そこに日本人がいた!―海を渡ったご先祖様たち (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101324814

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代から幕末、明治、大正と島国日本から飛び出して、世界各地へ飛んでいった最初の日本人たちのノンフィクション。
    現在のような情報通信手段がない中で、一旗上げようと地球の裏側へ行った者など。雄飛という言葉がまさしく。言葉も文化も何も分からず、とりあえず行ってみるべ精神。日本人にもフロンティア精神は備わっていたんだな。
    ちょんまげ頭に和装姿で大小の太刀を腰に差し、ラクダに乗ってエジプトへ。果てしなくシュールな絵面だ。
    こういうご先祖様達を見ると、大抵の悩みごとなんてひどく小さく感じるね。
    良書でした。

  • 最初期に海外渡航をはたした日本人たちの物語。
    素材の時点で面白い。

  • 記録が残っているだけでも、
    戦国の世から海外に行った日本人がいるのには驚きです!
    しかし・・・思った以上に女性が多い。

  • 最近では「世界のこんなところに、なぜか日本人がいたよ」みたいなテレビ番組がありますが、それの歴史版とでも申せませうか。

    明治時代に南アに渡つた古谷駒平さんを始め、日本人が外国へ渡つた記録が詳細に記されてゐます。ただ渡航しただけではなく、その国へ日本人として始めて足を踏み入れた人たちを特集してゐるのです。
    つまり現在の日本人が海外渡航するのとは全く意味が違ふ「洋行」で、パイオニアたちの活躍をとりあげてをります。

    22編も収録されてゐるので、それぞれの内容はまことにコムパクトに纏つてゐます。気になるエピソオドがあれば、巻末の「参考文献」を頼りに、自分でさらに調べてみるのも良いでせう。

    それにしても、現代のやうに情報が充実してゐたわけでもない時代に、日本人が誰もゐない土地へ飛び出すといふのは、どういふ料簡なんですかね。病気になつたりしたら本当に不安だらうなあ。
    いや、わたくしがこの暑さにやられて、体調を崩して寝込んでゐるのですが、自宅でさへ不安な思ひで寝てゐるといふのに。

    なので、一つひとつコメントしたいところですが、その元気がないので薬を飲んで寝ます。
    ごめんください。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-106.html

  • 今でこそ、300万人を超えると言われる海外在住日本人。
    その昔、外国語なんて聞いたこともない。飛行機なんか夢でも見たことがない時代に、海外にわたった日本人たちがいた。
    本書は海外20都市以上に移り住んだ日本人第一号を追いかけます。「なぜ、その土地にわたり住んだのか。」「その土地での生活はどんなものだったのか。」
    夢やロマンだけでもなく、恋だけでもない。ましてや涙なんて見せたくない。そんな当時の気骨な日本人たちの物語が凝縮されている一冊。

  • 2011年2月24日読み始め 2011年2月26日読了。
    歴史には出てこないけど、海外に進出して足跡を残した幕末、明治の日本人についてのノンフィクションです。
    こんなに様々な国に、しかも100年以上前に日本人がいたのか!と驚きます。そんなに史料も残っていない人たちを追いかけた作者の苦労も大変だと思います。
    しかし、ちょっと文章が固いというか…著者は報道部記者の経験があるようなので、多少読み物的面白さは欠ける部分はあります。ひとつひとつのエピソードは短いので、気になるところだけ読んでもいいかと思います。

  • 現存する記録から、世界各地に渡った日本人(最初にその国に定住した人)を紹介していく。

    開国後の幕末~明治の人が多いものの、戦国時代などの記録もある。

    特に興味深かったのは、南アフリカに明治半ばに移住した商人、マダガスカルに明治に移住した商人、それから明治の初めに修理の為長崎に寄港した外国船に誤って取り残されて世界中を回り、ニュージーランドに住む事にした少年など。

  • ・世界中に散らばったファーストジャパニーズを追いかけた一冊。18世紀のあの頃に既に日本人が?というロマンに溢れた一冊。
    ・アフリカ大陸の果てにまで、明治中期には既に日本人娼婦が渡っていた事に驚く。娘子軍と呼ばれるからゆきさんたちの逞しさよ。
    ・幕末期以降のものが多いのだけど、沢山の日本人がヨーロッパやアメリカに漂流して辿り着いている事から考えると、記録がないだけでもっと遥かに昔から世界各地に日本人の姿はあったはず。ロマンを掻き立てられる。
    ・明治のこの頃、貧しかった日本は単純労働だけを頼りに海外へ出ていた。だがその志や誇りは現代の海外留学・赴任者に決して劣らないと筆者はあとがきに言う。海外へ出るのが目的ではなく、出てなにをするかだ。納得である。

  • この手の話はドラマとかだといつもウソくさく感じられるが、こうしたノンフィクションを読むと、素直に感動と興味をおぼえて幸せな気分になる。

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