- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101448114
感想・レビュー・書評
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椎名誠SF三大作の一つ、と。
おもしろいんだよ。何が、って言われると困る。
油を降らせる、なんてゾッとする発想。
やっぱりすごい世界観。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名作「アドバード」それに「水域」とおそらく同時期の世界(北政府との最終戦争が終わった後の荒廃した世界)を継承するいわゆるシーナワールドSF三部作のひとつ。
その中でも私が最も気に入っているのが、コレ。
シーナマコト氏が紡ぎだす摩訶不思議な言霊に思いっきり酔いしれることができる人ならお薦め(そういう人は既に読んでいるだろうけど)
ただし一見さんお断り。
好き嫌いがハッキリと分かれます。 -
2022/08/24読了
買ってから22年も放置されていたが、やっと読了。超常生物が跋扈し、怪しい「北政府」が権力を握ってそれに抵抗しながら生きる人々、というシーナワールド炸裂のSF小説である。
アドバード、水域等と何となく共通する世界観もあるが、別の話で、油の雨の降る(おそらく北政府からそう離れては居ない)土地、島田倉庫とその周辺が舞台。よく見ると短編集である。灰汁とかアームとか、いつもシーナさんの小説に登場するおなじみのキャラも登場。
夜盗団から物資を守るために武装した倉庫、という設定であり、その戦闘シーンは見事である。最終的に、大雨・洪水になってしまい、島田倉庫の柱そのものを爆破して地面からはがし、船のようにしてそれに乗って移動する、という度肝を抜かれる展開である。
後から気づいたが、油の雨が降るこのような世界観は、その後の「銀天公社の偽月」にも承継されているようだ。バラバラに読んでいるが、また暫くたって忘れた頃、アドバード、水域、武装島田倉庫、銀天公社と、一度に最初から読んでみたい。 -
シーナ・ワールドの原点。とても好き。
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荒廃と争乱の世界。
ハリウッド映画のように機械的な恐怖の未来ではなく、
もっと「生き物」的な「泥沼」的な泥濘状態。
かすかにつながっている個々の物語り群が、
そこで生きていく人間そのものの運命の危うさそのものみたいで、生命の進化を追うような面白さを覚える。
1回読んだら、物語の登場人物のつながりを、
時系列の系統図にして整理すると、
もっと面白い! -
?3部作?のひとつ、短編だな、世界観が気持ち悪いんだよなあ、じりじりした文章だし好きではない
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椎名誠のSF小説。短編調になっており、比較的読みやすい。椎名誠独特の地名や乗り物、生物が出てくるが、なぜか懐かしく、薄ぼんやり情景が浮かんでくる。
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大変面白かった。奇妙だけど我々の日常感覚の延長で捉えられる平易な叙述の範囲内で描かれているように見えて、やっぱりぶっ飛んで奇妙な最終戦争後の世界。最終戦争の後も人が生きていき、くだらない争いを続けたり、日々の飯に汲々としたり、フクシュウに命を懸けたりする。
「アド・バード」を読んだのは高校生のときだったろうか。アウトドアのエッセイや「岳物語」を読んでいると、同じ人がこんなふうにもう一つの世界を構築する力を持っているとはなかなか思えない。作家椎名誠、すごい。SF三部作といわれるもう一つ「水域」も読んでみたい。島田倉庫の余韻でしばらくおなかいっぱいなので、また思い出した頃に。 -
素晴らしいシーナワールド。
日本語の機能(漢字ふりがな擬態語など)駆使しまくる。
素直に関心。
しかも使い方上手だから違和感なく入ってくるし。
たまに読むと自分のバランスがとれる気がする椎名誠。