百鬼園随筆 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101356310

感想・レビュー・書評

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  • 百鬼園予報。
    つづいて狐狸は、非常にまめ、ところにより凡夫、ところなく借金するでしょう。

  • 百閒の随筆も小説も割と面白く読むほうなのだけれど、今回は百閒の気難しさがなんだか読んでいて辛かった。大人のわがままだから読み物として成立しているのだけれど、でも、わがままを表明する辛さみたいなことを思ってしまう。機嫌良くできる方が人生楽しいから。

    機嫌悪い系以外の話は楽しく読めた。鋭かったりふわっとしていたり、その独特な鋭い感性が、さすがこなれない性格なだけあってばんばんに発揮されている。

    清潭先生の脚がピンピンする話と、お祖母さんに「髭をむしってしまうぞ」と罵られる話が可笑しくてよかった。借金の話はみな怖い。

  • ついに読み終わってしまった。いつまでも読んでいたい位、面白い。
    この文章、とっても面白い。ツッコミを入れながら読みました。
    しかし、なぜこんなに金欠なのでしょう?金策に走る姿まで面白い(?)話でした。
    どれも面白いですが、面白すぎて眠れなくなってしまった『居眠』がオススメ。

  • 夏目漱石へのオマージュ。

  • 夏目漱石の門弟・内田百閒の随筆集。

    淡々とした描写の中に妙な味のある、百鬼園先生の日常が綴られてます。
    芥川龍之介による装丁もステキ。

    しかしこの先生、かなりの変人(注:褒め言葉)。
    借金を正当化する思索はすごいんだか馬鹿馬鹿しいんだか。ちょっと笑ってしまうくらい、おかしい。
    一本筋の通ったわけわからんオッサンです。

    途中の小説仕立ての借金譚(百鬼園先生は借金まみれ)は少し退屈だけど、素晴らしき「自分ルール」ワールドが味わえます。

  • 三島由紀夫が内田百閒の文章を絶賛したそうな。もうめちゃ名文だと。
    日本語の名文の特徴としては「百鬼園先生言行録」なんかよくあてはまるんじゃないかと思った。卵の殻を捨てるという行為を説明するかと思いきや偽卵の話になり、鳥は本来みずからの卵を食べるという眉唾な話やらパチンコやらといった寄り道が出て、最終的に隣のニワトリが百鬼園先生の三つ葉をぜんぶ食べてしまったという逸話に集約していく。
    まるでいくつもの支流がやがて大きい川になっていくみたいに。
    ずいぶん味のある文章だと思ったな。

    「ああ言えばこう言う」がずば抜けてうまい、頑固そうな人。
    でもどっかしら可愛いね、好意をもってしまう。

    「遠洋漁業」「居睡」はちょうどお酒飲みながら読んでたけど、なんかげらげら笑ったような気がするな。それはそれで素敵だった。

  • 13/06/09、一箱古本市で購入。

  • 面白い人だなあと思った!

    作品から本人の面白さがにじみ出てるような感じ。
    小説を読んで、どこまで本人が意図して表現してきたのか考えると深い。

    「間抜けの実在に関する文献」無恒債者無恒心」がお気に入り

  • いいですねえ、内田百閒。
    随筆と謳つてゐますが、創作集として読みました。実話が元になつてゐるだらうと思ふものの、第一級の小説作品だと感じてをります。
    冒頭の「短章二十二篇」が素晴しい。単に我儘で自己中心的な人物には書けぬ逸品と申せませう。研ぎ澄まされた五感を遺憾なく駆使し、読者にご馳走を提供してゐます。
    「ヨーヨー」に「揺揺」なる漢字があるとは知りませんでしたな。ふふ。

    「貧乏五色揚」では、専ら借金の話であります。この人の金銭感覚はわたくし共凡人とはかけ離れてゐるため、周囲が通俗的な助言をしても一向に改善の兆しは見られません。
    さういへば『阿房列車』でも、無用の汽車旅をするために、わざわざ借金の申し込みをしてゐました。

    「七草雑炊」の作品群では、作者のユウモワセンスが炸裂してゐます。これらの作品群を読んで、クスリともしない人がゐるなら、残念な人と申せませう。わたくしは声を出して笑つてしまつた。
    本心よりお勧めの一冊と述べることにします。
    惜しむらくは、本来の表記(いはゆる歴史的仮名遣ひ)で収録されてゐる旺文社文庫版が好いのですが、中中入手が容易ではないので、新表記の新潮文庫版をあげときます。ちよつと口惜しい。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-97.html

  • これを読んでからぜひ内田百閒のアンサイクロペディアを読んで欲しい。

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