真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)
- 新潮社 (2007年6月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101322513
感想・レビュー・書評
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ちょっとした言い回しや表現が面白くて全体的に読みやすかった。
一卵性双生児のかすみは最初、主人公に好意を寄せてると思ったけど、思いもよらない展開ですぐに読み終えて次の日にはside-Bを読んでました。友人が電話で告げた10年前の恋人事故死の「”いい時期”に死んだ」の謎解きが最後までなかったのがちょっと気になったくらい。(もしかしたら謎解きに気付かなかっただけかもしれない)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男にとって、女性を慰めるのと、口説くのとの間に大きな違いはない。猿と人くらいの違いしかない。
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とてもよかった。
読んでる時のリズムがとても心地よく
フィットする感じ。
前編としてのまとまりもとてもよくて、
後半にすぐに読み急ぎたくなりました。 -
複雑に色々な話が込み入っているはずなのに、すっきり。この先は色々どうなるの?
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メインストーリーと、サイドの関係がわからないっていう友達もいた。
うん、まあ確かになんだけど、主人公の性格や日常に近づいてる感覚なのかな、個人的には違和感はなかった。
読み終わった後に現実世界にうわって帰ってくる感じがあって、こんなに引き込まれてたんだーって感じた。
この作家の書く主人公の、自分の状況や感情をすごい冷静に客観的に見る性格が、サイドの話からより伝わるんじゃないかと思った。
このあとにもう一度、短編集とか読み返すとおもしろそう。
「需要なんてどこにもない。供給だけはいくらだってある。それじゃバランスが取れないから、仕方無しに価値をつけたんだ。価値をつけることによって、ありもしない需要を無理やり作り出した」 -
主人公は実はとても人間らしい性格なんだと思った。
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バッドエンドなのかハッピーエンドなのか解らない小説が好きだと言ったら、高校の先生が貸してくれました。読み終わった後ほんのりお腹がいたくなっていました、でもそれが心地が良かったです。
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side-Bにも期待。
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恋人を交通事故で無くした主人公の物語。一言でいうと、こんな感じだろう。その主人公の自我を探検する物語ともいえる。
上巻にあたる side-A では、新しい恋人によって自我を覗き込むことがでいるまでを描くのであるが、なんか単なる恋愛小説っぽいのが少し空々しく感じる。主人公がモテ過ぎるから乗り切れないんだろう。読み手の僻みだな。
本作をミステリーと分類したのは、新しい恋人が謎だってこと。下巻で明らかになる、一卵性双生児のミステリーって意味。そこがメインストーリーになっているので仕方がないが、その謎って必要だったのかなぁ。 -
初めて読んだ本多孝好さんの著書で、数回目の再読をした。
主人公は超然としているようで
とても人間臭く感じられる。
本多さんの作品に多いと思うけど、
よく考えなくても当たり前のことを描くが、煙の巻き方が秀逸である。
どこかにこんな実話があってもおかしくないかもって、頭のどこかでそう思わさせれる。
なぜ本多さんの作品を好きになったのか、再認識した。
あまりないが、小金井さんや野毛さんと主人公の絡みが面白い。
「砂漠で毛布を売るんだよ」(本文より)