天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)

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著者 : 知念実希人
制作 : いとう のいぢ 
  • 新潮社 (2015年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800271

天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)の感想・レビュー・書評

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  • 医学の知識は超人的だが、技術力と協調性がまるでない異色の天才、天久鷹央の活躍するシリーズ2作目。

    医学の知識がなければ分からない謎ばかりなのですが、こんな症状がこんな病気に繋がる、こんな特殊な病気がある、など分からないからこそ楽しかったりします。

    相変わらず登場人物たちの勝手ぶりにはちょっとしらけますが、鷹央先生のキャラクターに深みをあたえたのは面白かったです。

    【甘い毒】コーラをがぶ飲みした男が、意識を失い事故を起こして運び込まれる症例。
    「コーラの味が変だった」という証言もあって、多発しているという毒物混入事件の方向に話が向います。しかし、いかにも不健康そうな肥満体の男に読者としては事件なのか病気による事故なのか惑うところ。
    男の横柄な態度等が全て暗示的に一つの答えを指し示しているのが見事です。

    【吸血鬼症候群】輸血パックが盗難されるという事件に加え、粗雑な対応をしている病院の殺伐さが相成って、ホラーテイストの不気味な事件です。
    物のように扱われる患者の様子などがショッキングでした。
    人の機微に疎いという鷹央先生ですが、今回は病院側の内情や面子を慮った対応をしています。

    【天使の舞い降りる夜】原因不明の症状の謎、壁や天井に現れる天使の謎が、一人の少年を軸に多発します。
    ホワイダニットがキーとなっており、切ない真相に行きつきました。傍若無人な鷹央先生があまり好きではなかったのですが、彼女の内面を深く掘り下げる良い話だったと思います。
    ほのぼのとしていたシリーズですが、ここにきて医療の現場のシリアスな面が見れたのは面白かったです。
    小鳥遊先生を気の毒だと思っていましたが、どうやら惚れっぽくしかも積極的なようで、彼も現状を楽しんでいるようで安心しました。

  • 本当に不思議です。
    第1作目の時もそうでしたが、僕はこの天久鷹央という探偵(厳密には医者ですが)の言動が、鼻について仕方がないのです。
    これまでいろいろとエキセントリックな探偵を見てきているのにもかかわらず、何となく好きになれないのです。
    ワトソン役!?に当たる小鳥遊先生には感情移入して、彼の苦労を思い浮かべて胸が痛くなるほどです。
    それやのに、読み終わって本を閉じる頃には、そんな鷹央が好きになりかけている自分に気づいて、ちょっとうろたえてしまうのです。
    おそらく、いや間違いなく続編が出たら、また買ってしまうでしょう。
    ストーリーは、そうですね、一言で言うと内科の女医版「ブラックジャック」と言ったところでしょうか。
    病院内(時には外)で起こる謎めいた出来事を、天久鷹央が超人的な医学を中心とした知識を駆使して解決するというものです。
    今回は、さらに医者としての葛藤や哀しみも盛り込まれて、読み応え抜群でした。
    って、あれ、やっぱり褒めてます?

  • 破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が”診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。(裏表紙より)

    Karte.01 甘い毒
    ペットボトルに農薬が混入される事件が世間を騒がしているなか、トラック運転手の男が事故を起こし、運ばれてくる。
    意識を戻した男は、運転中に体がけいれんして動かなくなったと訴える…。

    事件との因果関係は、この男自身の問題で起こったのか。
    いろいろ考えましたが、やっぱり外れました…。
    家族の愛が引き起こした悲劇でした。
    細やかな描写が印象的。

    Karte.02 吸血鬼症候群
    療養型病院で輸血パックが消える。
    夜勤の看護師が血液が空になったかじられたパックを見つける…。
    この看護師が鷹央の噂を聞き、調査を依頼する。

    吸血鬼ということで銀製のものやニンニク、十字架のペンダントまで持参してる。
    確証を得るまで否定しない鷹央らしい。
    療養型の問題点をこの事象で取り上げている。
    患者のその後のケアも考えてトリックをしかける鷹央がカッコよかった。

