びっくり先進国ドイツ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101322322

感想・レビュー・書評

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  • ドイツについて知りたくて読書。

    唯一行ったことがある欧州はドイツで、しかもフランクフルトのみ。現地に10年以上住む日本人に聞くと住みやすくて帰国する氣はないという。同じ感想をアメリカでも耳にする。中国では同じことを言う日本人は皆無。このあたりが違いなんだとしみじみ感じる。

    ドイツは、元トリンプ社長の吉越 浩一郎氏の本で働き方に興味を持っている。労働組合が強すぎて経済成長の足かせになっているというレポートも読んだことがある。それでも、日本はドイツにもっと学ぶ点があると感じた。

    日本は景気が上向いてきたら派遣労働者や契約社員を減らす政策を採らないと今の韓国のような悲惨な状況になってしまうと危機感を覚える。

    ドイツ歴が長い著者のドイツと日本の文化比較的な要素が面白い。また、挿入されている絵も著者の手によるものだと知り驚く。関係ないがまた絵を学びたくなった。

    ドイツ人が実はせっかちで並ぶことが嫌いなことは初めて知った。待ち時間が惜しいから床屋も予約制らしく、思い出すとフランクフルトの街中で列を見たけたのは空港のカウンターくらいだった。ドイツをもっと知りたくなる1冊。

    読書時間:約1時間25分

  • 素晴らしきドイツ記

  • ドイツ・ミュンヘン滞在十数年のジャーナリストによる、2000年台前半、ユーロ導入から数年後のドイツ事情。2003年頃のドイツは、今とは違って景気がだいぶ悪かったらしい。また、年収は日本よりかなり低く、その上税金や社会保険料が高いので、可処分所得はかなり低いのだとか。慎ましい生活、ただし、その分労働時間は短く、日本と比べて豊かな面も多々ある。10年後、EUで一人勝ち状態の現在のドイツでは状況はどうなのだろうか。
    個人主義の国、不平不満をストレートに口にし、相手が感情を害そうがお構いなしのドイツ人。自己主張が強いゆえに、離婚率もかなり高い。この為人口が減少し、移民受け入れに積極的。残業はせず、職場への忠誠心のようなものはなく、ドライな雇用関係。ドイツ人にとって人生で一番大切なのは休暇取得、と著者が言い切っているのも凄い。社会保障が充実した「社会的市場経済」の国。過度な競争から市民や労働者を守る社会的セーフティネット。労働者の権利が守られ、組合の力がとても強い国。う~ん。何と経営者泣かせの風土・制度なんだろう。この国の産業は何故強いのかな。国の財政も破綻しないのだろうか??

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。
著書に『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』『ドイツ人はなぜ、年「290万円」でも生活が豊かなのか』(ともに小社刊)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SB新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」』(NHK出版新書)など多数。『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞。

「2023年 『ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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