幻の光 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307015

感想・レビュー・書評

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  • 少し怖いような、それでいてじんわりと優しいような気持ちになる。
    神がかり的でなく、日常の中に潜む奇妙な出来事は何かを暗示して、読み手である私をもさらっていくようだ。

    時代背景と関西が舞台であることも、私には懐かしさと哀愁を感じさせる。

  • 初めて読んだ宮本輝の本。学生の頃。
    これをとてもよい本だと思えたことが、なんだか大人になったような気がしたもんだ。

    確かに暗い。でもそれがよい。
    この暗さに乗っかる関西弁がものすごく響く。

  • 「夜桜」が好きかなあ。後悔ばかりの人生の中で、ふっと時が止まる瞬間。
    「寝台車」を読んでいると、仕事のことが思い出されてちょっと落ち込む。
    やっぱりこの人の作品は、静かに余韻が残る。

  • 読了日不明

  • 久々に読んだ宮本輝。
    暗いというレビューが多いけれど、人生の悲しさというか、
    人の抱える根本的な孤独を直接的にではなく、物語を通じて感じさせてくれる。

  • 力強い短編でした。「夜桜」良かった。
    主人公が愛したこの世にもう居ない人に、切ない関西弁でずっと話しかけ続ける。
    少女期を思い出す行が特に悲しく痛く、心に残っています。
    貧乏、不安、恐怖、疑問…常につきまとう幼少期。

    愛した人の死を思う時、やっぱり不安、恐怖、疑問を携えながら、淡々と生活を続ける女性。

    汚いものに触れてはいけない、多分子供時代は…。違うかな??

    映画も良かったです。

  • もう少し年齢を重ねたら、また読み返してみたいと思った一冊。個人的には、暗い感じの話ながら、登場人物が置かれた状況を受け入れ、呑み込んで前に進んでいるように感じるので好きな作品です。

  • 暗すぎる。

  • 表題作も好きですが、一緒に収められている『夜桜』もとても良い物語です。

  • 宮本輝は神戸に生まれ、その後生活の場が幾度か移っている。その中に私の故郷である富山があって、作品の舞台としても登場している。そんなことで親近感を覚え、これまで数多の作品と出合い、今も‘おつきあい’が続いている作家さん。

    「幻の光」のテーマは‘喪の仕事’、かな?愛する人を喪った人が、その死を受け入れ、自分の人生を取り戻して新しく生きはじめる、そのひとつの過程が描かれています。

    愛する人を喪った人は、別れなければならなかったその意味が納得できなければ、いつまでもひとつの別れから立ち直ることができないのかもしれません。「なぜ?」と問うべき相手がいない分、答えを見つける作業は難しい。でも、思いがけないところで、その答えらしきものに出くわす、あるいは自然と「ああ、そういうことか」と思わせられる。それが、のこされた人の再生の入口。

    けっしてきれいなばかりでいられない人間の、どろどろとマグマのように熱をもって奥底でうごめく業や性が、誇張なくストレートに描かれる作品集。表題作はじめ、収録作はどれもごくごく短い短篇ながら、読後感に重みあり。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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