶然の一致点以外にも多くありました。
きっと、さびしかったんだろうと思います。
しかし、私は今こうして、自由に生きて、
彼は、不自由な生活をしている。
その差は、あまりにも大きい。
なぜだ?どうしてだ?
答えは、わからない。
けれど、この本を読んで、とても他人事とは思えない事件だったんだと、感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示