- Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101304526
感想・レビュー・書評
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これもよかったな~。京都へ少しの間逃亡する、元・活動家の男の語り。どうしてこんなにどこの方言も自然なんだろう?
祈りの描写が良かった。手紙みたいな、もっと言えばメールみたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんかいいんだよな、絲山秋子。サクッと読める短くて軽快すぎる文章なのに、気づかないうちにえぐられている。
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ふわふわと、テキトーに、ラクに、諦めながら、なんとなく浮き草みたいに生きてる。
それは、もう燃やし尽くしちゃったからなのか、もともと燃料が無いだけなのか…。
でも、どことなく、確実に寂しい。
捉えようもない寂しさに包まれた二篇。 -
霞がかったようにふわーっとした語り口。作者が考えていることじゃなくて、主人公の頭の中がそのまま記述されているような感じがする。
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9年ぶりの再読
9年前には頭で読んでいた。
今は肩の力を抜いて読める。 -
相対する双子の兄弟がそれぞれ主人公の二編。自由でいながら、挫折に影を潜めて生きる中年男の切なさが、軽く明るく描かれている。二編が構成から響き合っているので、短いながらも印象がしっかり残る名著。
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職業的革命家をドロップアウトした正臣、偽神父のバンジャマン。彼らはともに、いわばかけがえのない青春期を失ってしまった。そして、過去における継続的な挫折のゆえに将来への展望もなきに等しい。小説のアイディアとしてはわからなくもないが、やや作為的に過ぎるようにも思う。タイトルの所以となったジョディ・ハリスとロバート・クインの「エスケイプ」も職革の過去には違和感が否めない。一方の「アブセント」は、もう少し自然だが、その分インパクトには幾分か欠けるだろう。小説のテーマは「喪失」であり、読後には一抹の寂寥感が残る。
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あまり感情移入できる要素はなかったけれど、脇役の登場人物がやっぱり素敵だった。