- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101443102
感想・レビュー・書評
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2009.10.16
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夏樹静子さんが、ひどい腰痛に襲われ、治療をしても治らない。僕にも持病の腰痛がありますが、彼女の場合は経験が無かったみたいで、仕事も出来なくなるほどの激痛だったようです。色々調べたら、ストレスということが分かり、仕事をしばらく休むことで腰痛が解消。自分では、ストレスとは無縁と思っていた著者。人は知らない内にストレスを溜めているんですね。
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ミステリー作家として著作も多く、名の知られた作家なのに
なんと夏樹静子を読むのは初めてだったりする。
で、これはミステリーでも小説でもなくノンフィクション。
1993年から3年間、著者は原因不明の激しい腰痛に悩まされる。
椅子にも座れず、外出さえおぼつかない。
何よりも「原因がわからない」ということが問題で
ありとあらゆる医療、体力増強、神懸り的な事さえ試していくのだが
ようやくたどり着いた「腰痛の原因」とは?
「背中から腰に鉄の甲羅を貼りつけられたような」苦しみのなか、
何よりも心を打たれるのは著者の「創作に向かう姿勢の誠実さ」で
(それが逆に彼女の病状を追詰めるのだが・・)
夏樹静子の小説作品も読んでみたくなった。
この作品にしても個性的な医者、編集者、あやしげな治療師もいたりして
いくらでもユーモラスに書けそうな題材なのに
そうはしないあたりに著者の真摯さを感じてしまう。