サクリファイス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312613

感想・レビュー・書評

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  • 認知度の低いマイナーな自転車競技やロードバイクをテーマに、多くの読者の心を掴んでいることは評価したい。
    しかし、ページを読み進めるうちに感じる違和感は何だ?
    『すでにギヤはいちばんインナーに入っている』⇒2段しかないロードバイクのフロントギヤ。インナーに1番も2番もない。
    インターハイ男子に3,000mという種目はない。
    プロ選手にクロモリを乗らせる設定は?一定層に根強い人気があるからといって違和感しかない。クロモリと同じパイプの太さのアルミやカーボンフレームもあるし。
    ヘルメットの中は汗ダラダラになるけれど、脱ぎたくなる(競技中に)ことはない。競技規則や安全を促す上でも感心できない。ゴーグルではないし。
    チーム内での選手間の雰囲気も、それぞれの立場による葛藤を抱えながらも、冗談を言いつつ明るく楽しくが普通。
    マイナー競技あるあるで、他チームの選手を含めて選手全員が知り合いみたいなもん。メディアや関係者含む全員が良くも悪くも村社会を形成している。
    石尾の事故発生直後のコース逆走も、競技規則上有り得ないこと。ましてや監督が「戻ってこい」の指示はあり得ない。※逆走は規則で禁止事項。
    袴田がチカにボールを投げつけるシーンも、普通競技経験者は未経験者にそのような行為は絶対にやらない。
    エースとアシスト、レース展開や駆け引きなど筆者はそれなりに自転車競技を観戦していると思われる。だがJスポーツを見ただけに留まっていそう、と思われるような踏み込みの甘さと薄っぺらさ。
    最後まで読み終え、解説を読んで納得。
    「ロードレースをリアル観戦したこともなく、ロードバイクに乗ったこともありません」
    リアルな現場には深い人間ドラマがある。
    著者の筆力なら徹底した取材を重ねて頂ければ、それを描けると思う。期待はしておきたい。
    解説には「業界のプロが読んで感動できる、それほどのレベルの自転車小説」とあるが、常日頃スポットライトが当たることの無いマイナー競技に目を向けてくれた感謝だけ。お愛想を真に受けないでもらいたい。社交辞令しか言われていないのは、対象に踏み込めていない証明でもあるのだから。

  • 主人公以外のそれぞれの物語をもっと知りたい!

  • あんま覚えてない

  • 読んで損なし。

  • 自転車レースのお話。
    ようわからん世界の話だったけど、臨場感。

  • 自転車ロードレースの内容だというから数年前に買ってみたのだけれど。

    よくこんな物語つくれたな!!!

    最初に説明すると、主人公は自転車ロードレーサーで、チームのエースを勝たせるためにいるアシストの役割を担っている。

    ロードレースはチーム戦。一番速いエースとその他のアシストがいて、アシストはエースの風よけになる役、わざと無理に突っ走ってレース展開を撹乱する役、エースの自転車がトラブったら自分の自転車を差し出す役など様々ある。

    で、主人公はアシスト。

    まず、この主人公の性格がおかしい。

    自己主張をしない質で、自分はアシストでいる方が気楽でいいって思考です。実力はあるのに。
    そんな人、はじめから勝負の世界に身を投じないでしょ。

    さらにおかしい主人公の元カノ。
    記者をしている彼女は取材対象に恋をしてしまいます。
    その間、数ページ。
    どんだけ惚れっぽいんだよ!!!お前、取材の度に恋してるのかよ!しかもその恋人がどうしようもない小物。だめんず・うぉ~か~だよ。

    期待していたロードレースの緊迫した展開なんかほとんどなく、代わりに小賢しい人間ドラマと火サス的なミステリーと水たまりより浅い恋模様があるだけ。

    これが08年の本屋大賞で大藪春彦賞なのか〜。

  • 完成度が低い。ミステリー要素もあり、中途半端。

  • 陸上からロードレースに転向した男。プライドと悲劇の物語。

  • ロードレースを舞台にしたスポーツ小説。
    評価がいいから読んでみたけど,僕はあんまり面白く感じなかったな。
    話の展開で無理やりこじつけてる感があった。

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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