- Amazon.co.jp ・本 (701ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101386119
感想・レビュー・書評
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綾辻行人さんの作品で人気ーと聞いていたので
読んでみたけど、私にはハマらなかったー( ノД`)…
いっぱい殺されちゃうんだけど、
なんか解決してもスッキリしない感じ。
霧越邸の謎めいた感じが謎のまま終わってしまい、
「えっ…えっ…」って気分だったかなー。
吹雪で道に迷った劇団員たち。
霧越邸になんとか着いたけど、そこで団員たちが
次々殺されていく。
北原白秋の「雨」に見立てて殺されていくが、
果たして犯人は劇団のメンバーなのか?
それとも、霧越邸に住んでる住人なのか? -
綾辻の中でも評価の高い一冊との触れ込みだったが、自分はあまりピンとこなかった。謎めいた住人、散りばめられた伏線といったものが、単に謎めいているだけで犯人ではありません、伏線はたんなる偶然が重なったもので惑わしてすみません…みたいな感じですっきりしない。物語全体に雰囲気があるのはそのとおりだが、自分は館シリーズの方が好みのようだ
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謎解きのスッキリ感がちょっと不足に感じました。
まだわたしの頭の中は吹雪いてます(´Д`) -
時代が変わるとき、その陰翳のなかから、
のたりと首を擡げる、化物の如きものがいる。
そのうち世の中から、煙草吸いながらコーヒー飲めるところってきっとなくなるよね…いや、全く関係ないんだけども。
あんまり美味しそうにセブンスター吸うからさ…
章題にもあるように、所謂“雪山の山荘”への挑戦でありまた、見立て殺人への挑戦でもある。
トリックに鮮烈なものがあるわけではないし、爽快な論理パズルというわけでもなく、なんというか謎は粛々と解かれていく。けれど舞台装置である洋館とその主人の神秘性が、論理の隙間を深淵に変えていて。
ダークファンタジーに踊らされるロジック、というか。
見ているものが、起こることが、吹雪と霧に溶けていく。
さて、とすべての謎が解けて、
そこに残っているものが、
☆3.4
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ある信州の山で、猛吹雪に遭遇した8人の男女。突然現れた洋館『霧越邸』に避難する。お城のような素敵な洋館には、同じように吹雪にあった町医者が避難していた。洋館の使用人たちは、温かいご飯や部屋を用意してくれたが、少し取っ付きにくい。吹雪はなかなか止まずに、避難して2日目の夜。事件は起きた。次々に起こる北原白秋の『雨』に見立てた事件。犯人は、洋館を訪れた9人の中にあるのか、それとも洋館の住人たちなのか…
なかなか面白かった。だけと最初のほうで洋館の使用人たちが『ここはホテルではありません。善意でみなさまをお泊めしているだけです。屋敷の中を勝手に歩き回らないで下さい』と何回も言ってるのに、興味があるとか主人が謎めいてるとかの理由で歩き回って、調度品を触ったりして本当この人たちなんなの?と思ってしまった。
また、劇団の主宰の男の考察とか講義が長い。薀蓄語るというのか、なんかまだぁ?ってかんじ。たぶん、劇団の最年少の彩夏ちゃんなんて『まぁた、始まったよ』とか思ってんじゃないかな?
でも、読みごたえはあった。閉ざされた雪の山荘っていうシチュエーションが好きだ。そして、この話の舞台が昭和の終わりぐらいで、今よりいろんな技術が発展してないかんじがいい!今なら、閉ざされた山荘で電話やテレビ、ラジオがなくても、スマホでなぁんでも出来ちゃう。たぶん、スマホあったら今回の事件起きてなかったかもってぐらい。
犯人については、読んでる途中で『あれ?』と思ったところがあって、そのまま犯人だったからちょっと残念だったかなー
2017.8.27 読了
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以前、綾辻作品の中でもっとも賛否両論分かれる作品だろうと『人形感の殺人』の感想に書いたが、それと双璧を成す、いやもしくはそれ以上に賛否両論分かれるだろう作品が本書である。
吹雪舞う冬山に遭難した劇団“暗黒天幕”の一行は山中に聳え立つ洋館に辿りつく。高級な調度品に装飾された館「霧越邸」に命からがら飛び込んだ一行。しかしそれは惨劇の幕開けであったという、“吹雪の山荘物”そのままの設定。
閉ざされた館で起こる連続殺人事件で作者は綾辻行人となると、館シリーズを思い浮かべるが、本書はノンシリーズである。それについては後述するとしよう。
今回一番目立つのはペダンチックに飾られた霧越邸を彩る一流の調度類について語られる薀蓄だろう。家具、照明器具はもちろん、書斎に置かれた万年筆の類いに至るまで、全てが高級品であり、それらについて事細かに語られる。こういう内容は雑学好きには堪らなく、無論、私もその一人であった。そしてそれらの中には犯罪の煽りを受けて、無残にも壊され、また殺人道具として使用される。この勿体無さは『時計館の殺人』で次々に壊されたアンティーククロックに匹敵する。私は作中人物が、これら職人が精魂込めて作り上げた芸術ともいえる物を躊躇無く壊す、もしくは意図的に壊す行為は、なんだか綾辻氏のある哲学、美学に裏打ちされた行為ではないかと思う。例えばミステリに関する既成概念を打ち砕くとか、過去の偉大なミステリ作家が築き上げたトリックやロジックの砦を敢えて壊して、新たな本格を作るといった意気込みというか。この辺はまだ漠としたイメージでしかないので、また綾辻作品に触れた時に作品と照らし合わせて考察していきたい。
で、この作品に対する私の評価はと問われれば作者のやりたい事は理解できるものの、では作品としてカタルシスを感じられるかと云えば、そうではなく、従ってなんとも中途半端な印象を持ってしまった。ずるい云い方になるが賛成半々、否定半々というのが正直なところ。綾辻氏の持ち味である日本なのにどこか異界を舞台にしたような幻想味と一種過剰とまで思えるロジックの妙、これが実にバランスよく施されているのが館シリーズだが、このうち幻想味の方にウェイトを置いたのが本書。最後にいたり、これが豪壮な館を舞台にしながら敢えて館シリーズにしなかったわけが解る。つまりそこからして綾辻氏は館シリーズからへの分化には意識的だったのだ。とはいえ探偵役島田潔は登場しないものの、文体ならびに作中の陰鬱さを感じさせる抑制された雰囲気は館シリーズと変らないし、また文中、中村青司がデザインしたと匂わせる表現もあり、そこに作者としての迷いも感じられる。綾辻作品世界のリンクであるくらいの内容かもしれないが、私はそれだけとは受け取れなかった。
ミステリの既成概念を打ち砕くために敢えて挑戦した企み、この手の作品には過去にカーのある名作があるが、そこまでには至らなかったと感じてしまった。その後の綾辻氏の諸作で彼がどのような本格ミステリ観に基づいて作品を著していったのか、さらに追っていこう。 -
設定は好きなんだけど、なんかもやもやする作品でした。まぁ好みの問題でしょうね。
館シリーズとは違う、でも不思議な魅力のある洋館の作品です。 -
読了
これこれ。直球の感想。脱帽です!
これこれ。直球の感想。脱帽です!