どんぐり姉妹 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359427

作品紹介・あらすじ

姉の名前はどん子、妹はぐり子。突然の交通事故で、大好きだった両親の笑顔をうしなったふたりは、気むずかしいおじいちゃんの世話をしながら、手を取り合って生きてきた。そしてすべての苦しみが終わった日、ふたりが決めたのは小さな相談サイト「どんぐり姉妹」を開くこと。たわいない会話にこもる、命のかがやきを消さないように。ことばとイメージが美しく奏であう、心を温める物語。

感想・レビュー・書評

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  • よしもとばなな、文体から登場人物のキャラクターまで全部好き。この本をきっかけにしばらくばななフィーバーになる予感。

    ◆辛い時にどう生き過ごすか
    よしもとばななの本からは「辛い時にどう生き過ごすか」、この選択肢の多さに気付かされることが多々。だまってじーっとやりすごしてあたふたしない。とにかく行動、自傷に近い衝動でもとにかく行動。なんか、人によってやり過ごし方は色々あるなぁと思う。

    ◆妹について
    あと私も妹がいるから、表立って描かれてはいないけど姉の気持ちを想像してしまった。うんうん、こうやって姉って強く?逞しく?ガサツに?なっていくのよねと…
    仲良い姉妹はいいね。私も末長く妹と仲良くしよう。

    ◆思い出は思い出のままで
    ぐり子ちゃんの初恋の相手、麦くん(名前もいい)とは、夢の中でこそ会うけれど大人になってから会うことはなく、でも確かに2人の間に愛情はあった。私は綺麗な思い出を引っ掻き回して空っぽにしてしまったり、汚してしまうタイプだったので、すごくいいなと思った

  • 35 合わないところで、少しずつ心の中のものをすり減らしていくと、人は病気になるんだ、と思って、人の強さそして弱さに驚いた。

    36 人間ってそんなにわかりやすくできていて、ごはん以外のものも毎日食べているんだ。
    雰囲気とか、考え方とかそういうものまで。

    61 これまでにちょっとくらいショックを受けた経験があっても、私の魂の芯が圧迫されたわけではない。
    そしてちょっとくらい考え方がおかしくなっていても、こだわっていなければ、やがて傷はふさがり、幸せはどこからでもにゅるにゅる出てくる。
    それは多分生命力とイコールなのだと思う。

    62 何よりも自分の芯を磨いて、あたためて、優しく包んで、もう一回芯としての地位を与えることだった。

    63 両親が私にはじめにいっぱいくれたきらきらしたものを、一生かけて発酵させていくことに決めた。

  • 沢山の死が書かれていた。両親や祖父や初恋の人やメールの差出人の夫や。それでも著者の小説を読むと生きようと素直に思える。姉妹は確かに愛されて育ってそれを世界に返すように無償で知らない人の話を聞く。身近な人に云えないことを誰かに話したいと思うことは私にも有る。沢山。現実と夢を往復する妹はこの世界も夢かも知れないと姉と話す。もしそうでも日常が愛しい。誰かのために些細な何かをしたい。

  • わたしも夢と現が混じり合った旅みたいな生活ができるようにする!いろんな人がくれた愛とかキラキラしたものを、一生かけて発酵させる!うらやましがらせるためじゃなくて、きれいな景色を共有するために写真を送ったりしたい!

  • どんとぐり、どんぐり姉妹
    挿絵ならぬ挿写真も素敵だった

  • .

  • あとがきで少し涙が出てしまった。父に最後に読んでもらった小説、のところで、お父さんが残した言葉が良くて

  • 前半、この世界に入るのに時間がかかってしまったが、後半はばななワールドを楽しめた。
    途中入っているカラー写真が、合っているような、いないような…。

    しんどくて閉じこもっていて、そろそろ一歩を出そうかな、という時に読むと良いかも。

  • あと、30ページぐらい残ってるけど、とりあえず感想を書きます。

    なんか、ぐりちゃんは本当は心強い子なんだろうな〜ってイメージ。

    恋、死が多い。衝撃の事実があったり。

    私、夢占いよくするけど、こんなに夢が現実になることってあるのかなあ。

  • 吉本ばなな、言葉選びが素敵過ぎる
    他の作品も読んでみたいと思った
    もかちゃんのラジオにこの前ゲストで出ていたとき、良い意味で陽気な普通のおばさん感があって、でも綴る文章がこんなに繊細で的確だなんて、すごく素敵な人なんだろうなあと思った。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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