荒神 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2017年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (685ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369419

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荒神 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに、『物語』を読んだ!、という読後の充足感に浸ることができた。
    時は元禄、相争う永津野藩と香山藩、それぞれの藩の人物たち、謎を思わせる客人、九死に一生を得た村の少年、そしてなにより前代未聞ともいえる怪物。『物語』の面白さ、楽しさに満ち溢れ、著者の類を見ない想像力と創造力が編み出した時代小説の傑作。
    この物語での出来事を、東日本大震災になぞらえることもできるし、「呪詛のちからでつくられた」という怪物を原発と見做すこともできよう。
    「よかれと思い、より良き明日を望んで日々を生きる我々が、その望み故に二度と同じ間違いをせぬように、心弱い私こそが、しっかりと覚えておかなければならない」
    終盤、語られるこの言葉は、東日本大震災を踏まえた、著者からのメッセージではないだろうか。
    いろいろな読み方もできるこの小説、やはり宮部みゆき嬢は類稀なストーリテラーと称賛したい。

  • 今年夏の宮部みゆきはコレ。まさかの怪獣小説でした。発表は、「シン・ゴジラ」よりも2年早いので、原発事故を怪獣に代えるのは、宮部みゆきが最初ということになろうか。解説において「シン・ゴジラ」の特殊撮影監督の樋口真嗣さんがつくり手として映画化を挙手しています。どころが、帯にはそれとは別方面なのか、「NHKドラマ化決定!」の文字が。悪い予感しかしないのですが。

    宮部みゆきはつくづくスティーブン・キングの愛弟子だと思う。現代サスペンス、SFから時代小説、ホラーをエンタメとして仕上げて秀逸。そしてそれらを我々に提示する時に、最も判りやすいのが「怪物」小説だ。キングも確か同じようなモノを書いていたような気がする。

    ともかく、今迄見たこともない怪物を描いて、なおかつ怖い楽しい興味深い、宮部エンタメの極致だろう。

    ともかく、宮部の怪獣(神)は、人間が関わり、それをつくった人々が居なくなる頃に、忘れた頃にやって来て、大きな厄災を起こす。つくった者にとって敵側にも、つくった者にとっても、厄災がやってくる、ということでは原発事故に似ているし、人間というモノの業を写しているとも言えるだろう。それを防ごうとする人たちと、それを利用しようとする人たちと。恨みは形となって、人々を襲うだろう。

    2017年7月17日読了

  • 様々な角度から色々な人を描いているので、自分の立ち位置でただ良くあろうとしているのに、全体として見たときに噛み合わなくて諍いが起きる様子が良く分かる。
    悪から逃げ回る描写は映画の様です。

  • 【読間】
    9分の5くらい時点。
    「霊験お初」と「ぼんくら」シリーズの合いの子くらいの、時代劇サスペンスを予想して手に取ったのだけれど・・・

    ところがどっこい、パニックホラーというか、怪獣映画というか・・・・な展開に、口があんぐりと開きっぱなし気味に。それでいて、目が離せないくらいに物語に引き込まれている。このまま一気に最後まで読まねば。

    ※舞台が、故郷の近く♪

  • 一言で素晴らしかった。本好きで良かったと思うのは、こうした作品に出会えるからである。
    物語自体、飛び抜けて斬新なものではない。しかし、ひとつひとつの背景が綿密で、散らばった伏線が余韻を残しながら、回収されていくのである。この心地よさと驚きにまして、宮部みゆきならではの人物の豊かさと表情が物語に温かみをまとわりつかせる。時代小説家にはかけない、時代小説に思う。読めてよかった。そう思う。

  • 怪物の怖さも人間の狂気の描き方も、風景・情景を想像させるところも相変わらず上手い。
    導入からクライマックス、オチの付け方。
    どこを切り取っても「宮部みゆき」で安心して読めました。

    好きな話か、というとそれはまた別なので星4つ。。。

    でも、これを100分のドラマにするのは絶対無理があると思うんだけどなー。
    内田有紀&平岳大の兄妹はいいとして。
    しょぼいCGとかにしないでねー!
    原作を読んでないと理解できないような内容にしないでね。と勝手に心配してみたりする。

