青年のための読書クラブ (新潮文庫)

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著者 : 桜庭一樹
  • 新潮社 (2011年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101356815

青年のための読書クラブ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 由緒あるお嬢さま学園、聖マリアナ学園の1969年から2019年の裏事件簿。
    学園の王子の恋愛事件
    学園創始者の秘密
    バブル期の波乱
    現代っこの二面性
    学園の終焉

    山岸涼子?吉田秋生?野ばら?ヅカ?な世界に戸惑う導入。
    このまま行くのはけっこうツライかも、と読み進めると、二章目のミステリから勢いついて、三章目でガラリと印象が変わる。
    すっかりのまれた四、五章目。
    最後にはクラブに入ってないことが悔やまれるほど。
    「いつの時代も、我々のような種類の者は存在する。若者は悲しく、回り道をぐるぐると雄々しく生きてゆく。なるほど、我々はかほどに老いたが、明日には常に誰かのーつまりは貴方の、輝く未来である。おぉ、それで十分ではないか?それがつまりは、生きたということではないか?」

    「うつくしいものにこそ至上の価値があるとする、閉ざされた乙女の価値観の楽園」は十代のこの時期、今でも多分存在する。
    残酷な世界。
    すごく狭い学園の話だけれど、その時代を切り取る事件の数々が皮肉でグサリと刺さる。
    アウトローな読者クラブの面々の密かな活躍に小さく喝采。

    「シラノ・ド・ベルジュラック」
    「哲学的福音南瓜書」
    「マクベス」
    「緋文字」
    「紅はこべ」
    それぞれの本との一体感もよかった。
    やっぱりベルジュラックはせつない。
    美貌か詩情か。永遠のテーマかも?

  • 東京山の手にある聖マリアナ学園。幼稚舎から高等部までは同じ敷地内にある同じ学び舎に通う。生徒には政治家の娘や子爵の血を引く良家の子女が多く、清楚な彼女たちはクリーム色の制服をまとい、たおやかな様子。

    と、いかにもな設定で始まるのだが、良い意味で予想し得ない方向へ…。

    居場所を見つけられずにいた下町育ちの転入生が、ある人物の指導を受けて学園の「王子」に変身したり

    創始者マリアナの秘密に迫ったり、

    時代の移ろいと共に成金の娘たちが学園に増殖し、権威が揺らいだり

    大人しい赤面症の娘が突然ロックバンド「人体模型の夜」を結成したり

    謎に包まれた「ブーゲンビリアの君」に恋い焦がれたり

    桜庭作品で一番好きかもしれない。
    この悪ふざけ、良い!

    また、うろ覚えの「シラノ・ド・ベルジュラック」や「マクベス」、未読の「緋文字」、「紅はこべ」など古典名作が命を吹き込まれて鮮やかな存在感。

    我が母校にも後輩から熱い視線を浴びてアイドル化している子、いたなぁ。長身でスポーツ万能、ボーイッシュな王子様。皆が創り上げるイメージとは違って、本人は普通に可愛い乙女だったりしたみたいだけど。

  • 少女たちの外見的醜さや浅はかさ・あざとさの書きこまれ方が、悪意をも感じるような描写が多かった。
    もっと大人になった女性を描くならこのような表現も多いと思うけど、大人が少女を描くときは多少なりとも思い出を美化して、実際よりも美しく書くことの方が多いと思っていた。
    作者は自分の少女時代をどのように振り返るのだろうか、気になった。
    作者にとっての少女時代はキラキラした瑞々しい思い出ではなかったのだろうかと思ってしまう。

    内容は、描写に暗い影を感じながらも面白く読めた。
    烏丸紅子の話は、俗世から得体のしれない女子高に踏み入れるストーリーで、読んでいて紅子とともに学校の空気や異常性を体感することができた。
    読書クラブという異形の巣窟は、読書好きなら共感できる部分も多く、サクセスストーリーのように進んでいく前半は読んでいて小気味よかった。

    学校が継続した100年間の歴史の影に読書クラブあり。
    過去と現在がつながるラストも、ある意味ロマンチックだったと思う。

  • タイトルには青年とあるけれど、物語の舞台は由緒正しい女学校。(まあ青年には広義で女子も含みますし、読み終わるとなんとなく青年とした意味がわかる気はしますが)。その聖マリアナ学園の読書クラブ部誌に、1969、1960、1990、2009、2019年に起こった出来事がそれぞれの時代の部員によって記録されているという体裁。

    いかにも女子高らしく、毎年「王子」を選ぶイベントがあったり、かと思えば生徒会、演劇部、新聞部などが乙女らしからぬ政治的な活動(あくまで学内の勢力争いですが)をしていたり、リアリティとフィクションのバランスの取り方が上手いので、最後まで面白く読めました。

    個人的に好きだったのは2章の「聖女マリアナ消失事件」。学園の創立者である修道女マリアナの過去から失踪にいたるまでのお話なのですが、これが妙に泣けました。

  • もう少し若いときに読めばよかったかも。
    読書クラブという少女たちの園に纏わる手記の形をとった短編集でした。
    誰が書いているかは予想つきやすいんですが。

    なかでは『シラノドベルジュラック』が特に気になりました。
    演劇のモチーフが多くて楽しめました。

  • 桜庭作品で一番好きと言っても過言ではない作品。
    短編連作であるため、1作読むのも苦労はしないし最終的に伏線が回収されて全ての短編が繋がるようなところも素敵だ。
    ブーケンビリアの君とか、ちょっと憧れるし。

  • カンバセ。出ました出ました。

  • あるお嬢様学校のお話し。
    歴代、歴代と、学校を騒がせるスターの様な人たちが何気に繋がっている。

    最初は面白いが、中盤からだれてくる。

    引用で用いていた、シェイクスピアのマクベスが読みたくなった。

  • 背景や状況が面白くて、夢中で読みました。

  • 今まで読んだことのないタイプの話で新鮮だった!キャラクターの話し方があまり好きではなかったけど…。
    装丁がすてき♪

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青年のための読書クラブ (新潮文庫)の作品紹介

伝統あるお嬢様学校「聖マリアナ学園」。転入生・烏丸紅子は中性的な美貌で一躍、学園のスターとなる。その裏には異端児たちの巣窟「読書クラブ」の部長で、容姿へのコンプレックスを抱えたニヒリスト妹尾アザミの、ロマンティックな詭計があった…。学園の創設から消滅までの百年間に起きた数々の事件の背後で活躍した歴代の「読書クラブ」員。その、あらぶる乙女魂のクロニクル。

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