腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101443102

感想・レビュー・書評

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  • 他人ごととは思えなかった。読んでいるこちらまで腰が痛くなってくる。

  • 916

  • 仕事内容に関わる内容だったので,職場で読ませてくれた本。

    この業界の人間であれば「まあ,そういうこともあるよね」と納得することだろうけど,そうでない人からしたらやっぱり作者みたいな反応をするものなんだろう。

    というより,昔の日本人であればすんなり受け入れたことなんだと思う。東洋思想の醍醐味はそこにあったはず。

    人間が,目に見えないものの存在を中々感じ取れなくなった中で,世界はどう変化していくのだろう。
    見えないものを身近に感じたとき,人々はどう反応していくのだろう。それが排除でないことを望む。

    そんなことを思った。

  • 心身症が身体的健康を損ねる。ひどい腰痛に長年悩まされた著者の闘病記。13.6.27

  • 平木英人医師の「慢性疼痛」(筑摩書房)を読んだので、文庫本を買い再度読んでみた。(『椅子が怖い 私の腰痛放浪記』改題)

    売れっ子作家夏樹静子さんの腰痛の発症から克服までの長い戦いの壮絶な経験を記した本。
    前半は、これでもかというほど腰痛の苦しみ、そして治療の挑戦と、その失敗・挫折について綴ってある。・・・それにしても、世の中にはこれほどまでに多くの治療法(?)が存在するのだと驚く。
    後半は、心療内科医平木英人との出会いと、その治療、そして腰痛の克服が綴られている。
    著者も半信半疑・・・というか疑っていた心因性による腰痛。
    痛みはすべてが身体的な不調で起こった結果ではないということを、あらためて考えさせられる。

    腰痛の体験者、治療に当たる人など広くを対象とした本。

    未読の方には、平木英人医師の「慢性疼痛」(筑摩書房)と併せて読まれることをお薦めしたい。

  • 都合3ヶ月、椎間板ヘルニアを発症して今まさに療養中です。Amazonで何か参考になりそうな本が無いものかうろうろしていて見つけたので買ってみました。
    結論から言うと、症状が違うので直接の参考にはならなかったんですが、やっぱり「腰痛」と一括りにされてても原因も解決手段も千差万別なんだなぁと改めて思いました。
    痛みに悶える様子が人事とは思えない反面、自分はまだまだ甘い症状なんだなぁと、弱音を吐けない心境に……。(こういうのからストレスが溜まって悪化しそうな気もしないではない)
    ……自分も早く楽になりたいなぁ……。

  • 著名な文筆家であった夏樹静子さんが原因不明の腰痛に突然なってしまい、その完治を目指して彷徨う闘病記です。

    五里霧中、暗中模索の状態で壊れていく患者さんの心を見事に「当事者」として書き連ねた書籍です。

    文章から筆者の性格が本当に伝わってくる「嘘偽りのない文章」が満載です。

    ■ 購入対象者
    ・腰痛で悩んでいる方
    ・今はまだ元気だけど少し不安のある方

    ■内容
    一人の患者さんが経る「渡り」の現実です。

    色んな方法を紹介されては試し、紹介されては試し、と繰り返すも効果が中々見られない。

    社会生活から引き離され、焦りや不安が怒りへと変わる。

    「渡り」の患者さんが誰もが陥るこの悪循環にやはり筆者の方もはまっています。

    1つだけ思ったのは、こうした「渡り」となる患者さんは確かに色んな方法を貪欲に求め、試されます。

    ですが、基本的には

    「専門家にお任せ」 ⇒ 丸投げ
    「受ければ良くなる」 ⇒ 結果保証の意識

    という、西洋医学にありがちなパターンに陥っています。

    逆を言えば、「渡り」の方に最も多い典型例だと思います。

    自分にとって納得のいく理論を妄信し(作者の場合は筋肉の弱体化)、検証されてもその結果に納得せずにひたすら妄信する。

    その理由は「心因性」というものを受け入れたくないから。

    「私がまさか、そんなはずはない」

    これも、患者が落ちる典型的な落とし穴です。

    これは、今悩んでいる方はもとより、自分が「渡り」にならない為の予防本としても活用できるかと思います。

  • 146夜

  • 「謎002」のあとがきだったかで宮部みゆきがこの本を紹介していたので、読んでみました。

    過去数回ぎっくり腰を経験している私には他人事ではありません。
    痛みの様子の表現がもう怖くて怖くて仕方ありませんでした。

    そして、こんなにも人の身体に「心」が現れるのかと驚きました。
    完治なされて何よりです。

    実は夏樹静子は読んだことがないのですが、今度フィクションの方も読んでみようと思います。

  • 夏樹氏のどのミステリよりもこのエッセイが怖い(笑)。
    不思議な話ですが身につまされました。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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