- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087460100
感想・レビュー・書評
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桐野作品を読むと具合が悪くなることもしばしばなんですが、この作品はむしろ切ないし悲しいものでした。
もちろん書いている桐野さんは大人なので実際に高校生がこんな感じなのかどうかはわからないのですが、年齢特有の生きづらさは痛いほど伝わってきました。
ものすごく簡単に書くとある事件に女子高生のグループ4人がかかわっていって、悲劇的な結末の末に残った者が大人になっていくという感じのストーリーです。
桐野作品は読むたびに自分がきちんと理解しているかあまり自信が持てないのですが、これはかなり読みやすい作品だったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物が全員アホで虫唾が走る。
しかし、この本で大きく救われる人はいると思う。
それが「救う」と言う言葉で合っているのかはわからないが。そうであって欲しいと思う。 -
隣に住む同級生が、ある日母親殺しの犯人として逃亡。逃亡中に主人公の友人たちにコンタクトをとり、少しずつ交わっていく。
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んー
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一夏でこんなに状況が変わってしまうとは…てくらいな展開。読みやすかった。
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高校生特有の青臭かったり、悲観的で、大人を軽蔑するような気持ち。
それをとっくに手放してしまった大人が読むと、なんとも言えない気持ちになる。
結局は大きな社会の中のちっぽけな存在であり、何にも抗えないんだよな…と、なんだか高校生の時の感情が懐かしくなる。
事件自体は大きく扱っておらず、とくにどんでん返しもない。
最後はかなりスピーディに終わる。取り残された主人公の行く末が気になる。 -
同級生のキレイでかわいいキラリン、頭の良いテラウチ、男っぽくておそらく同性愛者のユウザンとつるむ女子高生トシは、平凡で何者にもなれない高校生活を送っていた。夏期講習に行くためいやいや用意をしていたところ、隣の家からの異音を聞く。隣家では母親が殺され、トシたち4人は容疑者である隣の息子と接触を始める…。
それぞれの登場人物視点で各章を描いていくというタイプの作品で、俯瞰した視点がないためにお互いのことがわからないというもどかしさが面白い作品である。ワタシもそういうのを書いてる。
女子高生4人と男子高生1人が、学校と家庭、特に母親との関係が世界の全てと思っている部分に対する不満、お互いの一部の性格に依存してしまうが、相手はそうと思っていないという所が良い。
『OUT』以来久しぶりの桐野夏生で、あの重さは連続は嫌だなとずっと読んでいなかった。本作は『OUT』と同じような人物構成にストーリー構成だが、事件の構図はシンプルだし、最後のゴチャゴチャ部分も割と受け入れられやすいか。この人の欠点は最後にヤケクソになるところだよなあ。
でも、読むごとに桐野夏生はすごいなあとおもうので、もうちょっと読まないとだな。 -
展開がぶっ飛びすぎてて、途中で止まってしまったところはありましたが、最後まで読めました。ちょっと無理があるなって感じるところも、非日常でいいのかもしれません。モヤっとした感じ残るかもしれません。それがいいって人もいるかもしれませんが。