ジオラマ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.16
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本棚登録 : 920
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306315

作品紹介・あらすじ

ベルリンのガイドで生計を立てる、美貌の男、カール。地方銀行に勤める平凡な会社員、昌明。金のため男に抱かれることに疲れ始めた、カズミ。退屈な生活。上下運動を繰り返す、エレベーターのような日々。しかし、それがある時、一瞬にして終焉を迎える。彼らの目の前に現れた、まったく新しい光景。禁断の愉悦に続く道か、破滅の甘美へと流れゆく河か。累卵の如き世界に捧げる、短編集。

感想・レビュー・書評

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  • この方の作品を初めて読みましたが、不思議とすべての人が違和感なくストーリーはいい意味での裏切り。登場人物が生身の人間っぽい 
    意外によかったです。
    OUT読んでみたいです!

  • どれもこれもすっきりしない結末( ´ ▽ ` )ノ。
    あとがきが秀逸で、独立したエッセイとして楽しめる( ´ ▽ ` )ノ。
    石を引き剥がして闇の世界を暴く( ´ ▽ ` )ノ。
    うまい喩え( ´ ▽ ` )ノ。
    我々読者は暴かれ枯れてゆく闇を前に、呆然と立ちすくむばかり( ´ ▽ ` )ノ。
    どの作品も長く記憶に残ることはないだろうけど、「桐野夏生やっぱりすげーな」という印象だけは、しっかり心に刻まれる( ´ ▽ ` )ノ。
    2014.9.24

  • 地中に半分埋まった石を掘り返して裏をのぞき込めば全く違う世界がある。見方を変えたりひっくり返すだけでこうも闇があるのかと恐ろしくなるが、面白い。気づかなければ幸せなんだろうけども。

  • 薄暗い雰囲気で「へっ?」というラストを迎える話の多い短編集。短編ながらその世界に引きずり込まれてしまう流れるような文章は流石。

  • 桐野夏生の短編集。

    どの作品も先の展開を読みたくて堪らなくなる主題で、生殺し的なものばかり(笑)。

    表題作も良かったし、デッドガール、夜の砂も良かった。

    しかし、実際に起きた事件にインスパイアされて、こうも上手く展開させるとは、本当に凄い人だと思う。

  • 9つの短編集。

    うちひとつだけ、前の話に出て来た人物? と
    思うような人がいました。
    淡々としていて、読みやすかったです。
    が、何か残るかと言われると…どうなのでしょうか。

  • デッド・ガールが面白かった

  • 石をめくって裏側を見る様な短編集。
    カールの話はつまらなかった。
    井戸川さんについてが好みでした。
    人には色んな側面があるよなぁと改めて思った作品。
    謎を残したまま終わったり、いやーな後味で終わったりと陰気な雰囲気漂う本。

  • 9つの短編集。
    『蜘蛛の巣』が良かった。星新一のショートショートを読んでいるようなさいごのさいごでぞくぞく感。

    親より兄弟より親しく、張り合ったり傷つけ合ったりもしない、血の繋がらない「血縁関係」。二人の間には、中華料理の仕上げのように、片栗粉で固めにとろみをつけた餡がぬらりとかけられているはずだ。それは「運命」という名の餡だ。(P206 『蛇つかい』)

  • 人の裡に存在する仄暗い部分にフォーカスした短編集

    巧みな文でスルスルと惹き寄せられる感覚に痺れます

    歯車が少し擦れただけで、こんなにも人生が変貌してしまうのか…

    ゾクリ怖さを感じる作品でした

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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