  • 宮部みゆきは一体いつまで面白いのかしら。
    キャラの魅力。

  • 良くも悪くも宮部節全開の、安心して読める娯楽時代小説、というかモンスターパニックもの。ミステリー的要素もそこそこ強い。もっと重厚で、おどろおどろしく、ひねりの効いた内容を期待していたが…オーソドックスなまとめ方にちょっと拍子抜け。“騒々しい”後半より、怪物が姿を現すまでの前半の方が、流れがスムーズで緊張感もあって楽しめた。実写ドラマ化は、不安。

  • 息つく間もなく読み終えました。

    東北の2つの小藩にまたがる、とある悲劇が生み出した災い。
    村が襲われたという1つの事実から、次々と視点を移しだんだんと怪物の正体が明らかになっていく様は、言いようのない恐怖ではあったものの心を掴んで離してくれませんでした。

    特撮、時代物、ヒューマンドラマ…等、見る方によって、いろいろな見方ができるお話だなと思いました。

    実際ドラマ化もされるようで、解説は特撮映画監督の樋口真嗣さんと言う方が執筆されています。
    どんな風になるのか楽しみです。

  • ツチミカドサマが出てくるまでの間ずっと、「正体がわからないものに追いかけられるゾワゾワ感」を感じ、現れてから「こんなのどうやって倒せばいいの」というピリピリ感を感じてました。

  •  時は元禄、太平の世にあっても常に争いの火種を抱える人々は、自らが生み出した怪物に対し、いかに立ち向かっていくのか。

     久しぶりの宮部みゆき作品でしたが、時代小説とはいえ、怪物に襲われるパニック映画を見ているようでした。

     しかしただの怪物映画ではなく、その怪物が人々の怨恨によって生み出されたものであり、そこに多彩な登場人物たちのそれぞれの思惑が絡んでいく展開は、さすが宮部作品だと思いながら一気に読んでいきました。

     しかも、元禄という時代背景も物語に少なからず影響し、どの時代にあってもその時代ごとに世界に影響を与えていることを考えさせられました。

     また、その中でそれぞれの人物が自分の生き方を貫いていく生きざまも読みごたえがありました。

     対立する者同士が手を結んでいくためには、共通の大きな敵が必要なのかもしれません。

  • 時代劇ファンタジーだった

  • 江戸時代の怪物の物語。人間の優しさと残酷さを痛感した。登場人物が沢山いるが、キャラがみんな、たっている。
    分厚い本だったが、どうなるのかとページをめくる手がとまらなかった。

  • さすが面白くって一気に読んじゃったけど、江戸時代のゴジラだった。
    もし映画化されるなら弾正は平岳大さん!!

  • 長いのに先が気になって一気に読んでしまった。何かの比喩かと思っていたら、本当に化物?との戦いで、途中はグロいし恐ろしかった。戦いの最後は、なんというか、切ないもののちょっと王道寄りすぎる気が。しかし、そこは宮部さん、そのあとのエピローグ的部分をキレイにまとめてあり、満足感があった。

  • 江戸時代、将軍綱吉の頃、現在の福島県の安達太良山の辺りのお話です。
    自然豊かなこの一帯は、戦国の時代から、元は主従関係にある永津野藩と香山藩が領地をめぐって、いさかいを繰り返していました。そのため、国境地帯に砦を設けて監視しあっていたのでした。特に永津野藩の圧政に耐えかねた農民の逃散が香山領では目立っていました。
    ところが、ある時信じられない事態がおこります。香山側の村に住む人々が永津野へ逃げたようだという知らせが入ります。その村では家屋は焼け、打ち壊された無残な有様でした。物語が進むに連れ、それが人間の仕業ではないことが分かってきます。
    登場人物は香山側と永津野側の人々の対立の構図になっているものの、怪物を倒すために、この物語の主軸を成す、朱音を始めとする人々が段々に力を集結させ秘策を練っていきます。更に朱音の生い立ちや系図を辿っていくと戦国の世に辛酸を舐めていた、ある一族の秘術が明るみに出ます。そして正体の分かった怪物を前にして、朱音はある決心をします…
    人気のなくなった村、足跡、異臭…人間の仕業なのか何なのか?断片的な場面の連続に正体の分からない相手への恐怖が募り、先を急ぎ読み進んでいきました。
    古来、自然と一体化して住む人々の山岳の信仰や畏敬の念、自然相手の呪術、自然の恵みを活かした人間の知恵が、無気味で残虐な場面を補うように描かれいてホッとします。山の子である蓑吉や屋敷番のじいなど、子どもも年寄りも役割を担ってしっかり生きている姿にも清々しさを感じました。

