謎好き乙女と奪われた青春 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800288

作品紹介・あらすじ

藤ヶ崎高校一の美少女、早伊原(さいばら)樹里は恋愛に興味がない。友情にも興味がない。もちろん、部活にも。彼女が愛してやまないこと、それは日常に潜む謎。衆目の中ですり替えられた花束。学年全員に突如送られた告発メール。教室の反対側からの不可能カンニング。やがて僕の過去が明らかになるとき、「事件」の様相は一変し……。彼女と「僕」が織りなす、切なくほろ苦い青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 高校二年の春一は普通の青春を夢見ていた。生徒会として新入生代表の美少女に花束を渡す役割を果たし戻ってくると、さっきまでは普通の花束だったものが薔薇の花束に変わっていた。謎が舞い込む"体質"の自分をひねくれた自分の青春に取り込みたい西原樹里はその広大な人脈と処理能力の高い頭脳を駆使して春一を丸め込んでいく。さて、ミステリを敵視すらしている少年に、果たしてお望みの青臭い平凡な青春をおくることはできるのか?

    米澤さんの古典部シリーズを思い出しつつ、とても面白かった。主人公とヒロインの掛け合いが古典部より子供っぽく、辛辣なのがいい(笑)アニメにでもなりそうだな。

  • 半日で読了。サクサク読めた。
    どちらかというと青春恋愛寄りで、本格ミステリー大好き!みたいな人には向かないと思う。個人的にはなかなかヒット。
    謎解き要素は薄いけど、どんでん返しの要素もあって楽しめた。

    ってか、早伊原かわいいいいいい!!
    続編も出るみたいで楽しみ。

  •  矢斗春一と早伊原樹里の軽口を叩き合う関係が好きです。

     本心を語り合わない気楽さと、過去を暴かれるのではないかという不安が2人の関係の間にあったのだと思います。

  • 米澤穂信先生の「小市民シリーズ」や「古典部シリーズ」を思い出すなぁ。
    しかしこの先、ヒロインを好きになれるかが不安だ。

  • 一気読みしたミステリ。
    ロジック?論理展開で文字をどんどん追っていくような、そんなミステリ。
    女の子との関係は私の好みではなかったのですが、面白かったです

  • 『娯楽』★★★☆☆ 6
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★★★ 10
    「人物」★★☆☆☆ 2
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★☆☆☆ 2
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★★☆ 8
    『印象』★★★☆☆ 6

    《総合》68 C+

  • 設定はスクールカースト女子が上位/男子が下位のあるある高校生男女もの。どちらも性格があんまりよろしくない。そしてミステリ好き。日常の謎。どこかで読んだことあるテイスト。。。米澤穂信の小市民シリーズかな。謎が楽しければ問題ない。シニカルな軽口トークの二人に降りかかる日常の学校事件は、カンニング、いやがらせメール、落書きいじめなど、わりとシリアス系のほろにが青春もの。人間関係という一面的ではない代物を題材にして、Who誰が/Howどのように/Whyなぜの三大ミステリ要素のうち、(Howの大技はないけど)WhoとWhyがうまくブレンドされた心理的トリックが鮮やか。悪意と正義は紙一重。文章がこなれてないし、突っ込みどころもあるけど、将来性を感じるシリーズ1作目。もう少し読んでみる

  • 「誰にも気づかれずに花束を一瞬で入れ替える方法」
    舞台上でかかげられた真っ赤な薔薇の花束。
    会長と姉妹ということは、花束を渡した会長自身も何かしら気付いて事の顛末を見届けていたのかもしれないな。

    「四列離れた席からカンニングする方法」
    余りにそっくりな答案用紙。
    事実だけを見て推理したらいじめに似た境遇が思い浮かぶが、ただ仲のいい友人だったと定義するだけでこれだけも状況が変わるのだな。

    「一日で学年全員のメアドを入手する方法」
    たった一文字変えるだけで。
    彼女を奪いたいという動機で始まった事件かと思いきや、彼を思いやる行動から事件を起こそうとしていたなんて予想もつかなかったな。

    「事件を引き寄せる「体質」を身に着ける方法」
    体質を手に入れるための行動は。
    人を助けるという事はそれなりのリスクを伴うということで、必ずしも悪がいて正義がるとも限らないし報復という事もある事を忘れてはいけないんだよな。

    「終わらせる方法」
    中学からの呪いを解くために。
    彼が追い詰めているようで追い詰められているのかと思ったが、彼女の登場で登場人物の立場が分かり呪いを解くためとはいえかなり賭けに近い事をしたのだな。

  • ストーリーとしては、先の読めない感が面白かったですが、軽い文章と 登場人物に共感できない感じで、星3つ!

  • 難有り美少女新入生と彼女に捕まった先輩が出会う、入学式の花束のすり替え等の謎たち。カースト下位としながら俯瞰したつもりのような所他若い痛さが少しつらい。自分だけの正義を驕り振り回した過去を経たトリックは「僕」がしっくり来なかった。悲劇のヒロインになりたくてやり切ってしまった片思い女子の歪みが印象的。

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著者プロフィール

作家

「2019年 『アオハル・ミステリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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