- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101414294
作品紹介・あらすじ
泥棒長屋に流れ着いた老婆の悲しみが、出世にとことん無欲だった若き慶次郎の思いと交わる表題作「あした」。無精な夫を捨てた、髪結い妻の思わぬ本音を描く「春惜しむ」。内緒の逢瀬を重ねてはらんだ娘が、未来ある思い人を必死に庇う「むこうみず」など、円熟の筆致が香り立つ江戸の哀歓十景。慶次郎への尽きぬ思いを語る、生前最後の著者談話も収録した、人気シリーズ第13弾!
感想・レビュー・書評
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江戸の悩みながらも懸命に生きる、かつ人情味溢れる物語。巻末著者インタビューに「慶次郎は、人が転んでいたら立ち上がらせてあげるけど歩くのは自分だよ、という人物」とある。もはや引退し、大活躍をする訳でもないのに慕われ頼られる存在。2016.12.24
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江戸の町人言葉に魅せられていますので、ワクワク読み始めました。
また、町名への親しみがあり・・何度でも読み返したい本に加えます。
10話と著者のインタビューあり。
シリーズ本に加え、いくつか読んでいきたいと・・
味わい深い内容でした・・
とくに、
「吾妻橋」の余韻に浸りました・・ -
「きれいに別れてやるから。どんぐりの丈くらべのような、甲斐性なしの男を亭主にするんじゃねぇぞ」
そう言って去って行った浅次がおゆきの前に現れた。
浅次の目には、おゆきの亭主が自分と同じ甲斐性なしに見えたようで、浅次は出刃包丁を振り回してきた。
(「どんぐり」より)
2014年10月9日読了。
慶次郎縁側日記の第13弾。
ちょっと苦い味のする話やほろりとさせられる話。
相変わらずの人情の描き方がたまりません。
やっぱりこのシリーズ、好きだなぁと改めて思いました。