スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)

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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800448

感想・レビュー・書評

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  • 小鳥先生と鷹央先生の出会いのお話。長編なのにぐんぐん読み進められました。心理学を勉強しているので、蔵野先生の「心」の定義について非常に勉強になりました。私も心は脳にあると考えているのですが、突き詰めれば前頭葉や扁桃体まで詳細に位置付けることができる、そのような考え方に驚かされました。シリーズの中でも特に好きなお話になりました。

  • 小鳥遊さんが、鈍感すぎて、ワトスン役はこなせてないけれど、知念美希人さんのテンプレートである格闘家の医者、というのは健在でこのバランスでやっていくのかなと思った。

    続きも早くよみたいなぁ。

  • 院内で運び込まれた患者に
    医師が刺殺される事件が起きる。
    直後に自殺を図った犯人は
    宇宙人の命令でやったと言い残す。
    その後の捜査で、医師の娘が新興宗教に入信して
    音信不通になったことから
    彼が裁判を考えていたことがわかる。

    犯人は教祖に操られていたのか?
    はたして人を洗脳による命令で
    いいように動かすことはできるのか?
    鷹央は事件の捜査に首を突っ込む。

    少し時間をさかのぼって
    鷹央ちゃんと小鳥先生の出会い。
    こんな感じだったのか〜。
    鷹央ちゃんも、まだ人づきあいの模索中。
    コンビを組んで、うまく統括診断部が
    回り始めるのがよくわかったわ。

    宇宙人とコンタクトをとるという
    教団の怪しい儀式を見るのに
    堂々と入り込む鷹央ちゃんがアッパレ!
    このネタ(新興宗教、宇宙人)は
    他にもいろいろ読んだけど
    みんな違う切り口をよく考えつくなぁ。

  • 知念実希人さん、天久シリーズ「スフィアの死天使」読了。長編の事件カルテ1作目、他の巻を先に読んでて鷹央と小鳥の出会いがわかって面白かった。空気を読めず人とのコミュニケーションが取れない鷹央と過去にトラウマを抱える小鳥のドタバタストーリー。冒頭から宇宙人にさらわれた男の描写で、どうなるんだろうと思ったけど、読み終われば納得の展開でした。鷹央の姉、美人の真鶴のやり取りにニヤニヤし、怪しげな宗教団体への侵入調査にハラハラしながら読みました。まだまだ続編あるので、そちらも読みたい。

  • 面白かった。
    天久シリーズは、短編からはいったため、はじめての長編ストーリーだった。
    いつもとは違い、さくさく解決するのではなく、けっこう奥が深い。
    犯人もいろいろありそうだし、なぞ解きもなかなか複雑。
    長編だからこそ面白い。

    小鳥先生と天久先生が初めてあう場面がこの小説になるのだが、後編から読んだ私としては、小鳥先生が天久先生にぶちぎれたりして、とても新鮮だった。
    紆余曲折しながら信頼関係を構築していくのが面白いね。

    ストーリーとしては、宇宙人に指示され殺人をおかした謎をつきつめる。っという物語。
    この二人のコンビが定番になってきたので、安心して読み進めることができる。

  • 天才天久鷹央医師シリーズの小鳥遊医師との出会い編であり長編。
    新興宗教(宇宙人により災厄を救ってもらえると信じる教団)と対決するお話。
    宇宙人に救ってもらうって・・・・おい。
    小鳥遊医師の外科から内科へ転科したての頭ガチガチの様子がよくでてます。 

    このシリーズ、どうやら読む順番を間違えてしまっているな・・・と気づいてはおりましたが。
    こちらの作品を読んでから推理シリーズという順番のようです。

  • このシリーズを読んでると、細かい描写が多くて、いつもそれを追いながら読んでいます。
    すると出てくるキャラクターたちが、実際に目の前で歩き回って、事件を解決している。そんな気になるぐらい、動きの描写が多いなって印象でした。

    本格的なミステリー(?)のなかに、敵と味方の心情、表情が細かく書かれているので、次々読み進めたくなりました。

  • 2018年93冊目。鷹央と小鳥遊の出会いが語られる。長編だけあって事件も大きく、広がりを見せていく。 シリーズとしての情報量も多くて、濃厚な一冊だった。

  • 医学的な知見に根拠のあるような作品というものに、出会ったことがなかったので新鮮味がありました。推理小説のジャンルとしては新しさがありましたが、推理の内容自体としては簡単に推測がつくことが多かったため、内容的な斬新さを感じませんでした。「あーやっぱりそうなのか」という感じです。それと他の小説と比較すると、キャラの確率がきちんとなされてないように感じたため、「これは本当にこのキャラなのか?」と感じる部分がありました。その点に関しては、続編が出ているので、そちらを読み進めていく中でキャラが確率されればいいかなと思います。

    話はのめり込めりこめましたが、少し内容自体の厚みにかけるため、続編でどうなっていくかを見守りたいと思います。医学的な知見が入る点では非常に面白かったです。

  • 変わり者の内科医・天久とその部下として配属された小鳥遊の出会いと最初の事件について。
    これまで、シリーズの中で「なんとなく」で流されていたような箇所が大体言及されている。

    鷹央の「秘密」については、テンプレ感の強さというかなんというか、それを言い出したら二次元の世界のキャラクターは大体何かの精神疾患に分類されていくんじゃないか、のようなこじつけといえばこじつけに近いものも感じて、あまり好きではない。でもまあメディカルの知識との関係性を考えるとそうなるのか。

    物語の大筋、「宇宙人に頭を改造された」と申し出る患者と、その背景に見えてくる宗教問題、宗教施設への潜入…は完全にTRICK系のノリとして楽しめた。
    この大筋に関しては、ミステリと医療知識の融合という点で高評価。なので、ツッコミどころについても目を瞑れる(瞑れた)。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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