かぜまち美術館の謎便り (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
3.33
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本棚登録 : 208
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800981

作品紹介・あらすじ

事件の謎はゴッホに聞こう。天才学芸員の佐久間と娘のかえでが越してきた香瀬町では、いま奇妙な事件が起きていた。それは、18年前の消印の絵葉書が届くこと。その当時、一人の少年画家が亡くなり一人の郵便局員が失踪していた。事件の謎を解く鍵は、少年が遺したピカソらを模した絵画。絵に込めた画家の想いを読み解けば、この町の止まった時間が動き出す――アガサ・クリスティー賞作家の絵画ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 18年前に亡くなった少年が描いた絵とそれにまつわる謎解きの物語です。物語の根底にドロドロとした悪意があるんですが、それを吹き飛ばすようなさわやかな物語でした。
    主人公の娘であるかえでのキャラがいいですね。まだ子供であるかえでときちんと会話できる主人公にも少し憧れます。この町で大きくなったかえでの物語もいつか読んでみたいと思いました。

  • 佐久間さんとかえでちゃんのやりとりが平和で、読んでいて疲れません。優しい物語だなと思いました。

    怒った事件は結構重大なのですが、読んでいて重たい気分にはならず、どこかノスタルジックな気持ちになりました。

    でも、私には作風があまり合わなくて……。目新しい面白さもなかったので、星ふたつで。

  • 最後に突き落とされました、ええもうそれは盛大に。
    佐久間さんはタラシということですね。かえでちゃんが空にいるとか言うからそのまま信じました。うーちょっと納得が・・誰かそれっぽいひとがいるならまだしも、これじゃ今のとこ誰もいないし、サブローさんが死ぬに死ねない。
    正直謎がどうでもよくなるくらいショックです。

  • とりあえず文庫本を借りようという気持ちであまり期待もせずに選んだ本だったが、思いの外良かった。
    この作者さんの本は黒猫シリーズを一冊読んだことがあったのだが、それはあまりよくわからなかった。
    こちらは絵画が読み解きに使われていて、知っている絵も多く、それも面白く読めたし、かえでちゃんやマト君の小さい子の感性とそれに対応する大人が微笑ましくて癒やされた。

  • 読んでからだいぶ時間が空いてしまったので
    うろ覚えですが(^ ^;

    過去のしがらみが発端となって、
    様々な人間関係が交錯。
    不器用なゆえの想いのすれ違い、行き違い。
    誤解が解きほぐされた後に残る
    新たな心のざわめき。

    「風」を印象的なモチーフに据えて、
    静かな文体ながら最後まで引き込まれる佳作(^ ^

  • 絵画を中心に据え、その歴史的背景や解釈によって謎が読み解けていく日常ミステリ。美術には詳しくないながら、語られる衒学に酔いしれた連作短篇集。 美術品にまつわる事件や関わる人物のため、それぞれの人物が知識や感情を持っているとは思うが、中心にある芸術品を前にして犯人役、探偵役が同じ感情をもつかどうかは難しく、若干綱渡りのような展開です。それは作者さんの特徴とも言え、繊細な物語で魅力的で私は大好きなのですが、本作に関しては少しだけ不安定さも感じてしまいました。

  • 【あらすじ】
    事件の謎はゴッホに聞こう。天才学芸員の佐久間と娘のかえでが越してきた香瀬町では、いま奇妙な事件が起きていた。それは、18年前の消印の絵葉書が届くこと。その当時、一人の少年画家が亡くなり一人の郵便局員が失踪していた。事件の謎を解く鍵は、少年が遺したピカソらを模した絵画。絵に込めた画家の想いを読み解けば、この町の止まった時間が動き出す――アガサ・クリスティー賞作家の絵画ミステリー!

    【感想】

  • なかなか悲惨な事件がありながらも物語の雰囲気はかぜまちという名にふさわしいふんわり優しさの溢れた物語。

    てか、生きてたのか、嫁。

    2017.11.16
    160

  • 一つ一つの謎は大げさな物ではないのですが、すべての謎が解けたとき、町を吹き抜ける風を感じる事が出来ます。
    パパとかえでの不思議な空気感が良いなぁ。
    最後のトリックはカオリ目線で読んでいるとガクッとします。

  • 直前に理詰めのミステリーを読んでたせいか、謎解き部分は「ふーん」って感じ。話に出てくる絵を見ながら読むと面白い。学芸員さんの話を聞いてるみたい。
    『わになっておどる』がわりと好き。

    読む前にネタバレ見ちゃったから、この作品最大のどんでん返しを味わえなかった。ただ、このどんでん返し必要か?

  • 装画 pon-marsh

  • 18年前、香瀬町で亡くなった少年画家がピカソなどの西洋絵画を模した絵画
    その絵に込められた少年画家の想いが18年前の事件の真相を明らかにする。
    サスペンス感やスピード感とは無縁の、優しく流れるミステリーだ。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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