憧れのまほうつかい (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101388229

感想・レビュー・書評

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  • さくらももこエッセイ2冊目。さくらさんが一目惚れしたエロール・ル・ルカインの絵への想いが爆発する。本屋で目にする作品の帯に「ルカインの遺作」という信じられれない文字が。。。ルカインがやはり47歳で亡くなってしまった。ルカインの関係者に会うためロンドンを訪問するさくらさん。仕事に情熱を向けていたルカインを知る。ルカインの関係者の温かいおもてなしに感動的でした。http://ironoiroiro.blog34.fc2.com/blog-entry-26.html 確かにちびまる子ちゃんでおなじみの絵だね。③

  • さくらももこが17歳の時に一目ぼれした、エロール・ル・カインの描いた絵本。

    エロール・ル・カインのゆかりの人にイギリスまで会いに行く。

    生前のル・カインを良く知るイアン・キールさんにおもてなしを受けている時に、何度も寝そうになるももこさん。
    自分の大好きな、かなり影響受けた人の知り合いにやっと会えたのに、寝てしまう。すごい。
    こういうところが脱力していて、魅力的ですね。

    それをすっとエッセイに書いてしまう所が。またすごい。

    さくらももこの絵本愛は、本物なんだなと思う。
    高校の鞄の代わりにいわさきちひろの本のセットをもらうなんて、かっこいいな。

  • さくらももこ氏が憧れてやまないル・カインという画家についてその作品との出逢い、そして彼の足跡を追ってイギリスに行き、そこでの体験記を綴った作品。
    私は寡聞にして知らなかったが、結構外国では有名なこの作家、さくらももこ氏がちゃかさずに真っ向から1つの事(この場合は画家)について熱い想いを語ったのは初めてではないだろうか。とはいえ、内容はやはりさくらももこのエッセイである、ギャグ無しで纏められてはいなかった。
    しかし、さくらももこが曼荼羅のようなイラストを書くのは、アジア、特にインドの影響が強いのかなと漠然と思っていたのだが、まさかフランスの画家の影響とは知らなかった。文庫ではなかなかその作品が放つオーラ、迫力、緻密さが推し量れないのでそこが惜しまれる。
    また巻末のふろくに付けられたインタビューもさくらの絵に対する思いがストレートに感じられ、なかなか読ませる。
    しかし、当初はル・カインの旧知の方々を訪ねてその人となり、彼に対する想いを共有するのが目的でイギリスに行ったはずなのに邂逅の時に居眠りをしたり、予定外のウェッジウッド工場見学の方がやたら元気で充実していたりするのはもはやこの作者の人柄でしょうな、愛嬌、愛嬌。
    しかし、さくらももこのように歳を取ってもいつまでも絵に感動する、そんな感受性をずっと持っていたいものだ。

  • さくら先生が衝撃を受けたという、エロール・ル・カイン、そして彼の「おどる12人のおひめさま」。
    実は私、「おどる12人のおひめさま」を幼い頃、母の友人からのプレゼントでもらっていました。
    なんだか運命みたいです。
    大好きなル・カインの絵の前で熟睡してしまうさくら先生が愛おしいです。

  • さくらももこさんが大好きだったエロール・ル・カインさんのゆかりの人物を求めてロンドンを訪れた際の旅行エッセイ。


    憧れのまほうつかいだったル・カインが、
    亡くなったと知ったときにさくらさんが抱いた感情は、
    さくらさんが亡くなったと私が知ったときと近いのではないか。。

    もう、あの世界観は、広がっていかないんだ…と思ったときの切ない感情。



    にしてもせっかく大好きだったル・カインゆかりの人々に会えたのに
    ウトウトしちゃうってのがオチなのはもったいない…
    最初のいかにしてル・カインにのめり込んだか!というところからするとすこし尻すぼみ感……

    でも、日本人にもっとル・カインに興味持ってほしい!!というさくらさんの意図に対しては
    第一章でも興味惹かれましたので、十分達成されています笑

  • 絵本読んでるみたいな感じ!さくらさんの文章が読みやすくて本当に好き。 ただ挿絵の位置が文章見づらくしてるよねw

  • 途中で挟まれる精密で美しいルカインの絵に、当時の作者と一緒に私も恋をしてしまいました。そして登場する作者の細かくて、でも優しいタッチの可愛らしい絵。これを見ると作者の作風にいかに影響しているかがわかる。さくらももこさんのルーツの一つに触れられる作品です。

  • なにかを好きになるって素晴らしいことだなって思います。

    エロール・ル・カインに恋してからのさくらももこさんの毎日がキラキラ
    輝きだした様子が手に取るようにわかって、こっちもすごくワクワクしてきます
    絵に恋したってすごくロマンチック

    もちろん笑えるところはあるんですが、今までの抱腹絶倒エッセイみたいな
    感じとは少し違って、それもまたいい感じ

  • 著者の、画家ル カインへの尊敬と愛が溢れる一冊。
    以前からさくらさんの繊細で緻密な絵をすごいなぁと思っていたけど、そのルーツがル カインだったんだね。
    ル カインって初めて知りました。
    いろんなイラストが載ってて素敵。
    イギリス道中記もさくらさんならではのエピソード満載で面白い。

  • さくらももこが、高校2年生のときに出会ったエロール・ル・カイン氏への思いや、漫画家になるまでについて書いたエッセイ。

    とても薄い本で挿絵も多いためさらっと読めてしまう。
    挿絵の中でも「私の中のル・カイン シリーズのコジコジ扉絵」がとっても大好き。
    本当にル・カイン氏に影響を大きく受けたんだな、と分かるし、絵の雰囲気がとても可愛らしくて良い。

    こんな風に自分の人生に大きく影響を与えてくれる人に出会えたら、素敵だなって。

    100万円をもって上京した話とか、学生時代の話とかから、さくらももこの地に足が着いた価値観が伺える。

    やっぱりこの人のエッセイは、私にとって特別。

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著者プロフィール

1986年からマンガ雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートした「ちびまる子ちゃん」の作者。1990年からはフジTVでアニメ化され、超人気番組となる。『まるむし帳』(集英社)は唯一の詩集。

「2019年 『さくらももこの詩による無伴奏混声合唱曲集 ぜんぶ ここに2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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