かたみ歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101337715

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった後、なんだか暖かい気持ちになりました。

    「ひかり猫」という話に、一番心を打たれました。

    世の中には、寂しい思いをしているものが、たくさんいる。
    動物だって、人間だって、みんな、どこかで寂しさを抱えて生きている・・・。

    深く、暗い闇の中に落ちてしまった者を救い、そして、その隣で、自分も癒される・・・。

    誰かを支えることができる。愛することができる。
    どんな人にだって、平等にその力は与えられていると思う。

    人間は闇にも、光にもなれるということを忘れてはいけないと思った小説でした。

  • アカシア商店街を舞台に、7篇の「死」が綴られる。強盗殺人、神隠し、神風特攻、無理心中、動物(猫)霊、死神、そして死者の使い。恐ろしくて哀しくて切ないのに、温もりと優しさを感じる世界が描かれている。そして、最終篇での感動の謎解きにより、7篇の「死」が見事にリンクした。降参。

  • 雰囲気がとても好き。
    商店街の人々がとても暖かくてホッとします
    朱鷺色の兆が好きです。

  • ようやっと読了。並行して何冊も読んでたので数ヶ月かかった…

    以前、短編テレビドラマに収録作品の「栞の恋」が原案として使われており、ハナシの内容がとても気に入ったので読むことにしたのですが、個々の作品は独立してるのではなく繋がっていました。最終話で謎だった古本屋の主人の正体が判明するのですが、ホラーとファンタジーが上手く融合した独特の雰囲気で引き込まれました。

    作品ごとに異なる文体も、どれも非常に読みやすい日本語で、情景がありありと浮かんできます。難解な言い回しや独りよがりな表現は皆無で、それゆえこれといった個性は感じないのですが、極力アタマを使わなくていいのでこれはこれでエンターテイメントとして良質だなァと思いました。とくに読書しない若い人たちにはもってこいなのではないでしょうか。

  • 昭和レトロな雰囲気が好きな人におすすめな抒情ホラー

  • 今の時代にはない温もりのあるアカシア商店街の人間関係に和みます。生きる者死ぬ者を優しく包み込み記録されたアナログレコードのような小説でした。「栞の恋」が好きです。

  • ある商店街の周りに住む人達に起こる死にまつわる不思議な話の連作集。
    死んだ人との交流、死神らしき人物、死の兆候を身につける人など、言葉で書くとおどろおどろしいのだが、ほんわりとした暖かさを感じる作品が多い。
    最後の一遍は狂言回しの役割を担っていた人物の過去との邂逅と未来への希望。
    しんみりと暖かくなってページを閉じた。
    小品ながらも心をふわっと撫でてくれるような、こういう作品は好きです。

  • 本来なら怖いはずの超常現象が、とても身近に、親しみを持って受け止められる。
    昭和歌謡やフォークソングやらの話題がちらほらと。実に違和感なく。

  • 栞の恋がよかった。

  • 目新しさは無いけど、安定の安心感がある。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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