    Karte.03 天使の舞い降りる夜
    小児病棟で退院間近の3人が相次いで急変。
    それと同時にこの病棟で”天使”が目撃されていた…。

    天敵の院長であり、叔父でもある大鷲登場。
    医師として向かい合わなければならない”死”。
    それを避けてきた鷹央。
    前作同様、最後のエピソードは鷹央が人として成長するための一歩を描く。
    鷹央の研修医時代の描写もあります。


    鷹央のいろんな感情、喜怒哀楽が詰まった一冊でした。

  • 短編2本と中編1本の構成。話し方など前回感じていた違和感もなくなり、読みやすくなった。物語は、病気の種類が少し難しくなった感じがあるけれど、わかりやすく解説も入っているので、止まることなく読める。今回も最終編は、鷹央先生が自分と向き合おうと努力するお話。著者が実際の医師ということもあるのか、現場の状況描写が真に迫るところもあり、ドキッとした。題材は少し重いが、読書感は重すぎない。終わり方も辛いだけではないのでほっとする。次作も楽しみ。

  • 子どもってあんなに頭良いものなのか?
    子どもの悪戯は結構混んでいたりすることもある。ただ、あの女の子の行動は理解できても、あの悪戯坊主どもの行動は理解できない。気持ちはわかるが、だからといってああいった行動をとれるほどの頭を持っているのなら、君たちは理系に行って将来は世のために働いてください。おそらく良い収入の大人になるのでしょう。

  • 天才だからこそ、肝心な時に何もできない自分を知って人より落ち込んでしまうのだろう。今回は小鳥遊先生が頼もしくみえた。「医者は自分が無力であることを知らないといけないんだと思います。そうしてはじめて患者さんに真摯に向き合えるんじゃないですか」という言葉が心にずっしり重く響いた。

  • 3作品共に、「医療現場におけるヒューマンドラマ」場合によっては「医療現場への問題提示」を含んでいるところには(テンプレ通りの、ありがちといえばありがちなテーマとはいえ)好感触。
    ただ、ミステリとして、小説として、読んだときには
    ・実際の医療現場でこれは無いなー、のご都合主義的な展開
    ・謎解き部分のご都合主義(「最終的に真から悪い人は居ない」方向に持って行きたい空気感はわかる。でもそれが、キャラの動機としてそうなるか?と考えていくと、うーん。と思う。ついでに、医療知識がない人が病院の仕組みや薬を使ってのトリックを成立させられるのかという疑問)
    ・キャラクター設定が、リアリティが薄い。「奇人変人の類である」で片付けていい部分とそうでない部分があるというかなんというか

    前作よりも、そういう点では読後の違和感のほうが強く残る印象を受けた。

    最終的にはシリーズ通して登場する主要キャラの喜怒哀楽、葛藤、成長を描くためにやりたかった内容のための話なんだろうなぁー

  • シリーズ2巻目。今回は謎の部分よりも、ストーリー性を重視したつくり。結構ホロリときました。「犯人たち」に共通するある特長が、今回の全体の基調を作っています。メインキャラたちが若すぎる設定が、前巻を読んだときはちょっと不満だったけど、この巻を読んで、彼らが今後成長していく姿を追っていきたいと思いました。作者も楽しんで書いているようだし、ゆっくりと大事に続けて欲しいシリーズです。

  • 読みやすく面白い。また登場人物が魅力的。次も読むかな。

  • 幼い患者の死を通して、医師としての覚悟を身に着けた鷹央。
    今巻では更に頼りなかった助手の小鳥遊とともに、今後は更なる活躍をするのでしょう。
    病院という閉鎖的な空間では、医療機関側の策謀や患者やその家族が起こす問題が噴出します。
    一介の医師として、また看護師として現場で働く方々の苦労は大変なものだろうと思います。お互いに尊重し合える関係でいたいものです。
    香川さん、ちゃんと良いお父さんになってね。

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天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)の作品紹介

その病気(ナゾ)、命にかかわるぞ? 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらぬ病気で……。破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

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