大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101314815

感想・レビュー・書評

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  • 題名に惹かれて購入しましたが、こんな話だと思わなかった。
    出てくる男女ともなんなん?って感じで少しイライラしました。

  • 短編が3つ入っています。
    全体的に若い恋愛。
    苦く、痛く、そういった現在だったり過去と対峙していくお話し。
    私はそんな世代を過ぎてしまったので、俯瞰して読んでしまいましたが、どんぴしゃな世代の子には刺さるのかな。
    でも島本作品としてはよくある話の流れと曖昧な話の展開で文章としては稚拙な感じがします。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“文壇レシピ”で登場。
    http://harajukubookcafe.com/archives/473


    本の中に登場するあの美味しそうな一品を
    実際に再現してみよう!というこのコーナー。

    第65回目に紹介されたのは、島本理生さんの「大きな熊が来る前に、おやすみ。」の中の「猫と君のとなり」に登場する『チーズケーキ』。

    ―「たしかに美味い。 チーズもだけど、底が立派なタルトじゃなくて、ビスケットみたいなのを砕いたやつなのがいい。実家のケーキぽいですね」

    「そうだね。母親が年に一回くらい作ってくれるケーキをうんと美味しくした感じ」

    「ははは。志摩先輩のお母さん、お菓子作り、下手なんですね」

    丁寧に折りたたまれたケーキの銀紙を見た時、食べ方がきれいな男の人っていいなあ、としみじみ感じた。
    そんなことを思っただけで、胸が温かくなってきて、私は自分が彼のことを好きになりかけていることに気付いた。




    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • ◎大きな熊が来る前に、おやすみ。
    ▲常に気持ちが重くて傷が痛い。最後まで生々しく痛む。

    ◎クロコダイルの午睡
    ○自分と全く違う価値観で受け入れられる関係になれたらいいなぁとうっすら希望を持っていたけど、最後救われない哀しみの行動。

    ◎猫と君のとなり
    ○終わりが清々しい始まりを見られたのと猫が大好きなので良い。

    3編とも背負ってきた傷がすごくて心が寄り添ってしまうと途方もなく苦しくなります。
    私は自分の傷を見て見ぬ振りせず癒したいけれど、人の傷ばかりみるのはしんどいので長編でこの先を読みたいです。

  • 安定した衣食住のなかに存在する男女間に、突如おとずれる不安。傷を持ち、さらなる暴力に傷つく前に心落ち着かせ、救いや癒しを求める主人公。その弱さのなかから立ち込める生命力が、この短編集を読んでいる内になんだか見えてくる気がした。リアルに感じられたのは、作品が共に都会に住む男女の密室劇だったからか。

  • ちょっとつらい話の多い恋愛小説の短編集。
    「クロコダイルの午睡」の救いようのない感じが、すごい不愉快でつらいんだけど、不本意ながら心に残ります。
    あとどの話も、ごはんがすごくおいしそう。

  • どうしようもなく悲しい。
    取り返しがつかない。
    私はそういった喪失の物語が好きみたいだ。

    ただ、最後の話(猫と君のとなり)はいけてない。
    三編では一番前向きな恋愛かもしれないけど、
    島本理生が描く男子にはあまりに静的すぎて
    現実感が乏しい変わった人間が多い気がする。
    特にそれが浮きだってしまってる感じがした。

    でもレビューを見ると、問題の荻原君の人気が高くて
    その意見の違いが面白かったりする。

  • 短編集。表紙のイメージと違って嫌な気分になる三作の短編。 『猫と君のとなり』の荻原のように自分も中学時代に好きやった先輩がいたので、荻原には少し感情移入出来た。他の登場人物には共感出来なかったけど、自分も同棲したらどう転ぶか分からんので少々心配にはなりました。外見だけでは分からん地雷(スイッチ?)が埋まってる可能性が有るので気をつけなければと感じたし、自分の中にも自分が気付かん地雷が埋まってる可能性もあるので怖くなった。 とりあえず自分はSなので、それがDVにならないようにだけは気をつけたい。

  • 作者のあとがきにもある通り、この作品は”生もと”である要素が強い。文学とかそういう言い方をすれば、この作品はその筋のものと言ってもいいだろう。DVと恋愛の要素を絡めた三篇で構成されている本作は、ドロドロとした重みがあった。表題作は何とも思わなかったが、二篇目の「クロコダイルの午睡」は非常に辛かった。主人公の苦労を知らないくせに、私は苦労してるんだという風や、物語の終わりへと向かう行動などは特に、漂う空気がどうも合わなかった。
    初期作のような重い空気が漂っていても終わりは爽やかで全体的に明るい物語は、もう見ることはないのだろうかと思うと少々残念に思う。

  • あー、見たことある表紙やな〜と思いつつ図書館から借りてくる。
    読書ノートをみたら2007年に1回読んでたよ。やっぱり。
    まぁいいかぁと思いながら再読したけど、2作目の『クロコダイルの午睡』しか記憶になかった……。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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