  • なんの予備知識もなく図書館で借りて読み始めましたんで、”怪物”もなにかの本当の仕掛けがあるものかと思って居たら、直球でした。ものすごくビジュアル素晴らしいホラー大作、なんといいますか昔の超能力者が出てくるころの宮部みゆき作品が好きだったのを思い出しましたわ。出てくる怪物は蠱毒とゴーレム(ジューイッシュのラビが作る土人形)を足してハリウッドのゴジラ(98エメリッヒ)とトレマーズ(90アンダーウッド)を足して二で割ったような、かなり濃いヴィラン。しかも第二形態になるところなんぞはそのままゲーム。読みながらもどんどんと頭の中で映像化していくタイプで非常にエンターテイメントでした。今流行りの山登り要素とかもあったり、色々と盛り込まれとるねぇ、、ヴィランだけでなく出てくる人間登場人物や人間以外の登場人物も非常にキャラの勝ったのばかりですばらしいねぇ。ラストはホラーらしくモヤモヤさせられましたしねぇ、、でもハリウッド大型予算映画化したら宗栄はトムクルーズになりそうでイヤだ(笑)。

  • もののけの森にエイリアンが現れて、ラピュタやナウシカを思わせるキャラと展開。怖くて哀しいんだけど明日への希望、と。
    しかし、難しい言葉、いっぱい出てくる!

  • ん!私にはよくわかんなかった。
    小十郎は、どうしちゃったのか??
    朱音と市ノ介の隠れた力とかも、なんだかモヤモヤ・・・

    悲しくて、やりきれなさだけが残った。
    あれは、なんだったんだろう・・・
    おせんと、同じ気持ちかなぁ~。

  • 宮部みゆきさんの時代小説(?)、久しぶりに読んだ。細部にわたるキャラクターが生き生きとして魅力的なのはさすが。これ、NHKがドラマ化するらしい…どうやって!?

  • 様々なジャンルで括ることができる作品です。時代小説でもあり、伝奇小説でもあり、ミステリー小説でもあり、そして怪獣小説でもあります。人によっては小日向直弥の成長小説として読む向きもあるかもしれません。
    一つ確実に言えるのは、どの面から眺めてもよくできているということです。

    宮部さんはデビュー以来さまざまな形の「悪」を描き続けてきました。心の奥に潜む目には見えない悪(悪意)が人の手による事件という形で露になる、というパターンが多かったと思いますが、本作に関しては暴れ狂う怪獣という形で登場させるところが、言葉は悪いですがぶっ飛んでいます。
    一読した後で冷静に振り返ると荒唐無稽な設定に感じられることも確かなのですが、一方で読んでいる間はほとんど気にならず、物語にどんどん引き込まれていきます。
    本作のもつ強い吸引力を下支えしたのは、月並みですがやはり登場人物たちがみな魅力あふれるキャラクターだったことではないかと考えます。強さ、弱さ、そして影の部分が一人一人に対してきちんと描き分けられていたからこそ、彼らの言動一つ一つに強く引き付けられました。
    もちろんストーリーの面白さという点も大きい。特にラスト近く、怒涛のごとく畳みかける展開はさすがの一言でした。

    こういう作品にはなかなかお目にかかれません。
    というか、現存の作家で本作のようなものを描けるのは宮部さんぐらいしかいないと思います。
    とにかく感服しました。

  • 主要な登場人物に魅力を感じなかった。物語最後の要の部分、釈然としないところがあった。

  • 面白いです。発想が凄い。、

  • おもしろいけど、作者の他の時代小説とはちょっと経路が違って、途中で「あれ~??」みたいな? 何て言ったらいいか…。まあ、おもしろいですけどね。

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