ぬるい眠り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.38
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本棚登録 : 7025
感想 : 591
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

感想・レビュー・書評

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  • ラブ・ミー・テンダー
    ぬるい眠り
    災難の顛末
    とろとろ
    奇妙な場所
    がとくにおもしろくて好きだった。

    心がいっぱいいっぱいになるときの気持ちがとてもよくわかる。物語が現実の気持ちを和らげてくれる。世の中になじめないことがこの世の終わりなんかではないといつも感じさせてくれます。

  • 3.8

    読みたかった温度感のお話ばかりで
    ちょうどよかった。

    夏場の夕方昼寝から目が覚めた
    あのぬるい空気感の感覚のそれ。

    きらきらひかるの続編もあったけど、
    ちょっと期間が空いたので忘れ気味だった。
    また読んでみようかな。

  • 江國さんの本はさほど読んだことがありません。
    だからこの短編もレビューを書いてよいか判断しがたいのですが、ほとんどの短編が女性ならではの作品だという印象です。

    特に「とろとろ」は個人的にツボにはまりました。
    「誰かを好きになると、膨大な量の甘い言葉が必要になる。
     ・・・(中略)
     誰かを好きになりすぎて、
     ほんとうにあまりにも好きになりすぎて、
     自分のバランスがくずれるのが怖くて、
     壊れそうでどうしようもなく怖くて、
     日々なんとかバランスを保つ」

    バランスを取る手段は人それぞれだけど、この気持ちはこの言葉でしか表現しえないのではないかと思い意に反して泣きました。
    マイノリティな感情なのかもしれませんが。

    「夜と妻と洗剤」も好きです。

    ありふれた日常の裏には様々なドラマがあって、自分の人生もそんな沢山あるドラマの1つなのかなーと感じさせてくれる短編集です。

  • 2022.09.08再読
    江國香織の描く女をずっと愛することは多分なくて、
    その都度新しい気持ちでそわそわしながら読んでいる
    珍しく全部好きな短編
    「その言葉は私の耳元で、夏の日のカスタードみたいに甘く崩れた」
    10代の頃から夏になると繰り返し思い出す一節!

  • 短編集。
    なんか自分の経験に重なるところがある気がするなあという話があった。

  • 長めだったり短めだったりする話が9つ入った短編集。

    江國さんの小説は、登場人物がどこか一風変わっている。
    そんな人いないだろう〜と思って読み始めても、読み終わる頃には、「どこかにいそうだ」と思えてくるから不思議。
    短編は特に その登場人物たちの話の続きをもっと読みたくなる。

    「きらきらひかる」の続編は、本編を読んでなくても短編として楽しめた。

  • 人生は愉しむためにあるのだし、相手が男であれ女であれ、会いたいと思ったときに会いたいし、そのときにしか行かれない場所、見られないもの、のめない酒、起こらないこと、がある。(本文より)

  • もう10回以上は読んだ
    「きらきらひかる」
    の10年後が描かれたという短編が読みたくて。


    江國香織さんの本を読むと、
    彼女みたいな文章が書きたくて仕方なくなります。

  • 読むの何度目だろう。お気に入りの短編集。
    江國さんの小説で好きな文章を抜粋しようと思ってもできない。多すぎて。

    『ラブ・ミー・テンダー』『災難の顛末』が好き。かなり好き。笑

  • 「嫉妬にしばられてがんじがらめになるのは自分なのだ。」
    「人間はみんな、そこに向かって生きているわけだから」

    そこ、は想像に難くないとは思う。
    この「ぬるい眠り」のいくつかある短篇の中でも「清水夫妻」に衝撃を受けた。

    私は知っている人でも知らない人でも、誰かが死んだということがすごく悲しくて。
    まだ20歳前半なのに、お葬式に行く回数が多くて。

    誰かが死ぬのはいやだ、と思ってしまう。
    朝のニュースや何かに敏感で、通勤電車の中で泣けてきてしまう。
    子どもだなぁ、ガキだなぁと思うけど、止められないんだ。
    大事な人を何人も亡くしたからだと思う。
    出来ればお葬式も行きたくない、のに、お葬式に行くのが趣味の夫婦って。。

    無理だ、理解できない。

    でも、衝撃だった。

    私の知らない世界、行き着くことの出来ない世界かもしれないけど。
    行き着きたくないのかもしれないけど、
    純粋にそんな世界がもしかしたらあるのかもしれない

    と思ってしまった。

    でもやっぱり、人が死ぬのはいやだ。
    殺人も事故も、病気もいやだ。

    知ってる人はもちろんいやだと思っていたけど、
    知らない人もいやです。
    人は、動物は死ぬんだって分かっているけど。死なない人はいないんだってことも、知っているはずなんだけど。
    純粋な死をまだ理解出来ていないのかな。。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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