- Amazon.co.jp ・本 (591ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101323213
感想・レビュー・書評
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この作家の他作品はあまり好みではなかったので、意外感込みで星四つ。
妙な怪談系の話ではなく、ある意味王道を行く好著。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大正中期、四国のさびれた漁村に異国船が現れた。異人に惹かれる海女のりんと彼女を好きな幼なじみの健士郎。乱獲の末に獲れなくなったはずの桃色珊瑚が異人によって発見された。欲にとりつかれた若者たちが暴走し始める。古い迷信がまだ伝え残っていた時代。
若者たちの激しやすい感情がうまく書けている。欲にとりつかれたり嫉妬に気が狂いそうになったり。言い伝えに翻弄されて生きたり死んだり。それでも時が過ぎれば、また同じように生きていく。 -
怪奇や伝奇とあったけれど・・・それより怖い人間が生み出す嫉妬や欲望が渦巻く惨劇だった。
心の闇に付け込まれ平常でいられない様はとても醜く、残酷であればあるほどに人間らしい(!)人間模様は迫力があり、読んでいて本当に恐ろしいけど面白かった! -
切ない。恋人をおって行った主人公は、桃色浄土にたどり着けたのだろうか。
人間てひとすじなわではいかないな、どうしようもないな、と思いつつなぜかそんなふがいない自分たちにあきらめだけじゃなく愛着がわきます。 -
坂東マサコの本は部屋においておくのが怖い。
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四国の村社会。地域性は大江と重なる。ただ者じゃないと思っていたが、本当にただ者じゃなかった。性のオドロしい部分はこの人の得意技?