うそうそ しゃばけシリーズ 5

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461250

感想・レビュー・書評

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  • 2024/3/18読了

  • 「しゃばけ」シリーズ5作目。これまでは短編集だったが、これがシリーズ初の長編になっていて、どうしようもない病弱だけど心が優しい「若だんな」が湯治の旅で箱根に行く、という物語。毎回謎解きをしつつも、どこかに切なさが残る話も多かったが、今回の話も、主人公の「若だんな」も含めて、登場人物のそれぞれが悩みや不安、コンプレックス、自己嫌悪、自己の限界といった弱さを抱えつつ生きていく、という物語になっている。いくつか心に残る言葉が登場人物の台詞として示されている。例えば「『ずーっといつまでも優しくしてはもらえない。だ、だって相手も疲れちゃうから』それが分かるから、また人に怯える。悩みはいやでも己の中に溜まってゆくのだ。生まれてきて、役に立ったことがあっただろうか。いやこれからだとてあるだろうかと、迷う声が続く」(p.173)と、自分に自信が持てず、人に頼りきれない感じ、という揺れ動く内面の描写のいくつかは、読者にも当てはまるかもしれない。そういうデリケートな部分を中和するように、クスッと笑えるユーモラスな場面もたくさん描かれているのがいい。そして、ブクログの感想で毎回書いている、かわいい「鳴家」の活躍が描かれていて満足。毎回鳴家かわいすぎ。(23/12/03)

  • 今回は若だんな、一太郎が箱根湯治に向かう道中で色々な問題に巻き込まれる長編物。出発早々から仁吉と佐助が何も言わないまま行方不明となり雲行きが怪しいところへ、様々な人物が現れ、様々なことが起こり、誰がいい人で誰が悪い人やら混乱しているうちに最後まで持っていかれました。今回も鳴家(やなり)が活躍。かわゆい。一太郎は大妖の孫なのに、こんな命がけのことに巻き込まれて、本当に死んじゃったらどうするの!と思ってしまうくらい、ドキドキ、ハラハラ。仁吉と佐助がそばにいないのがなんとも不安な感じ。そして、読み終わった後に、プロローグをもい一度読むと、なんとも味わい深い。

  • 若だんなが湯治に箱根に行く。次から次へと事件が起きるが、何とか無事でいる。読んでいて楽しい作品。

  • 嬉しい長編。うそうそ=不安で落ち着かない様、きょろきょろ、うろうろ。
    若だんなが箱根へ湯治の旅に出る。本格的に付喪神になった若だんな印籠の獅子と、勝負を勝ち抜いた鳴家三匹もお供。
    「(なんで…誰も彼も、己一人の思いすら持て余しているんだろう)(私はここにいる。…でも誰かの、何かの、この地の役にたっているんだろうか)」
    どちらに足を踏み出して良いかもわからない、気持ちばかりが溢れる時の、心の声が泣ける。

    ■新龍、孫左衛門、勝之進、お比女(ひめ)、蒼天坊。解説は西條奈加さん

  • いつもの読み切りではなく、一冊丸々続きものだったので、寝る間を惜しんで読了。
    いつもそばにいる佐助や仁吉がおらず「兄やがいないなんて、夢?現実?」と不安になるほど、若だんなに甘くて心配性な兄やの存在に、読み手の私までもが頼り、慣れきっていたことに驚く。
    家のそばから船に乗り、小田原までも船、そこから宿まで籠なので楽勝と思いきや、文字通り倒れるまでよく頑張ったこと、と、私までおやつ抱えてお見舞いに行きたくなりました(行きたい)。
    何もいらないほどの出会いを望む気持ちが思いの外強いことに驚き、役立たずという悩みが案外深いことにも驚いた。若だんなは結構役に立ってきているし、そもそも生きているだけで尊いのにねぇ。

  • 長編。まあ気楽な物語

  • 仁吉と佐助も良い。

  • 1作目以来の長編。
    序盤がやけに冗長気味に感じたので、このお話は短編が好きかな。
    中盤からは安定の面白さでした。
    鳴家が好きだなー

  • ページ数も少なく、もともとこの人のエッセイはギャグ要素が多いので本当にすぐ読める。

    本作も笑いの要素はあるのだが、ちょっと少な目だったか。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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