だんだんあなたが遠くなる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101334301

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物3人は皆良い人。
    良い人だからこそ、狂い始めた歯車は人を苦しませるのだと思う。

    萩の選択が正しかったかなんて、答えはない。
    ただ自分がそうしたかったから、それだけ。

    小説の中なら萩の決断は潔くていじらしくてかっこいい。
    けど現実にそれをしたら「いい人」から抜け出せず「女の幸せ」が遠のく気がする。
    そうすると、いづみの生き方が賢く見えてくる。


    移動中に一気に読み終えた。
    結末はなんとなくよめていたのに切なくて泣いてしまった。

  • 仕事も恋も全て捨てて、始まった毎日。新しい恋人との暮らしに現れる刺客『友達』。ほんの少しのきっかけで変化する日々。気付かずにいたら平和だったのかもしれない。だが、全て手遅れ。恋と友情に揺れ、自らと向き合う彼女が、世界で一番美しく儚い。
    「口にしたら、本当になってしまそうで。」

  • バカな生き方を知らない人生なんて送りたくない

  • 恋人と友人の距離が縮まっていくのを横目で見ることの辛さを味わうことができる。恋愛の難しさを痛感する本。

  • 何も持たない生き方をしていた萩。
    欲しいものがあると辛いから、遠ざけて暮らすこと。すごく、分かる。
    シンプルな生活の中で、大切なことが磨かれていく。
    お仕事や、恋人のこと、親友のこと。

    自分の幸せよりも、誰かの幸せを一番に考えられる萩。
    私も、そうなりたい。

  • 自分の彼が、自分の親友を好きになってしまった、というお話。よくある内容だと思いきや、その臨場感と切なさが壮絶でとてもつらいです。一気読みしました。

  • なーんか、切ないお話でした。

    何もかもを捨てて再スタートした萩は自分のこと逃げたって言ってたけど、逃げたことで成長してるし、弱いかもしれないけどけど芯が強い女性だなぁって思いました。
    すべてを投げ出すって勇気のいる行動だからね。

    親友のいづみと大好きな要司のために身を引ける萩は大人だなって思った。
    次に出会う男性とは幸せになって欲しいな。

    そして、巻末のレビューがまたおもしろい。必読です。

  • (大好きだから振ってあげる)恋人が自分の親友を好きになってしまったら....考えるだけで恐ろしいです。まったくの他人であれば私も萩と同じでプライドをとって自ら別れを切り出すと思います。でも 親友なら.....
    主人公 萩の恋人との別れ 新しい生活への第一歩。失恋ストーリーだけど 元気が出る、勇気をもらえる。 素敵なお話です。

  • 恋愛小説の中、現在、自分の中ではトップです。

  • 前の日記より

    アメリカもってったやつのうちの一冊。読まなかったんやけどね、向こうでは。これ選んだのは、まぁ本屋ぶらつくのは結構好きで、行く前に丸善行ったとき、偶然”雨心中”さらっと最初の方読んで、まぁなんかおもろそうやなあと思って、別に日に単行本探したけどなくて、同じ作者のこれにした、という流れ。
    ちなみに今は恩田陸の”夜のピクニック”読んでます。これ発想がいいね。何年か前の本屋対象作品。映像化もされてるみたいだね。

    さて。この作品。
    以降ネタばれ注意。

    まぁ簡単にいえば
    過去の辛い恋から立ち直り(逃げて?)、新しい場所で新しい仕事と新しい彼氏と一緒に過ごし出した女性が主役。で、過去の自分も知る女友達と久しぶりに会い、彼女が来月結婚すること、それから既に妊娠していることを知る。
    けれども結婚というのは嘘で、相手からは手切れ金ももらっていた、と。主役とその彼氏は、彼女を全力でサポート。彼女は立ち直っていくが、同時に、彼が彼女のことを好きになっていくことに気づく。で、彼が好きだから、彼と別れてあげることになって終わり。

    という小説。
    すみません、最後、なんかえらい、は?みたいな感じですが、まぁもう少し色々彼女の気持ちとか、小説読めば書いてますので、もう少し自然に別れる、につながると思います。

    さて。
    思ったこと。

    テンプレw

    さて。もう少しストーリーを細かく言います。
    最初の辛い恋、というのですが、主役の女はオフィス街でかつて働いていて、その時いた彼氏と結婚がもう決まっていたようなものだったのだが、その彼氏が上司の娘との結婚話が出て、彼女は蹴ったって言う話ね。
    さて、彼女の友達のお話。
    友達さんの彼は、既に家庭持ちの人だったわけです。で、既に前にも子供が一度できていて、それはおろしたけど、もう二度とおろしたくない、みたいな女性と、手切れ金+子供をおろす費用として男の方は100万渡していた、と。
    ちなみに主役の彼氏さんですが、とてもいい人ですw 俺が彼女だったらとりあえず逃がしませんと危険な発言をしてみたりw

    さて。
    何がテンプレか。
    いや、これはこの小説自体を批判してるんじゃなく、この不倫も含めた恋愛小説というのは、必ずと言っていいほど、主役の女友達(主役が男か女かは別にどちらでもいい)は、不倫の災にあい、そして主役、もしくは主役の恋人のいずれかもしくは両方もまた、不倫をしてしまう、ということ。まぁそれであれこれ考えて、クライマックスに至る、と。

    ああ、あとね、小説書くの好きな人がもしいれば、ちょっとした別の視点からみた恋愛小説のテンプレを紹介。
    一昔前はさ、まぁこれ永遠のテーマというかテンプレなのかしらんけど、
    出会う⇒恋⇒どっちか病気⇒死ぬ⇒かなしー
    っていうのがまぁ流行ったじゃん。そんなのがさ、たとえば、明治・大正頃だと
    出会う⇒恋(に落ちたと互いに気づきつつも近づけない)⇒男が地元を去る⇒地元に帰ってきたとき、あるいは帰ってくる前に地元にいる女性が死ぬ⇒かなしー
    みたいなテンプレも流行ってましたが
    最近の俺の読んでる女性作家の恋愛小説でね、一つ見つけたよ。
    当たり前と言わればそうだけど、恋愛小説って、あれやね、二組以上は恋愛話が織り交ぜられてるよね。主人公の恋だけっていうのは珍しくない?
    つまり、小説書くときに二つの恋話を思いついておいて、それを比較させつつ、主人公の恋に全部集約していくっていう流れ?これは小説書くときに、結構覚えておいたら役立つんじゃないんかな、多分。
    さっき言ってた不倫の話もだけど、結局第三者の不倫を外から見てた主役が、いつの間にやら不倫の渦中に入っているってね。これも二つの恋話が主役のに集約されていく一つの形だったわけで。


    さて。
    まぁこの小説、何がお勧めってね、解説w 解説がおもしろかったwww
    恐らく男が読んだら、全くその通りって思うことが多かったりするかと。もちろん、全部が全部正しいとは思わんけど、この人、ぶっちゃけすぎw 女性読んだら・・・まぁ、いいんじゃない?笑
    多分新潮文庫だった気がする。違ったらごめん。

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